わたしたちの住処をつくる記録

いえづくりについて、できごとと考えたことを記録しておきます

構造見学会

2015-04-05 19:08:38 | 勉強
 昨日(4月4日)は設計事務所による「構造見学会」でした。私は3月31日にもちょっと寄りましたので、構造はいつも見ているのですが、改めてきれいな構造に感心しました。壁下地がちょうど格子状に入り、余計に美しく見えます。
 
 
 この日は構造設計をしてくださった悟工房の山中信悟さんも遠路はるばる鎌倉からいらしてくださいました。圏央道がつながりだいぶ早く来ることができたとおっしゃっていましたが、それでも大変遠い道のりを、しかもすぐに仕事があるため日帰りとのこと。家づくりに対する並々ならぬ情熱があり、また建築が大好きな方だと感じました。


 松井先生はいつも「シンプルに見せるのが難しいんですよ」とおっしゃいますが、まさに今回これだけシンプルに整然として美しい架構が実現したのも、山中さんの構造設計サポートによるところも大きいと学びました。
 金物を極力使わないということで、見てみれば土台のホールダウン金物以外は、ほんの小さなものだけしか発見できません。金物がないということがどれだけすっきりすることか。金物がなければ安全ではない、というのは間違いで、場合によっては金物がないと「欠陥住宅」「手抜き工事」だとさえ思ってしまう施主もいるのではないかと想像しますが、本来、民家には金物はなかったわけです。プレカットでつくるようになったから金物で補強しなければならなくなったわけですから、本来のしっかりした構法を採用し、構造計画が間違いのないものなら、もともとは金物がないのが正しい。
 しかし、実際に金物なしの建物を建築基準法に適合するように建てるのは、思ったより簡単ではないようで、きちっとした構造設計が必要なようです。柱を極力少なくし、梁を視覚上も構造上も効果的に配置することを狙うならなおさらで、そうそう真似できるものではないんですね。それで、以前いただいた分厚い「構造計算書」に納得です。さらっと渡されたファイルですが、この厚みは伊達ではなく、じっくり架構が練られた美しく安全な建物であることがこの厚みに現れていると、改めて感じました。

 山中さんは今回は構造設計サポートをしてくださっていますが、普段は住宅を多数設計されている建築家さんです。私たちの家のために、今回建築家が何人関わっているか数えると、実はかなり贅沢です。

 構造見学会では上田市在住の林材ジャーナリストの赤堀楠雄さんにもお会いすることができました。いま林業をめぐって何が起きているのか、私も興味があります。「WOOD JOB」として映画化された三浦しをん『神去なあなあ日常』を読んだとき、なかなか楽しかったのですが、多分実際の林業現場はもっと厳しいものがあるだろう、と思っていました。いまや「森林飽和」(太田猛彦)というくらい森林はあるのに、全体としてはあまり生かされていないわけですから、産業構造的にどんな問題があるのか興味のあるところで、もっと勉強たいと思います。
 赤堀さんは、フリージャーナリストの数がその産業の規模を表しているとおっしゃっていました。たとえば自動車産業、あるいは農業でも、フリージャーナリストの数はかなりになるけれども、林業のフリージャーナリストは2人だか3人だそうです。これだけの森林国で、古来から木をつかって生活してきた日本で、どうしてこうなっているのかは、考えなければならないことがあると感じました。またおあいできたら、もっともっと教えていただきたいと思います。

 夕方は皆さんと夕食会にもご一緒させていただいてしまいました。楽しく、また勉強になるお話の連続でした。皆様ありがとうございました。まだまだお話聞かせてください!

 さてこのようにして、はじめさっぱりわからなかったワークショップ「き」組みの「ワークショップ」の意味がだんだん分かってきました。私は「施主」でお金を払う立場の人間ではありますが、ともに勉強させていただいていることが沢山でてきました。視野の広がる、楽しい経験です。だんだん「施主」であることを忘れてしまいそうです。あぶないあぶない。お金のことをちゃんと考えないと…

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