秋田犬のらんらん便り

秋田犬LOVEな夫婦です。秋田犬5代目のらんらんとの生活を綴っていきたいと思います。よろしくどうぞ!

連載 『Fuuと出会ったわんこ達』 3

2007年03月29日 | 連載 『Fuuと出会ったわんこ達』
コロとの出会い

 あれから何年経っただろう。私は小学校の五年生になっていた。
 学校からの帰り道、校庭の端にあるバックネットの裏で、「キュン キュン」と鳴く仔犬の声を聞いた。
『あれぇ? 犬がいるよ』
友達と一緒に連れて帰った。
『おかあさ~ん 学校にねぇ 犬が捨てられてたの。連れてきちゃった』
その犬の色は黒く、やせていてか弱く鳴くだけであった。
『もぉ~、また、犬? 飼えないからね。捨ててらっしゃい』
母にそう言われたがどうしてもその弱っている仔犬を見放すことができなかった。家の隣が空き地になっていてそこに連れて行った。
『ねぇ。お腹空いてるんじない?』
『何か、食べるかなぁ?』
『パン、あげてみたら?』
パンの切れ端をあげてみた。食べない。口を開こうともしない。
『じゃ、牛乳あげてみようか』
牛乳をあげてみた。飲まない。何でだろう。このままでは「死んじゃうよぉ」。最後の頼みは「水」だった。本来ならこの場合「水」を最初に与えるのだろうが、その時の私にそのような発想は無かった。
『じゃ、お水』
ペチャッ、ペチャッ。小さな音を立てて少しずつ水を飲み始めた。
『飲んだよ。飲んだよ』
『良かったねぇ』
そのやせ細った仔犬は少しずつではあるが元気になってきたように感じられた。

                               つづく・・・





引き続き、秋田犬の天華ちゃんの件、よろしくお願いいたします。
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連載 『Fuuと出会ったわんこ達』 2

2007年03月09日 | 連載 『Fuuと出会ったわんこ達』
別れ

 犬小屋など無かった。ちよっと床の高い縁の下があって、その一角が犬小屋の代わりであった。
 その白い雑種の犬はいつ頃から飼っていたのか、この犬がおんぶして遊んでいた犬だったのか、これも記憶が定かではない。名前もなんて言っていたのだろう。ペスとかチロとか、そんな名前だったと思う。しかし、最後のときを今でもはっきりと覚えている。その犬の歳は5~6歳くらいだったと思う。2、3日前から急に元気が無くなり、どうみても良い状態ではないことを子供ながらに感じとっていた。ある朝、冷たくなっている姿を見つけた。
『おかあさ~ん。死んじゃったよぉ~』
悲しくて、悲しくて仕方がなかった。涙が溢れ出てどうしようもなかった。
『こんな思いをするなら、犬はもう飼わない。絶対にヤダ』
そんなことを思いながら、父が庭の隅に穴を掘ってくれ、お墓を作った。そっと、花を手向けた。


                               つづく・・・

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連載  『Fuu と出会ったわんこ達』 1

2007年03月08日 | 連載 『Fuuと出会ったわんこ達』
はじめに

 今、我が家にも何代目かの犬がいるように、幼少の頃から「犬」が絶えたことがなかったように思う。この頃ふと自分と犬との関わりが時間の多くを占めていたことを改めて感じとり、思い出を綴ってみようと思った次第である。つたない文章ではあるがここに書きとめていく。ちなみに「Fuu」とは私の名前の一文字をとったニックネームである。


母の言葉

 今は亡き母が思い出すように言っていた事がある。
『Fuuはちっちゃい時、仔犬をお人形さん代わりに座布団をおくるみにして、おぶい紐でおんぶしてたのよ』
『自分のごはんをわんこに、「はい、あ~んして」って一緒にごはんを食べてたのよ』
 このような事柄を何回となく聞かされていた。まだ、2、3歳の頃だったのだろう、自分がこのように仔犬と接していた事など記憶もない。ただ、子供時代に犬が我が家に何代となく居たことは事実である。しかも大方はノラであった。
 私の犬好きはこのようにして始まっていたのだ。



                           つづく・・・


                                



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