「もんたーくいすときのたーく」
「月曜日は映画の日」というキャッチフレーズで、毎週月曜日、ここHeidelbergでは映画が安くみられる。
当時の値段で、普段10DM→800円くらいのところが、月曜日には6DM→480円くらいに下がる。 日本とはえらいちがいだね。
ただ、どんな映画もたいていドイツ語吹き替えなんだな・・・これが。
大都市に行くと字幕で上映しているところもあるんらしいけれど、ここHeidelbergでは、全部吹き替え。
だから、ドイツ人の多くはトムクルーズや、ロバートデニーロの「生の声」を知らないだよね。
なんか、ヘンだね? トムクルーズとかが、シリアスなシーンで・・・
「Danke(ダンケ)!」だよ。
で、なんで、字幕なの?という質問を先生にしたことがある。
「ドイツ人は英語が割にできると考えられているけれど、映画をまるまる理解できる程の人ってほんの2~3割だし、だいいち字幕を読んでいると、映像に集中できないので、吹き替えの方が合理的なんだよ」って。
そっか、日本語の字幕は、一瞬で目に入るように(1秒3文字らしい)訳されているし、意味が理解できるけど、ドイツ語の字幕・・・考えただけでもこわいものがある・・・。とくにエディマーフィーの早口なんか、ドイツ語の字幕なんて追いつくはずもないっ!
今のキヨシには映画を理解するだけのドイツ語力がない。
なので、キヨシはKino Tagといえども、映画館に足を向けることはなかったわけだ。
ところが、あることを知り、映画を見に行かねば!!と思ったのだ。
そう。1989年の冬・・・かの松田優作が逝ってしまった。
このニュースを知ったとき、とても寂しい気持ちになった。
日本では、きっと大ニュースで、追悼番組とかやっているんだろうな・・・
でも、こっちじゃニュースにもならないし・・・まして、追悼番組なんて・・・
あ、そうだ!ちょうど、今、「ブラックレイン」を上映している!! 見に行かなきゃ!!
そう思い、月曜日を待つことにしたのだ。
ロベルトも見たいと言っていたので、一緒に行くことにした。
大阪の極道とアメリカの警察との戦い・・・って感じの映画。
日本人の主演は、高倉健と、キヨシの大ファンの俳優松田優作。
松田優作は、この映画のオーディションを受けて選ばれたらしく、彼の意気込みの程が感じられる。あとで聞いた話だと、彼はこの映画で最後かもしれないとさえ思っていたそうだ。
彼の最後の演技を、ここドイツで観ることになろうとは・・・。
しかし、問題が一つある。
そう。ドイツでは「吹き替え」だ。
そう。 彼の肉声が聞けない・・・!!
残念だけれど、それでもいい。そう思うしかなかった。
映画の内容はあらかた知っていたので、キヨシのドイツ語力でも、何とかついていけた。
所々、日本語も聞こえてくるので、あるシーンでは他のドイツ人より理解できたかもしれないね。
しかし!!!松田優作は、なんとセリフのほとんど総てが日本語だった。
日本語しか話していない。
英語の部分だけが、ドイツ語に吹き替えられていた。
高倉健は英語を話すシーンが多かったためにドイツ語に吹き替えとなり、「高倉健」ではない声だった。
映画が終わると、キヨシはロベルトに話をする。
この映画のいちばんの悪役である男は、日本でホントに亡くなってしまったんっだって。ロベルトはアンディガルシアのような大きな目をまん丸にして驚いた。
周りにいたドイツ人たちも、興味深げにキヨシに聞いくる。
で、その場にいたドイツ人が、キヨシに「あの役者によく似ているね」とい言ってくれた。
ロベルトも、「そうだよ、そっくりだよ!」って共感してくれた。
それからしばらく、ロベルトには「ブラックレイン」と呼ばれ、キヨシも優作になったつもりでいた。 それにしても、ここへ来てたった2ヶ月間で映画の大筋がつかめるまでのドイツ語の上達には、キヨシ自身、自分に驚かされた。
一所懸命頑張ったもんね・・・。
そろそろ、ハイデルベルクを離れる日が近づいてくる。
そういえば、何にも写真撮ってないな~
「月曜日は映画の日」というキャッチフレーズで、毎週月曜日、ここHeidelbergでは映画が安くみられる。
当時の値段で、普段10DM→800円くらいのところが、月曜日には6DM→480円くらいに下がる。 日本とはえらいちがいだね。
ただ、どんな映画もたいていドイツ語吹き替えなんだな・・・これが。
大都市に行くと字幕で上映しているところもあるんらしいけれど、ここHeidelbergでは、全部吹き替え。
だから、ドイツ人の多くはトムクルーズや、ロバートデニーロの「生の声」を知らないだよね。
なんか、ヘンだね? トムクルーズとかが、シリアスなシーンで・・・
「Danke(ダンケ)!」だよ。
で、なんで、字幕なの?という質問を先生にしたことがある。
「ドイツ人は英語が割にできると考えられているけれど、映画をまるまる理解できる程の人ってほんの2~3割だし、だいいち字幕を読んでいると、映像に集中できないので、吹き替えの方が合理的なんだよ」って。
そっか、日本語の字幕は、一瞬で目に入るように(1秒3文字らしい)訳されているし、意味が理解できるけど、ドイツ語の字幕・・・考えただけでもこわいものがある・・・。とくにエディマーフィーの早口なんか、ドイツ語の字幕なんて追いつくはずもないっ!
今のキヨシには映画を理解するだけのドイツ語力がない。
なので、キヨシはKino Tagといえども、映画館に足を向けることはなかったわけだ。
ところが、あることを知り、映画を見に行かねば!!と思ったのだ。
そう。1989年の冬・・・かの松田優作が逝ってしまった。
このニュースを知ったとき、とても寂しい気持ちになった。
日本では、きっと大ニュースで、追悼番組とかやっているんだろうな・・・
でも、こっちじゃニュースにもならないし・・・まして、追悼番組なんて・・・
あ、そうだ!ちょうど、今、「ブラックレイン」を上映している!! 見に行かなきゃ!!
そう思い、月曜日を待つことにしたのだ。
ロベルトも見たいと言っていたので、一緒に行くことにした。
大阪の極道とアメリカの警察との戦い・・・って感じの映画。
日本人の主演は、高倉健と、キヨシの大ファンの俳優松田優作。
松田優作は、この映画のオーディションを受けて選ばれたらしく、彼の意気込みの程が感じられる。あとで聞いた話だと、彼はこの映画で最後かもしれないとさえ思っていたそうだ。
彼の最後の演技を、ここドイツで観ることになろうとは・・・。
しかし、問題が一つある。
そう。ドイツでは「吹き替え」だ。
そう。 彼の肉声が聞けない・・・!!
残念だけれど、それでもいい。そう思うしかなかった。
映画の内容はあらかた知っていたので、キヨシのドイツ語力でも、何とかついていけた。
所々、日本語も聞こえてくるので、あるシーンでは他のドイツ人より理解できたかもしれないね。
しかし!!!松田優作は、なんとセリフのほとんど総てが日本語だった。
日本語しか話していない。
英語の部分だけが、ドイツ語に吹き替えられていた。
高倉健は英語を話すシーンが多かったためにドイツ語に吹き替えとなり、「高倉健」ではない声だった。
映画が終わると、キヨシはロベルトに話をする。
この映画のいちばんの悪役である男は、日本でホントに亡くなってしまったんっだって。ロベルトはアンディガルシアのような大きな目をまん丸にして驚いた。
周りにいたドイツ人たちも、興味深げにキヨシに聞いくる。
で、その場にいたドイツ人が、キヨシに「あの役者によく似ているね」とい言ってくれた。
ロベルトも、「そうだよ、そっくりだよ!」って共感してくれた。
それからしばらく、ロベルトには「ブラックレイン」と呼ばれ、キヨシも優作になったつもりでいた。 それにしても、ここへ来てたった2ヶ月間で映画の大筋がつかめるまでのドイツ語の上達には、キヨシ自身、自分に驚かされた。
一所懸命頑張ったもんね・・・。
そろそろ、ハイデルベルクを離れる日が近づいてくる。
そういえば、何にも写真撮ってないな~