【ノスタルジックじゃつまんない?】

2003年12月生まれ(7歳)
2008年6月生まれ(2歳)の娘の父親です。

06【晴れない気持ち】

1989-10-22 | 【イタリアに恋したわけ】
朝、エンリコを起こして、ランバダを聞きながら軽い朝食をとり、いつものように学校へ早足で歩いていく。
日をおうごとに、だんだんと寒くなってくる。  
そんな、11月のある日、キヨシはエンリコと少し語った。

『どんな目的でドイツに来たのか、ハイデルベルクは好きか? 』

『クリスティーナってかわいいな!』とか・・・

そのうち、家族の話になった。 キヨシは正直に語りはじめる。
両親とは喧嘩をして出てきたこと、母親は泣き、オヤジは怒り・・・
19歳の息子の無謀な行動に対して理解をしてくれなかったこと、日本での学校の「休学」のこと、教育委員会まで話があがり、休学がなかなか許可されなかったこと・・・
とにかく、両親はキヨシの考えに「頭ごなしに反対」しているので、日本を出発してから電話すらかけていない。  
エンリコは毎日のように実家に電話していた。

ひととおりキヨシの事情を理解したエンリコは、こう助言した。

『今、キヨシがここにいるのは現実だ。そしてキヨシは学んでいる、キヨシはここへ来てよかったんだろ?それを伝えれば、両親は理解を示すはずだ。一度連絡してみてはどうだ。せめて、元気な声くらい聞かせてあげるのが家族だろ』  

そううながされ、実家に電話することにした。  
オヤジが、明るい声で、電話に出る。嬉しかったようだ。

『頑張ってるんならかめへん。いつ帰ってくるんや?・・・ おまえ、ベルリンには行ったんか?近いんか?今ごっついことになっとんぞ!・・・』

簡単な会話だけだったが、心につっかえていたものがとれた気がした。

エンリコ・・・ありがとう!  

「そっか、ベルリンがごっついことになってんのか~・・・行かなあかんな!」

そう思い、早速週末のベルリンをシバキに行く計画を立てることにした。

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