マイティ井上の独白②

◇「’７１年だったか，二度目のパリ遠征の時に，行きつけのレストランに行ったらさ，いま横内さんがパリに居るけど連絡をとりましょうかって……。勿論，いいからって断ったよ。あんな奴とは二度と会いたく無いって思っていたから。でも交通事故か何かで若くして死んじゃったんだよな」と言っていたマイティ。（シャチ横内は’８２年にパリで交通事故にあって死去。享年４５歳）

更にマイティの話は続いた……。「横内も皆に嫌われていたけど〇〇も横内に輪をかけて嫌われていたよな。人ってさ，どんな奴だってイイとこが一つや二つあるだろう？　でもさ，あいつにはイイとこなんて無かったよな」って。（笑）確かに〇〇に関しては，私も決していい感情は無かったが，この人ももうこの世にはいない……。（勿論〇〇は日本人レスラーです）

負けん気の強いマイティの”歯に衣を着せない”発言はある”大物”にまで及んだ。「あの人はさ，世間では”聖人君子”みたいに言われているけどさ，そんな事ないよ。金にはシビアだったし……でもあの世に金なんか持って行けないのにさ。」と，私との話では”その人物”の金に纏わる出来事なんかも喋ってたが，マイティの言った事は，聞いていて筋が通っていたけど……敢えて今回は〇〇と，しました。（笑）

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’６７年に高校を卒業と同時に《国際プロレス》入り……僅か４ヵ月後（７月２１日）にはデビュー戦を行ったマイティ井上。
「あの時の事は，全く覚えてないんだ。相手は仙台 剛（笑）だったけどさ……。ただ，がむしゃらに大剛さんに向かってったよ。覚えているのは会場（名古屋・金山体育館）が蒸し風呂の様に暑かった事ぐらいかな～」と，当時を振り返った。「デビュー前に青山にあった会社のビルの屋上で，マットを敷いて受け身の練習をしたけどさ，あの時の事は一生忘れないよ」と，４４年も前の事をまるで昨日今日の様に鮮明に覚えている様だ。 ＜茨城＞

※写真は渋谷にあった国際プロレスのジム。ビル・ロビンソンの指導を熱心に聞くマイティ井上（中）右はグレート草津。