ほっぷ すてっぷ

精神保健福祉士、元新聞記者。福祉仕事と育児で「兼業」中。名古屋在住の転勤族。

お酒と花火と敬語

2006-12-31 09:02:34 | Public
最近観た映画
・ラストサムライ
・インディ・ジョーンズ
・GO
・INSIDE DEEP THROUGHT
・SUPERSIZE ME
・アバウト・ア・ボーイ
・ターミナル

 インフルエンザだと言われたのは間違いで、腎臓からウイルスが感染する病気だった。ノルウェーで病院に行ったのが発症4日目の夜。その日薬をもらったが、もう薬が効かなくなっていたらしく熱下がらず。翌日また病院に行き、そこから4日間入院しました。

 人間、体が健康でなくては好奇心と思考力は低下するもので、特に面白い収穫はなかった。新しめの病院だったので部屋はスカンジナビアンなかわいらしいデザインだったような気がする。看護婦さんたちはきれいで元気だった。「今朝何が食べたい?」と聞かれ、フルーツ、とか、パン、とか、スープ、とか答えると台所で用意して持ってきてくれる。フルーツとフルーツジュースは廊下のテーブルに置いてあって、いつでもセルフサービスで食べられるようになっている。そんなリラックス感は日本とは違うかなと思ったけど、そんなに日本の入院病棟を知っているわけではないからよくわからない。

 さて、その後、少しはノルウェーの4番目の都市、STAVANGERを見る機会をようやく得たわけです。

 かわいらしい街並みとは関係ないが、ノルウェーのお酒の値段と、花火が禁止されていて1月1日だけ許されている、という話は少し驚いたので紹介。

 デンマークで、安いビール(0.33リットル)は20円くらいである。カールスバーグでも100円。ノルウェーでは、あれは確かロング缶(0.5リットル)だったけど、400円。若者にしてみれば、それだけでデンマークに渡る理由になるというものである。ビール、ワイン以外の強いお酒は専門店でしか売っていない。

 花火は、1月1日だけ。寒い寒い大晦日の夜に、こぞって花火を上げる。もちろんそんなに安くない。

 ちょっとでも値段を下げたり規制を緩めたりすれば、それへの反応はかなり感応的だろう。価格(規制?)弾力性が極めて高そうである。それほど熱心なクリスチャンの国ではなさそうだが、規制が出来た頃は「お酒は控えるべき」という考え方が一般的だったのかもしれない。こういう事例を考えるとき、制度って難しいと思う。

 話は変わるが、敬語ってめんどくさい。日本人としては、それがたとえ英語で対する人であったとしても「敬語を使うべき人、場面」が体に刷り込まれていて、たとえば今住んでいるこの友人宅でも、ご両親にうまく話しかけられない。でも、いろんな感謝の気持ちは日本食を作ることでちょっとだけ還元。お好み焼きとカレーーライスは好評でした。

 日にちも曜日も気にしない、記録的にのんびりなこの日々も終わりが見えてきた。1月2日の早朝、ノルウェーを発ちます。さらばスカンジナビア、、と言うのニューイヤーを祝ってから。

一週間

2006-12-18 08:22:41 | Public
shaking : 体が震える
PMS : premenstrual syndrome

 この一週間、日曜日から日曜日までは、私のデンマーク生活のなかで得意な、いろんな意味で忙しい一週間だった。

 日曜日、土曜日音パーティーからの回復に一日を費やす。元気になったかな、というところで、自転車で中央駅まで。ポーランド旅行で仲良くなった友人がコペンについたのだった。コペンハーゲン人なら誰もが知っているクリスチャニアに行った。

 月曜日、前日3時に帰ってきたためにどろどろに疲れて一日を過ごす。夕方、またその友人と出歩くことに。彼の持ってきたウォッカを飲みながら(セブンイレブンのスムージーの入れ物が、ウォッカを二人で分けてジュースで割って飲むのにぴったりの大きさだった。感動的に。)なぜ彼と気が合うのかわからないけど、一緒に居て疲れない人だ。ゆっくり歩き、ゆっくりしゃべり、ゆっくり人生をプランニングしてる27歳。きっと次は日本で会える気がする。
 そのあとが重要だった。酔ってたのだと思う。車と車の間のフェンスが見えなくて、自転車で激突。顔の右側と、右肩、左膝を激しく負傷し、帰宅。ルームメイトがびっくりしていろいろ手当てしてくれた。

 火曜日。もちろん体はひいひい疲れている。そしてひどい顔。顔を洗うのも大変な、ひどい擦り傷が唇と右頬に立ちはだかっている。打撲の影響か、体が痛くて、あまり勉強できなかった。寮の友人たちに下に来るよう誘われても断って、部屋の中で過ごす。ルームメイトがいて本当に良かった。

 水曜日。さすがに金曜日のテストの勉強をした。一日中。夜には気持ち悪いくらいまた体が疲れてきた。PMSだったのだと思う。

 木曜日。勉強勉強。金曜日のテストは手ごわいのだ。何が出てくるか予測できない、エッセイスタイルのライティングのテスト。それも4時間。もちろん英語。それでも夜は、寮の大勢とディナーを食べに出かけた。ちょっぴりフォーマルに決めて、NORREBROに出かける。値段の割りにたいしたことのない料理だった感は否めないけど、こうゆうのもいいよね。あぁほんとに最後なんだなぁ。

 金曜日。朝8時半には学校に居た。分厚いテキストと論文の束を持って。前日の夜中、3時にルームメイトはアムステルダムに旅立った。おかげでよなかまで寝られなかったんだよね・・・テスト中はよかったけど、終わったらぐったりぐったり。友人とお茶をして、彼の家で夕飯を食べて、帰ってきたら出かける支度。最後の金曜日、行く場所は決まっている。Kulor BarはこのSvanevej人のお気に入りの場所だ。もちろんバスで、(電車ではなくて)出かける。あぁ楽しかったぁ。

 土曜日。それにしても寝ても覚めても体が疲れてる。PMSも大いに手伝って、4時過ぎまで何も出来なかった。しかしそこから頑張って寿司を作る。今日はこの寮の子たちとさよならパーティー、いやクリスマスパーティーでした。イタリアン・ガールズは素晴らしいラザニアとパイ、あと簡単なサンドイッチを、そして私は巻き寿司と残りの日本酒を振舞う。壁には誰かが私たちの名前を刻んでいた。ちょっと青春。そのあと、、、これがよくなかった。疲れていたのに一緒に夜遊びに出かけ、ものすごく寒い思いをしながら帰って来た。

 日曜日。友達と、彼と、家でランチをすることになっていた。オムライスを作ろうと材料を買ってあったけど、どうにも起きられない。。午後に映画に行くのはあきらめて、時間をずらし、部屋の片付けとシャワー、そして彼を待つ。
 食べ終わってみかんを食べ、お茶しているときに、それは来た。急に寒気を感じたと思ったら体の震えが止まらない。二人もとまどうほどに、激しい震え。どうしようもないからベッドに寝て耐えた。たぶん、インフルエンザのような気がする。時々死にそうなくらい激しい震えと体の痛みが襲ってくる。水を飲んで寝る。ものすごい汗をかくのだが、こんな日に限って着替えがほとんどない。ちょうど洗濯しなくちゃと思っていたところだったけど、洗濯する体力もないし。。結局ちょっと回復したときに洗濯をして、乾燥機にかけた。そして今日が終わりかけている。

 昨日、オランダの男の子とお別れを言った。彼は今、オランダに向かう車の中だろう。朝の6時に出て18時間かかると言っていたから。ほんとにお別れなのかね、たぶん。悲しくもなんともないけど、ただSATRANGE。明日はブラジルの子が、あさってはホンコンの女の子とスペインの女の子が、そしてしあさっての水曜日には私が、ここを出るのだ。ほんとかな?たぶん。出発前にしなくちゃいけないことがいくつかある。タックスレシートを取りにいったり、CPRナンバーをキャンセルしたり。銀行のアカウントも。ベーカリーでデーニッシュもトライしなくちゃ。センターシティーでクリスマスプレゼントも買わなくちゃ。

 日本で、出発の前日の夜、半信半疑で、半分徹夜でスーツケースとバックパックにいろいろ詰めてたのがついこないだのような気がする。荷物は、まず本が増えた。大きな授業のテキストと、日本からのガイドブック、小説云々。小さめのコートとトレーナー、赤いワンピースも増えた。他には何だろう。

 他には何だろう。何が変わったんだろう。
 「留学中より、帰ってきてから感じた衝撃の方が大きかった。」と、スペインに留学したことのあるデンマークの子は言っていた。ほんとかな。

 多国籍な環境で、いろんなところでいろんなことをしてる友人を持つと、他人の立場になって考えることをあきらめちゃったりするのかな。彼といると、時々それを感じる。

 ああ、明日は元気になっていますように。

デンマークの大学生

2006-12-11 04:35:01 | Public
●新出単語
mushroom : (動詞)キノコ形に広がる、急速に発展する
political correct : PC
venue : 開催場所
paternalism : 父親的温情主義
impatient : 待ちきれずにそわそわして
itch : かゆい

・・・

 「今日会った、中国人の女性何歳だと思う?」

パーティーのあとに彼が私に聞いた。中国で大学を出たって言ってたし、、28歳くらいかな、と答えたら、

 「38歳」

だって。子供が2人いらっしゃるらしい。他にも1年生の彼のクラス(30人くらい)には40歳の人もいた。彼は自作のビターなビールサーバーと一緒に現れた。アイスランド人が多かった。

 日本人は年齢を気にしすぎる、それはあんましよくない、みたいなことを耳にするけど、それは違うと思う。日本の社会で生きている人々は、今のその人がしていること、考えていること、というのがかなり年齢によって説明される、という事実があるからだ(私の経験的に)。だいたいこれくらいの年齢の人は大学生で、こんな感じだよね、みたいな。

 ここでは年齢という要素は通用しない。国籍も。とくにこのクラスが、日本語か中国語+社会学、経済学、(+何かよくわからないけど)を扱うところだからかもしれない。ビジネスのコースの方とはだいぶ事情が変わってくる気もする。

 何はともあれ、いくつになっても勉強したいときに勉強できるって環境は、思っている以上に素晴らしいものなんだと思う。日本で、たとえば結婚してからまた大学に行って、、なんて話を聞いたら「この人はすごい人なんだなぁ」なんて感心するだろうけど、ここではごく普通の選択肢なんだろう。必ずしも「一念発起」を必要とせずに勉強し始められるって、その人の人生をどこか豊かにする気がする。

デンマークが好きかどうかよくわからないけど、実際たいがいのことは日本のもののほうが好きなんだけど、大学システムにおいてはdefinitelyデンマークの方が素敵だわ。

・・・
今日のいち感動は、『うたかたの記』より。メモでした。

メール

2006-12-07 07:27:46 | Public
「今日は満月!」と彼にメールを送った今日は、メール記念日。

・・・

私が読んでるメルマガの冒頭に、(1ヶ月前くらいのものだけど)

「11月になったらスキー場の予約入れなきゃと君が言ったから・・、
 今日はスキー場の予約記念日。」

ってあって、ちょっとツボだった。ウマイって。そのあと、その面白さを彼に伝えるのはかなり難しいなぁと思ったのを覚えてる。

で、今日はメール記念日。


日本、よく、いい天気だ、満月だ、星がきれいだ、とよくメールしてたなと、その後気づいた。そんなささいな私のやり方が、今までできてなかったんだなぁ、それが少し少しストレスだったのかな。


彼のことも、ルームメイトのことも、今になってようやく少しわかってきた。人間が、必要に迫られない環境で、本当のところを知るのって時間がかかる。でも、わかってきたと同時に好きになってきたからとりあえず良しとしよう。

今日は自分のためだけのブログでした。

・・・
「留学して、バカになったんじゃないかって不安になるよね」
とルームメイトと話をした後に、こんな子供っぽいブログなんて気が引けるけど、明日から努力することにしよう。。

共同体とオトナ感

2006-12-04 06:15:23 | Public
◎新出単語
convert : 物事を転向させる
substantive : 本質的な、実質的な
pathetic : 取るに足らない
slob : だらしない人
crabby : 気難しい、nervous

・・・

「共同体という運命的な結びつきの力は、まざまざとその存在を示し、苦難が時代
全体を支配している今は、個々人の幸福はありません。」

「共同体という運命的な力」・・・私たちが国という自分の共同体を、原則的に選べないという点で、運命的と言っていいかもしれない。

「まざまざとその存在を示し」・・・しかし国という共同体は、人々の中に常に大きく存在感をあらわしているわけではなく、国のかたちや国の経済状態で、国ごとに、時代ごとに存在感を変えていくものだ。

「・・・個々人の幸福はありません。」

・・・

 私は、アメリカ人にとってアメリカという国、そしてそのアイデンティティーが実感として感じにくいものだとしても、それが小さい政府のせいだとはもちろん思わない。それは、国がただ「まざまざとその存在を示し」ていないだけで、ちゃんと国はひとびとのなかに入っているのだ。でも、「まざまざとその存在を示し」ているのとしていないのとでは、人々はどちらの方が幸せになるのだろう?

・・・

体力不足、おしまい。

ビール

2006-12-03 08:33:23 | Public
◎新出単語
button : ボタンを掛ける
pimple : ニキビ
meet up : おち会う
squish : ビシャっとつぶす

・・・

 友人が風邪気味だというから、ちょっと心配して学校で待ち合わせることにした。図書館に居るから、ミーティングが終わったらメールして、と連絡して私はひとまず図書館で寝ていた。そしたら、

「Come down and join us, we are just drinking a beer and talking.」

とメールが来た。昼間の3時。

 金曜日の昨日に限らず、ここの大学のカフェではビールが売っている。ハッピアワーなるものもあって、Carsbergのおいしい生ビール0.5リットルが、2つで25Kr(500円)になる。だんだん音楽も大きくなってきて、普通のバーのようになっていく。風邪引いてるのかと思ってた私はまず拍子抜けしたけど、そのついでにいい気になってビールを飲んで来ました。この季節にはクリスマス・ビールっていうちょっと黒めのビールもお目見えしていて、話題もクリスマス・パーティーだった。

・・・

 今日の午前中、ノルウェー行きのチケットを買った。今年は友人宅でリアル・クリスマスを味わえるらしい。安くはなかったけど、最近少し金銭感覚が麻痺しているからまあよし。いろんなものに対してのラストチャンス感が私を足浮きだ足せている。機会費用。なんて便利な言葉。

 午後にはカールスバーグ・ファクトリーにルームメイトと行った。ここでもまたおいしいビールを飲みながら(入場料は25Krで2杯ビールが無料)彼女と話したのは、

「自分の国に生まれて、ラッキーだと思うか?」

ということだった。アメリカ人の彼女にどんな答えを期待していたのかわからないけど、彼女は(政治については全くagreeしないけれど)「私はただ、自分の生まれた街、家族、その他環境について、ラッキーだと思う。アメリカの国民としてどうか、なんてよくわからない。アメリカは広すぎて私もよくわからないから。」と言った。

 私自身は、ここで暮らしてみてつくづく自分は(千葉人とか、小林家出身だから、とかではなく)「日本」人だと感じることが多かったけど(でもうちのゼミ生だ、と感じることはたくさんあった)、彼女はそんな風に思うことはあまりないらしい。彼女の言葉の背景には彼女の複雑な家庭環境があって、「自分で自分の環境をどう作っていくか、ということは子供のときから考えなくちゃいけなかった。でもそんな境遇を今ではラッキーだと思えるし、自分のアイデンティティーはアメリカではなくその経験から来ているから、アメリカ人としては答えることは難しい。」みたいな話だったと思う。

 なんというか、これがアメリカ人の感覚なのかも、って無責任に納得してしまった。うーん、うまく言えないけど、今はただ、納得した、としか書けないや。

 なぜか私は今、国の動きとか制度とかに興味を持つようになっているけど、そしてそれはそんなに特別なことではないと思っていたけど、なんというか周りにはそんなこと考えている人は少なくて、というかほとんどいなさそうで、ここでもちょっと拍子抜けすることがある。

 「なんで日本語そんな頑張ってるの?」

と日本語専攻の友人に聞いてみた。

 「面白いから。」

以上。ただ、人と話すのが面白くて、外国人と話すにはその国の言葉で話す方が面白くて、日本人って、日本ってちょっと面白くて、漢字を習い始めたら日本語自体なんだか面白い。・・・そうなんだって。日本語が面白くなくなったら勉強するのをやめて他のことすればいいし、とも言ってた。

「英語ってそんなに面白くないんだけど。」

と言ったら「かわいそうに」と言われてしまった。21歳に。でも、ただ「面白い」と思えて、それで勉強していることがまあ一番幸せなんだろうね。

・・・

 あぁ、いろんなことがつながらない。いろんな要素は私の一部分だけをかすめてどっかに行ってしまう。「忘れる」ってことが一番怖いことのような気がしてきた最近。何か物事を忘れてしまうのは、感動が少なかった、その余韻から何も考えたりしなかった、ということなんだろうか。

今日はここまで。