この懐かしき本たちよ!

まだ私の手元に残っている懐かしい本とそれにまつわるいろいろな思い出、その他、とりとめのない思いを書き綴りたい。

#375 マーガレット・ミッチェル著「風と共に去りぬ」2

2008年01月07日 | 英米文学
私は所謂外国の名作を日本語訳で読んだ後、その英語のオリジナルを買うことがある。その作品の英語はやさしい英語なのか難解な英語かがわかるとどういう作家なのかがわかるような気がする。それからある面白い表現、特殊な表現が日本語訳であった場合、元の英語ではどう表現しているのか気になることがある。そのために英語版もつい買いたくなるのである。

それにしても、この「風と共に去りぬ」の英語は実に平易でわかりやすい。はじめから英語で読んでもよめないことはないと思えるくらいである。そしてストーリーがどんどんと進むし、会話も多い。昔から読者が多い理由でもあろう。

この作品は米国の南部から者を見ている。南北戦争の記述が多いが、それは南北戦争で南部から北部から虐げられたこととして書かれてある。北部が勝利した後の、黒人による横暴さも南部人の被害者の側から書かれている。

第二次大戦が終わって、米国は未だかって敗戦を経験したことのない国である、と言われたが、米国南部の人達は、南北戦争で敗戦の経験を持ち、その屈辱と戦争の悲惨さを祖父や親からの口伝てに聞いて自分の体験のようにして持っているような気がする。

私がかって米国のサウスキャロライナ州のチャールストンに旅行したとき、チャールストンでよく行われる「別荘での民宿」をしたが、朝食の時にどうすれば南軍は負けないですんだろうか、という話を同宿の米人が私に話はじめたのを思い出す。今でも南軍の敗戦は南部の人達には悔しいできごとのようである。

この作品「風と共に去りぬ」は実に克明に南北戦争を描いている。それも南部の人達の立場で書かれている。

もう一度ゆっくりとこの作品を読んでみようと思う。

画像:「Gone with the Wind」By Margaret Mitchel . Warner Books(1993年印刷)
1034ページ


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