日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

汽車旅in北陸 2014初冬 Returns -きくのや-

2014-12-06 13:59:52 | 北陸
さて、昼食代わりに「赤玉本店」で一杯やるつもりが、宿の好意によりチェックインよりかなり早めに部屋へ入れたため、思わず寛いでしまいました。本日は市役所裏手の旅館「きくのや」の世話になります。
前回泊まった「兼六荘」が、城の近くの閑静な立地といい、ビジネスホテルとは一線を画した落ち着ける雰囲気といい、どれをとっても申し分のない宿だっただけに、今回も当然選択肢として考えはしました。あえて違う宿を選んだのは、和室に泊まれるのが決め手になってのことです。以前京都で和室の宿に泊まったときと同様、古都へ来たならホテルの洋室よりも旅館の和室を選びたかった次第です。そして、この狙いはどうやら的中しました。
香林坊の交差点から、おでんの老舗「高砂」のある路地に入ってしばらく進むと、通り沿いの建物から少しだけ奥まったところに、木綿の暖簾を掛けた玄関があります。全7室とささやかながらも、上質なニス塗り天然木で造った玄関は、商人宿とは明らかに違う、純然たる旅館の趣です。
もちろん、金沢の旅館に関して高みを目指せばきりがありません。この私が選ぶということは、ビジネスホテルとさほど変わらぬ価格帯であり、それ相応に年季は入っています。しかし、隅から隅まで丁寧に手入れされて、むしろ居心地よく感じられるのは、京都の宿に泊まったときと同様です。六畳の和室は一人客にはちょうどよく、漆塗りのテーブルと、竹を編んで作った床置きの行灯に、古都ならではの上品さが感じられます。家族経営による文字通りの家庭的な雰囲気もよく、おかげで快適に滞在できそうです。

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