日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

北陸近畿縦断ツアー 四日目

2013-10-15 22:28:16 | 甲信越
この展開を予想できた方はいらっしゃるでしょうか。花見の名所、高遠城址公園にやって来ました。
突拍子もない展開になったのは偏に天候のせいです。というのも、名神に乗ったところ、雨足が強いばかりか大型車が非常に多く、叩き付ける雨と先行車の巻き上げる水しぶきで視界すらおぼつかない状況だったのです。これでは疲れるだけなのが明白だったため、中央道を中津川で下りました。そこから木曽路を上って権兵衛峠を越え、伊那谷を横切り高遠にやって来たというのがここまでの顛末です。

このように、時間が押すのを覚悟で一般道を走るという、ある意味無謀な行動に打って出たわけなのですが、結果としてこの判断は、少なくとも今の状況下では正しかったようです。
もちろん、車外に出るのもはばかられる降りようですから、国道を淡々と進むしかありません。しかし、狭い谷に沿って蛇行を繰り返しつつ、ところどころ視界が開けたり宿場が現れたりする適度な車窓の変化が、淡々と走るにはむしろ好都合なのです。近年大手コンビニが進出してきたとはいえ、それ以外に全国チェーンの郊外型店舗がほとんどないという、幹線国道にしては今時珍しい光景も独特のものがあります。加えて、長距離トラック以外の車がほとんどない「トラック街道」とでもいうべき光景が、なぜか旅情を誘うとでも申しましょうか。数年ぶりに走った今回も、木曽路特有の雰囲気は損なわれておらず、二時間弱の移動を退屈に感じることはありませんでした。

それにしても、花見の時期はともかく、半年経った10月の、それも土砂降りの晩に高遠へ来るなど、後にも先にもこれきりになるのでしょう。当然ながら園内には人っ子一人おらず、花見の頃に聞こえていた蛙の合唱は秋の虫の声に代わり、それさえ雨音にかき消されようとしています。気温は12度、冷たい雨が桜の葉を散らし、伊那谷には晩秋の気配が漂ってきました。

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