日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

晩秋の大地を行く 2020 - 万年青

2020-10-21 20:07:15 | 居酒屋
駅裏の宿から歩いていくと、人通りも車もほとんどない繁華街が見えてきました。昨晩こそ平時に比べて五十歩百歩に見えたものの、今夜の眺めはあたかも丑三つ時のようです。そのようなときでも開いているのがこの店でした。「万年青」の暖簾をくぐります。
釧路の状況の厳しさは昨晩の様子からも窺われました。その理由として思い当たる節もあります。管内で集団感染が出たことを、今朝方小耳に挟んだのです。道内では石狩に次ぐ数でした。人々が警戒心を強めた結果か、当店でも先客の姿は皆無。後から入った一人客も夕食を済ませただけで出ていきました。丑三つ時に訪ねても、営業を終えた同業者で賑わってきた平時を知る者にとっては、目の前の現実に立ち尽くすしかありません。
しかし、お客がいないことを除くと、変わったところはないともいえます。女将を筆頭にした三人組は健在です。おでん鍋にはネタがひしめき、カウンターには食材を並べたザルが整列します。女将の年齢的な問題もあって、近年こそ看板を繰り上げたり、定休日を増やしたりという変化は見られるものの、いつ行っても開いているのが当店の真骨頂でもありました。客足が途絶えたからといって店を閉めたり、仕入れを減らしたりすれば、ますますお客が離れていくという判断なのかもしれません。「継続は力なり」を体現する姿勢は天晴れです。長年にわたり年中無休を貫いてきた当店らしい決断に、心からの敬意を表したいものだと思います。

万年青
釧路市栄町4-2
0154-24-4616
1700PM-200AM
月曜及び第一・第三火曜定休

酒二合
お通し(きんぴら)
おでん三品
さんま
玉子焼
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