日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

巣立ち

2021-08-05 20:46:48 | 旅日記
強行された祭典が火に油を注ぎ、ますます焦臭くなってきました。しかし、国境を跨ぐ祭典がいけしゃあしゃあと行われているにもかかわらず、個人は県境すら跨ぐなという勝手な理屈に道理はありません。自分にとっては今しかできない「挑戦」です。この歳まで居候を続けてきた自分にとっては、遅すぎた巣立ちでもあります。出発がいよいよ近付いてきました。

いきなり水を差されたのは、金沢市内を対象にした禁酒令です。毎晩呑み歩くかどうかはともかくとして、着いたその日はなじみの店でささやかな祝杯を上げるつもりでした。それがお門違いな「要請」によって台無しにされただけでなく、少なくとも月内は店で一杯やる機会がありません。興醒めさせられる結果です。
ただし、自粛自粛と叫ぶしか能のない連中と違って、あちらの首長は多少なりとも賢明なのかもしれません。最近小耳に挟んだのは、感染者数に目くじらを立てる政策に、知事が苦言を呈したという話です。飲食店というだけで一律に取り締まる政策にも、懐疑的な立場にあるようでした。朝令暮改を繰り返す国の施策に振り回され、否応なく追従せざる得なかった面もあるのでしょう。「要請」を下す立場にある自治体の長から、疑義を呈する意見が出始めているのはせめてもの救いです。卑劣な政策に対して非暴力・不服従の姿勢を保ち、やれる限りのことを模索していくしかありません。

表面上は相も変わらず自粛自粛と繰り返されているものの、石もて追われる立場かというとそうでもなく、自治体はむしろ歓迎している節があります。というのも、県外からの転入者に結構な額の補助金を出す制度があるらしいのです。その範囲に在宅勤務者が含まれるということからしても、本来あるべき「新しい生活様式」を推進する一環として整備されたのは明らかでした。
物件が成約してから知った話で、補助金目当てで決めたわけではありません。しかし、かくも物騒なご時世に、渦中の大都会から移り住む人間を手厚く迎えてくれると知り、しみじみありがたく感じました。それとともに、時代に先駆けこの取り組みに加われることを光栄に思います。転入から三ヶ月経過すれば申請でき、五年以上住めば満額、三年でも半額が支給されると聞きました。ともかく一年生活するという目標は維持するものの、三年が次の目標となりそうです。
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