日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

中国九州縦断ツアー 2014 -明治屋-

2014-11-25 16:58:53 | 居酒屋
二年ぶりに聖地へ戻って来られたことを喜ばしく思います。大阪でいの一番に訪ねるのはもちろん「明治屋」です。
関西名物ともいうべき昼から呑める大衆酒場が数多ある中、この店は趣をやや異にします。まずは何といっても、移転前の造作をほぼそのまま持ち込んだ、古びた味わいのある店内です。しかしそれだけではありません。午後一時というやや中途半端な時間から開くのが一つ。もう一つは店内の静謐さです。
その違いは、一つには客層に由来するものでしょう。一人客が中心なのは、他の多くの大衆酒場と同じでも、野球帽にジャンパー姿の親父より、背広にネクタイ姿の紳士然とした面々が多いところは明らかに異なります。そのような一人客が、各自物思いにふけった様子で静かに酒を酌む様は、常連同士が意気投合して歓談する大衆酒場の雰囲気とは好対照です。
このような客層の違いは、取りも直さず古びた店内の雰囲気から来るものでしょう。盛大に飲み食いするより、居心地を楽しむことにこそこの店の真髄があるというわけです。かような観点からは、仙台の聖地「源氏」にも通ずる奥の深さがこの店にはあると思います。
このような店だけに、主役は酒、肴は引き立て役となるのが常で、「源氏」と同様酒一合に肴一品程度がちょうどよく感じられます。しかも特別な酒は必要ありません。頭上に並んだ地酒の品書きには目もくれず、注文するのは正面の樽から汲み出す「御酒」です。枡で量った酒を銅製の燗付け器の漏斗に流し込み、蛇口をひねって一丁上がりという一挙手一投足が様になっています。そうして注がれた酒をちびちびやりつつ、黒板から肴を一品二品選ぶのが、呑人にとって最高の贅沢なのです。

明治屋
大阪市阿倍野区阿倍野筋1-6-1 ヴィアあべのウォーク1F
06-6641-5280
1300PM-2200PM
日曜定休

御酒二合
野菜たき合わせ
ぬた
だしまき

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