勝山方面へ二駅戻り、永平寺口で降りました。目当ては同じく登録有形文化財の木造駅舎です。
線内で勝山駅に次ぐ堂々たる駅舎を擁するのが、かつて永平寺への支線を分けたこの駅です。この駅の真骨頂といえば、なんといっても寄棟屋根の建屋の妻面に張り出した三角形のファサードでしょう。大きな三角形の内側に半円の小窓を設け、周囲に前身の京都電燈時代の社紋をあしらった意匠は、先週訪ねた松本電鉄の新村駅と同様、一目で印象に刻まれるほどの個性を持っています。しかも、瓦屋根は左にホームの上屋を兼ねて左側に大きく張り出し、正面からは左右非対称に見えます。右側に並んだ縦長の窓には、やはり社紋を使って装飾が施されるなど、かつての乗換駅にふさわしく、周到に造り込まれているのが一目瞭然です。
駅をいくつも回るなら、当然ながら車の方がはるかに効率的ではあります。それにもかかわらず今回このような行動に出たのは、ここの駅舎が新築されるという話を耳にしたからです。今の駅舎によく似た建物が、線路を挟んだ反対側に建てられており、この分だとそう遠からぬ時期に完成しそうです。よくよく見れば、えちぜん鉄道への移管に合わせて色直しされた駅舎も、それから十年経って色褪せが目立つようになり、ホーム側に張り出した屋根などは波打っています。手狭な今の駅舎を修復するなら、永平寺行のバスも出る反対側に駅舎を新築した方が得策という判断が下されたようです。線内はもちろんのこと、北陸でも屈指の名駅舎だけに、引退は残念というほかありません。
もっとも、文化財にまで指定されたからには、勝山駅のように保存を前提として改修されるのではないかという淡い期待もあります。もしその期待が現実になったとすれば、この駅舎を目当てに再び福井へ足を運びたいものです。
★松岡1315/1255K/1320永平寺口
線内で勝山駅に次ぐ堂々たる駅舎を擁するのが、かつて永平寺への支線を分けたこの駅です。この駅の真骨頂といえば、なんといっても寄棟屋根の建屋の妻面に張り出した三角形のファサードでしょう。大きな三角形の内側に半円の小窓を設け、周囲に前身の京都電燈時代の社紋をあしらった意匠は、先週訪ねた松本電鉄の新村駅と同様、一目で印象に刻まれるほどの個性を持っています。しかも、瓦屋根は左にホームの上屋を兼ねて左側に大きく張り出し、正面からは左右非対称に見えます。右側に並んだ縦長の窓には、やはり社紋を使って装飾が施されるなど、かつての乗換駅にふさわしく、周到に造り込まれているのが一目瞭然です。
駅をいくつも回るなら、当然ながら車の方がはるかに効率的ではあります。それにもかかわらず今回このような行動に出たのは、ここの駅舎が新築されるという話を耳にしたからです。今の駅舎によく似た建物が、線路を挟んだ反対側に建てられており、この分だとそう遠からぬ時期に完成しそうです。よくよく見れば、えちぜん鉄道への移管に合わせて色直しされた駅舎も、それから十年経って色褪せが目立つようになり、ホーム側に張り出した屋根などは波打っています。手狭な今の駅舎を修復するなら、永平寺行のバスも出る反対側に駅舎を新築した方が得策という判断が下されたようです。線内はもちろんのこと、北陸でも屈指の名駅舎だけに、引退は残念というほかありません。
もっとも、文化財にまで指定されたからには、勝山駅のように保存を前提として改修されるのではないかという淡い期待もあります。もしその期待が現実になったとすれば、この駅舎を目当てに再び福井へ足を運びたいものです。
★松岡1315/1255K/1320永平寺口
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