日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

九州沖縄縦断ツアー

2013-12-21 19:34:05 | 居酒屋
思案橋で電車を降り、宿には戻らず真っ先に居酒屋へ駆け込みます。一軒目に訪ねるのは「安楽子」です。
開店直後ならよいものの、土曜の七時半といえば呑み屋が最も混む時間帯です。満席で降られることもある程度覚悟の上で暖簾をくぐると、幸運にも先客が出て一つだけ席が空こうとするところでした。少しの待ち時間を経て首尾よく着席します。
先日新潟の「魚仙」を訪ねたときは、分かりやすくて覚えやすい品書きについて述べました。かような観点からすると、この店の品書きもこれまた単純にして明快です。品書きは玄関をくぐって右手にあるテーブル側の壁面に、黒板一枚と横一列に並んだ経木で書かれています。これが通常なら、黒板が日替わり、経木がいつでもあるものという組み合わせになるところ、そうでもないのがこの店の特徴です。黒板に書かれているのは刺身、鯨にねぎぬたなど、大半のお客が注文する人気の品で、何度か通ってもそう大きくは変わりません。
もう一つの特徴は、その品書きがテーブル側の壁面、つまりカウンターに腰掛けると背後にしかないことです。よってカウンターで呑む場合、いちいち後ろを向かなければ品書きが確認できません。もちろんそれでは面倒なので、席へ着く前に品書きをある程度頭に入れ、何と何を頼むかある程度組み立てを考えておく必要が出てきます。そのせいなのか、品数は多からず少なからず適度で、しかもそれぞれの名が直截です。実際のところ、常連客はいちいち後ろを向かず、ほとんど品書きも見ずに注文しており、暗黙の作法とでもいうべきものが出来上がっています。自身、この要領が何度か通ううちに少しずつ分かってきました。
長年かけて確立された店と常連客が作り出した独特の居心地こそ、教祖が説く居酒屋の愉しみの真骨頂であり、この店の品書きと、店主夫妻と跡取り夫妻による家庭的な雰囲気はその好例でしょう。教祖をして「長崎の実家」と言わしめたのもうなずける名店です。

安楽子
長崎市浜町7-20
095-824-4970
1630PM-2130PM(LO)日祝日定休

お酒×2
あじタタキ
ねぎぬた
天ぷら盛り合わせ

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