日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

東北縦断花見の旅 2018続編 - 東横イン弘前駅前

2018-04-29 08:23:42 | 東北
無味乾燥な全国チェーンの象徴として毛嫌いしてきた東横インに、初めて世話になったのは昨秋のことでした。釧路の宿が異様に混んでいた中、当日たまたま空いたところに滑り込んだのでした。それから一年経たないうちに、再び機会が訪れたのは、同じく間一髪で滑り込んだ結果です。

例年になく寒い冬だった今季、桜がこれほど早く咲くと思っていた人々がどれだけいるのでしょうか。自分自身、梅の開花が半月遅れとなった時点で、今年は遅咲きだろうと信じて疑いませんでした。開花時期に幅を見込んで、その間の宿を早くから押さえておくのが近年の通例のところ、遅くなる可能性しか考慮せず、早まる可能性は全く想定していなかったのです。
三月に入ってから急激に気温が上がり、俄に状況が一変した時点で、弘前はどこもかしこも満室でした。連休後半は押さえていたため、前半の二泊をどう乗り切るかが問題でした。このようなときは、ともかくこまめに予約サイトを照会するしかありません。二、三日続けたところで、東横インに両日とも空きが出たため、それをすかさず押さえました。
一昨年は同様にして東横インを押さえた後、カプセルホテルが空いたためそちらに鞍替えしました。しかし今回そのまま泊まったのは、早い話がそれ以降全く空きが出なかったからです。何度検索しようとも、全くなしとの回答か、万単位の宿が一軒、二軒空いているだけでした。東横インに空きが出たのはおそらく瞬間的な出来事だったのでしょう。まさしく地獄に仏でした。

前回泊まったとき、カードへの入会を勧められたものの断りました。ポイントカードの類を持つと、どうしても発行元に囲われてしまいがちだからで、宇佐美のカードなどはまさに典型です。東横インに泊まるのはあくまで非常手段であって、カードにより囲い込まれてしまっては本末転倒という考えがありました。しかるに節を曲げたのは、社会の基盤に対して出資するという趣旨に基づいています。組合員以外でも利用できる生協に、あえて加入をするようなものです。
旅先で困ったときの神頼みというと、このblogに度々登場するのがキタムラとヤマダ電機です。普段はやはりポイントカードに囲い込まれ、決まった店で調達してはいるものの、旅先でやむなく調達する必要性に迫られたとき、よほどの僻地でない限り店舗があるキタムラとヤマダ電機に、これまで何度も救われてきました。これは、郵便局と同様に、これらのチェーンが社会の基盤として機能しているということを意味します。
そして、中規模都市を含め全国各地に散らばっていて、法外な値上げもしない東横インは、同じく困ったときの神頼みとなりうる存在です。会員向けの特典を設けて固定客を確保し、回転率を高水準に維持しているのが、そのような芸当を可能にしている理由の一つでしょう。そうだとすれば、入会せずに利用するのは、運営会社と会員が築き上げた仕組みにただ乗りしているともいえます。今後再び世話になる可能性がないとは言い切れない以上、社会の基盤を維持するために、わずかばかりの入会金を納めておく意義はあろうと考えました。

そのようなわけで、一応入会はしたものの、東横インに優先して泊まるようなことはしないつもりです。そこまで毛嫌いしているのは、兎にも角にも無個性だからに他なりません。部屋の広さ、内装から机、ベッド、ユニットバスの配置に至るまで、何から何まで徹底的に規格化された客室は、釧路と全く同じであり、これではどこに泊まっているのかが分からなくなってきます。とはいえ、一定以上の品質を低価格で提供することに関する限り、ここがあらゆる全国チェーンの中でも頭一つ抜けているのは事実です。駐車料が無料なのも助かりました。今夜もこちらの世話になる予定です。

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