日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

北海道花見の旅 2013Part3

2013-06-01 23:12:02 | 北海道
釧路に着きました。そこらの地方都市では店の選択肢もほとんどなくなってくる時刻とはいえ、釧路には遅くまで開いている店がいくつもあるので安心です。しかし、遅くまで呑めるといっても、まさに不夜城というべきすすきのとは違い、呑み屋街は実に静か、有り体にいうなら閑散としているのが不思議なところではあります。そんな中から一軒目に訪ねるのは、ザンギ発祥の店「鳥松」です。
ザンギの専門店として「鳥善」と双璧をなす当店ですが、大筋において共通しながら、細部において少しずつ異なるところは、仙台の牛タンなどに似ています。まず共通しているのは、家族経営の小さな店であることと、ザンギと唐揚げを中心にした簡素な品書きでしょう。しかし、親子二人で差配する「鳥善」に対し、ここでは白衣白帽の店主が黙々とザンギを揚げ、ぶっきらぼうな女将が接客をこなし、店主と瓜二つの兄妹か姉弟と思しきおばちゃんが手伝いに回るという顔ぶれになります。ザンギ一本の「鳥善」に対して品数が若干多く、ご飯と味噌汁があるのもここの特徴で、これはたとえていうなら宇都宮の「正嗣」と「みんみん」の違いのようです。
そして明確に違うのが衣です。「鳥善」のザンギが、唐揚げともフライドチキンとも違う白っぽくきめの細かい衣を特徴としていたのに対し、こちらのザンギはよく見慣れた唐揚げのような出で立ちをしており、食感はセイコーマートのフライドチキンの衣に少し似ています。要は独自性に関する限り「鳥善」のザンギに一歩譲るいうことなのですが、タレを付けた骨付き肉の味わいはなかなかのものです。「鳥善」のザンギの場合、タレがなくても十分おいしく、ともすればタレは要らないようにも思えるのに対して、こちらはタレと合わせたときに持ち味が最も生きるように工夫されているのでしょう。
この時間になってもカウンターは地元客でほぼ満席、加えて持ち帰り客が入れ替わり立ち替わり訪れ、一人静かに酒と肴を楽しむ店とは趣を異にします。広島のお好み焼きのごとく、居酒屋であらかた腹を満たした後、最後にザンギで軽く一杯引っかけるのが正しい使い方といえそうです。

鳥松
0154-22-9761
釧路市栄町3-1
1700PM-030AM(日曜定休)

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