日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

四谷赤坂麹町 - まるしげ夢葉家

2021-04-27 19:27:05 | 居酒屋
北国を旅する間も気にかったのが地元の店の動静です。お上による「要請」はいよいよ増長し、酒を出すこと自体が「自粛」に追い込まれたと聞きました。居酒屋は死ねというに等しい無理無体です。そのような中にあっても明かりを灯す店があるなら、勤めて足を運ぶのがせめてもの貢献というものでしょう。久々に職場へ出向いたのにかこつけ、「まるしげ」に寄って帰ります。
大半の店が「自粛」という名の休業に追い込まれていた一年前、営業を続けた数少ない店の一つです。何らかの形で続けるのではないかと期待はしていました。ただし、どのような形になるかは想像し難いものがありました。〆にいただく品々もいくつかあるにはあるものの、品書きの大半を肴が占めているからです。酒を出せない状況で、あの品数を維持していくのは至難の業と思われました。しかしそれは老婆心でした。さらなる苦境に追い込まれても、店主は引き続き意気軒昂です。店先に掲げられていたのは、ホッピーを売り込む直筆の張り紙でした。通常二人の料理人は一人に減らされ、接客担当の青年と店主の三人だけという限られた布陣ではありますが、品数は全く変わりません。取りも直さず提供時間は延びるものの、一見客を断ることでどうにか回しているのが実態のようです。
そのような事情もあって、カウンターの先客はわずかに二組、テーブルに至ってはわずか一組という淋しい店内です。よく見れば、テーブルの先客はホッピーの名物社長率いる三人組でした。赤坂を本拠とする縁から、社長と店主が昵懇だと小耳に挟んだことがあります。得意先の苦境をむざむざ見過ごすことはできず、社長自ら夜な夜な見舞っているのでしょうか。店主による年始恒例の挨拶文にもある通り、客のみならず生産者、流通業者を始めとする様々な人が関わることで飲食業は成り立ちます。その事実を再認識させられる一幕でした。

まるしげ夢葉家
東京都港区赤坂2-14-8 山口ビル2F
03-3224-1810
平日 1700PM-100AM(LO)
金曜・祝前日1700PM-300AM(LO)
土日祝日定休

ホッピー白
きんぴら
かたくり菜お浸し
ホタルイカとホワイトアスパラのぬた
サクラマスフライタルタルソース
ざくざくポテトサラダ
チャーシュー、やや台湾風
自家製ももハム
牛すじカレー
コメント    この記事についてブログを書く
« 東北縦断花見の旅 2021完結編... | トップ | 四谷赤坂麹町 - 箱庭 »

コメントを投稿