日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

東北一周花見の旅 2013二日目

2013-04-28 11:03:40 | 東北
先日の高遠しかり、同じ名所で何度も花見をすると、回る順番まで固定化されてくるという現象が往々にして起こります。それは、ただ桜を眺めるだけではなく、紙芝居を一枚ずつめくっていくような場面の移り変わりにこそ花見の真髄があるからで、その結果として、なじみの光景をいつも通りの順番で訪ねるという行動が生まれてくるわけです。
鶴ヶ城の場合、まず城址から少し離れた駐車場に入ります。あえて最寄りの駐車場を使わないのは、高遠と同じ理由からです。駐車場を出てまず目に飛び込んでくるのは、繁華街の中心から南へ向かってまっすぐ延びる通りと、それに沿って並んだ桜とぼんぼり、そして突き当たりに鎮座する鶴ヶ城の天守閣です。ここを歩きながら城址へ向かい、濠の外側から北、西、南の順で反時計回りに一周するのが、鶴ヶ城での花見の常になります。
城址へ着くやいなや現れる北側の濠には車道もなく、民家の軒先に沿って小径が続くだけです。あいにく空が曇ってきたとはいえ、わずかに晴れ間がのぞけば石垣の上に並んだ桜が輝き、手前では花びらがゆっくりと雪のように落ちてきます。さらには濠の水面をかすめるように燕が飛び交い、季節はまさに春そのものです。なんとなれば、ここに椅子でも置いて日がな一日眺めているのも悪くなさそうな気がしてきます。開始早々行き足は鈍りがちです。

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