日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

晩秋の大地を行く - 石狩平野

2015-09-23 17:43:03 | 北海道
五時半を前にして、夕日が山の向こうに落ちました。目の前に一面田圃が広がる道沿いから、茜色の空が次第に褪せて行くのを眺めています。
上陸三日目にして初めて内陸に進路を変えた途端、それまでの車窓が一変しました。山間へ分け入るに従って次第に淋しくなって行く様子は、オホーツク沿岸から内陸へ向かって行く場面を彷彿とさせました。海沿いを北上している間はさほど気に留めなかった稲穂が目立ち始め、明るいうちから虫の声が聞こえるようになって、石狩平野に下りると見慣れた北海道の光景が広がりました。
小樽から走ってきた風光明媚な海沿いの道もよかったのです。しかし、断崖絶壁をトンネルと護岸で貫く道であるとか、渺茫たる青い海であるとか、彼方へ続く海岸線であるとか、そういったものは全国的にもしばしば目にする光景です。それに対し、黄金色の絨毯がどこまでも広がる中、マンサード屋根の農家と屋敷森が点々と散らばる眺めは、他のどこにもない石狩平野ならではの光景です。これぞ北海道だと、上陸以来最も強く実感しました。今回の道中も佳境に入ってきたということでしょう。

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