日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

春まだ浅い北陸へ 2015 - 居酒屋たかまさ

2015-02-08 17:38:13 | 居酒屋
一泊二日の小旅行にも仕舞いの時が近付いてきました。旅の終わりは一献傾けて締めくくります。トリを飾るのは「居酒屋たかまさ」です。

一見するとうらぶれている高岡市街ですが、よくよく見れば地方都市にありがちなシャッター街ではなく、相当数の店が日曜も盛業中です。呑み屋についても例外ではなく、ところどころに明かりが灯っています。それらの中から選んだのが、「酒場放浪記」にも登場したこの店です。
駅を背にして電車通りを少し歩き、そこから右に折れたところに、何軒かの呑み屋が集まっている一角があります。その中に屋号を記した赤提灯が灯っていました。暖簾をくぐると、L字の角を大きく切り取ったカウンターがあり、右にはテーブルが一つ、奥には小上がりという構成。二階には宴会場もあるようで、お客が三々五々現れては階段を上っていきます。カウンターはダウンライトで明るく照らされ、中央にある冷蔵ケースの前に田中将大似の若主人が、やや左にあるおでん舟の前に瓜二つの店主が立ち、その奥の厨房ではもう一人の料理人が忙しそうに立ち回っています。この三人に接客のお姉さん二人という布陣は、昨日訪ねた富山の「親爺」を彷彿とさせ、大衆的な雰囲気はまことに秀逸です。

手元の品書きはさほどの参考にならず、主役はあくまで日替わりのホワイトボードです。刺身に始まり焼物、酢物、揚物、一品と過不足なく揃い、なおかつ北陸らしさと冬らしさに満ち満ちていて、眺めるだけでも楽しめます。注文した刺盛りは鰤を主役に平目、子付け、〆鯖、サス、カワハギの六点。品書きがあまりに豊富で選びきれず、結局盛り合わせてもらうという展開も道中三度目ではありますが、立派な鰤が盛り込まれ、その他の品も彩り豊かで、なおかつ一手間加えるべきものにはしかるべき手が加えられるという仕事ぶりは、どこへ行っても変わりません。冬こそ北陸という分かり切った事実を再認識する瞬間です。この盛り合わせにおでんを二品、さらにブリカマを奮発したところで、腹も相当満ちてきました。最後は鱈の粕汁で締めくくります。
「酒場放浪記」に登場した数百に上る店の中でも、八割はどうでもいい店、一割はそこそこよい店、行ってみたいと思うのは残りの一割だと以前申しました。そのような中、行ってみたいと思う数少ない店の一つだったのがここです。店はその期待に見事応えてくれました。

居酒屋たかまさ
高岡市末広町42
0766-24-5745
1500PM-2400PM(日祝日 -2200PM)
正月休業

羽根屋・成政
突き出し(梅貝煮付け)
造り盛合せ
おでん二品
ブリカマ
たらかす汁

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