金泉湯

松の湯の閉店は残念でしたが、早稲田から銭湯の灯が消えたわけではありません。今なお続く一軒が金泉湯です。
かなり前から認知していた松の湯と違い、こちらについては完全な盲点でした。距離はそれほど離れておらず、近くを何度も通っています。それだけに、もう一軒銭湯があると知ったときには意外でした。全く気付かなかったのは、通りから斜めに分かれる路地の奥という立地によるところが一つ。唯一の目印である行灯が、林立する樹木に隠れて見えないという落とし穴もありました。樹木に囲まれ、屋根回りを蔓草が這う鬱蒼とした佇まいが独特です。
暖簾をくぐってまず思ったのは、余丁町の弁天湯との共通性です。番台こそ窓口に改造されてはいるものの、奥にある脱衣所の格天井は建築当時のまま残り、宮造りならではの広々した空間があちらを彷彿とさせます。事前に知らなければまず気付かない路地裏の立地も同様です。銭湯に目覚めなければ、一生知らずに終わっていたかもしれません。穴場というべき一軒でした。

★金泉湯
東京都新宿区西早稲田2-16-20
03-3203-2427
1400PM-2400PM
月曜定休
入浴料470円