日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

花見の旅in信州 2013二日目

2013-04-12 19:09:07 | 甲信越
四月中旬の日は長く、七時を過ぎても西の空にわずかな明かりが残って、空には三日月が昇ってきました。行きがけの駄賃にまずは伊那公園の夜桜を見物します。
過去にも何度か眺めた伊那公園の夜桜ですが、ささやかさは相変わらずです。野球場の脇にある、D51と神社にはさまれた広場にぼんぼりが灯され、ささやかながらライトアップもされているというのがここの夜桜です。広場にはトタン小屋の露店が開かれてはいるものの、そこで飲み食いしているのは二組ほどの宴会客と親子一組だけで、神社の前の芝生で宴会に興じている一組と、滑り台で遊んでいる親子以外に人影はありません。いつ訪ねてもこの調子ですから、今日が平日だからというわけでもないのでしょう。よくこれで商売が成り立つものだと毎度のことながら思います。
しかし、このささやかな夜桜も、見方によっては趣があります。自分の中で思い出されるのは、桜前線が北海道まで北上する時期のことです。今の時期には毎週のように眺める桜も、北海道まで到達するといよいよ見納めといった感が漂ってきて、公園の街灯に照らされただけの名もない桜の木まで無性にいとおしく感じられてくるものです。人っ子一人いない公園の片隅で、街灯の明かりに鈍く光る桜を眺めていると、今日の寒さと相俟って、北海道で最後の桜を眺めているときのような感慨が押し寄せてきます。

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