日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

秋の北陸信越縦断ツアー 2014Part2 -米山-

2014-10-18 10:21:36 | 甲信越
肩慣らしを経て列車撮影を開始します。米山のお立ち台でカメラを構えました。
この場所に通い続けて二十年、去年などは日がな一日滞在してしまいました。それほど何度も通うのは、ここからの眺めが全国のありとあらゆる撮影地の中でも最高だと思うからです。左に山が立ち上がり、右に日本海が広がって、間のわずかな平地に小さな集落があり、その海側を線路が走るというのが、このお立ち台からの眺めになります。遮るものが何もなく、とにかく視界が広いのに加えて、遠景がこれまた秀逸。海岸線がわずかに蛇行しつつも正面に向かって延び、彼方にある上越市街で折れ曲がり、親不知の方へと延びていきます。さらに、左の奥には雪をかぶった北アルプスが連なるというおまけ付きです。その海岸線の彼方から、列車の前照灯が次第に迫ってくるところもたまりません。
一ヶ所のお立ち台から、角度を変えて様々な画が撮れるのもこの場所のよいところです。とかくお立ち台というと、誰が撮っても様になる、悪く言えば紋切り型で新味のない画になることが多い中、ここでは陸側から撮っても海側から撮っても、あるいは正面から撮ってもよく、構える位置も縦横自由自在です。短いレンズで海を大きく入れても、長いレンズで駅を俯瞰してもよく、焦点距離はお好み次第。順光となる午前中、日差しが水面に反射する昼下がり、さらには日本海に夕日が沈む黄昏時と、それぞれの時間帯に趣があります。その結果、終日滞在しても全く飽きないばかりか、次はこの構図、この条件で撮ってみたいという意欲が湧き、何度も足を運んでしまうというわけです。

しかし、長年通い続けたこの撮影地にも、一つの節目が訪れようとしています。「北越」と「くびき野」が来春の新幹線開業と運命を共にすれば、国鉄型特急電車はこの区間から姿を消します。さらに115系が後継の安い電車に道を譲れば、撮影の対象となりうるのは一日わずか数本の貨物列車だけとなってしまうのです。それでは今後もここに通う価値があるとは思えません。そう思うと、もう一度ここへ足を運ばずにはいられなかったという次第です。
今回はマイカーの特権を活かして、適度に場所を変えつつ撮りますが、主戦場となるのはもちろんここです。再び巡ってくるかどうか分からない機会を、心ゆくまで満喫したいと思っています。

コメント    この記事についてブログを書く
« 秋の北陸信越縦断ツアー 2014... | トップ | 秋の北陸信越縦断ツアー 2014... »

コメントを投稿