日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

汽車旅in信越 2013

2013-11-09 22:05:40 | 甲信越
瓢箪から駒の展開により限界まで呑み食いして、精も根も尽き果てました。この腹具合では新潟で呑み直す余力などあるはずもなく、あとは列車に揺られて移動するしかありません。結果として、新潟は今回もただ寝るだけの場所となりそうです。
こうなると分かっていれば、長岡に宿をとってもよかったのでしょう。しかし、国鉄型車両で移動できるだけでも十分です。前回今生の別れというつもりで乗車したはずが、今回も最初の新幹線以外は全て国鉄型車両のリレーが実現したのはよいことでした。

★長岡2201/461M/2315新潟
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汽車旅in信越 2013

2013-11-09 19:10:24 | 居酒屋
名古屋鹿児島で立て続けに祭と重なり、妙な引きの強さを発揮している昨今ですが、今回も似たような展開になるとは予想していませんでした。もちろん「魚仙」でのことです。

開店とほぼ同時に暖簾をくぐったこれまでに対し、今回は呑み屋が次第に混み出す七時前です。多少の混雑を覚悟の上で玄関をくぐると、意外なことに先客の姿は一切ありません。やや拍子抜けしつつもカウンターの角に陣取ると、宴会客の料理に手一杯で、かなり待たせるとの案内が。要は暗に断られたわけなのですが、今回旅に出た目的とは、少なからずこの店で呑むことにある以上、あっさり引き下がるわけにも行きません。多少の時間なら待つと伝えて食い下がります。
すると今度は女将が登場しました。聞けば常連客を集め、飲み放題食べ放題の宴会を催すそうで、どうしてもというならそちらに加わってはどうかと勧められます。ここでようやく事情が飲み込めました。そうです、教祖の著作でも紹介されている「酔法師の会」と称する集まりに、全くの偶然で重なってしまったのです。
独酌を宗とする立場からすると、どんなに豪勢な酒と肴が出ようとも、大人数の宴会は性に合いません。加えて、一万円という高額な会費にも躊躇させられます。しかし、かねてから噂に聞く年に一度の催しに図らずも重なった以上、これも何かの縁と思い至り、結局飛び入りでの参加と相成りました。

店舗を出て外階段を二階へ上がり、さらに室内へ入って三階に上がると、床の間を備えた大広間があり、そこに五つばかりのテーブルが並んでいました。飛び入りだけに、一番人数の少ない奥手のテーブルへ。人数にすればざっと三十人といったところでしょうか。これでも今年は少ない方で、多いときには立食になるというのですから、さすが36年続いてきた会だけのことはあります。
片隅のテーブルには、数える気も起きないほどおびただしい数の一升瓶が並び、これらが全て飲み放題ということのようです。まず二本選んでよいとはいうものの、あまりに数が多すぎて、どれを選べばよいのか見当もつきません。見た目だけを頼りに、都会にはまず出回らないであろう古めかしいラベルの酒を選ぶも、あまりの素人ぶりを見かねたか、店主が自ら登場。何を呑んでも構わないというのに、安酒など選んでいる場合かと一笑しつつ、代わりに差し出されたのは「金鶴」なる聞き慣れない佐渡の地酒と、「越乃雪月花」のひやおろしでした。気高い香りはまさに大吟醸で、なるほど飲み放題ならこれから先に選ぶべきところでしょう。郷に入りては郷に従えの諺通り、あとは先達に見繕ってもらいます。
景虎のどぶろくに〆張鶴の大吟醸など、有名どころの希少品が次々と繰り出され、その他の蔵に関しても見慣れない品が次々登場するところは、鹿児島の地焼酎を彷彿とさせるものがあります。新潟の酒といえば大きな蔵の量産品ばかりを連想しがちなところ、やはり地元には数え切れないほどの酒があるようです。

肴は鰤を中心にした豪勢な刺し盛りがテーブルごとに行き渡り、あとは両手に余るほどの大皿から各自好きに盛り合わせるというバイキング形式です。鮭の焼漬などが新潟らしく、なおかつ冷めてもおいしい品を揃えてくるところが宴会ならではといった感があります。ある程度箸が進んだところで焼きたての油揚げが登場し、のっぺ汁に粕汁など温かいものが時折差し出されるところもよく考えられています。どんなに飲み食いしても後から後から出てくる酒と肴は、まさに酒池肉林と形容するにふさわしく、一万円の会費はあながち高くはないと得心しました。

酒飲みにとっては、まさに天国というべきこの催しですが、唯一にして最大の問題は、独酌を宗とする自分の性分にはどうしても合わないということです。遠方からの参加者も交えて賑々しく宴が執り行われる中、自分だけがなかなか波に乗り切れず、必然的に気疲れしてきます。同じテーブルの御仁が早めに切り上げると、テーブルに残ったのは自分一人となりました。既に限界を超えたといっていいほど存分に呑み食いもしており、これ以上盃を重ねる余力もないため、残った酒を飲み干したところで打ち止めとし、女将に挨拶して立ち去ります。自分にはカウンターで静かに呑むのが合っているという、当たり前の事実を再確認する結果となりました。
もっとも、実りの季節に新潟の酒を浴びるほど呑めたという点ではよい経験でした。次回はいつものカウンターで、店主夫妻とそのときの後日談に興じたいものです。

魚仙
長岡市殿町1-3-4
0258-34-6126
1700PM-2300PM(日曜定休)
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汽車旅in信越 2013

2013-11-09 18:33:41 | 甲信越
長岡に着きました。この後はもちろんお待ちかねの「魚仙」へ直行します。経験上、この店で心置きなく呑むには最低一時間半を見込んでおかなければなりません。しかるに、新潟行の列車が出るのは一時間四十分後という微妙な時刻です。何となれば一本見送る必要も出てくるでしょう。そうすると新潟に着くのが十時過ぎとなるため、到着後に軽く一杯引っかけて終了ということになりそうです。
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汽車旅in信越 2013

2013-11-09 17:40:36 | 甲信越
柿崎まで一駅上り、そこから快速列車で長岡へ戻ります。昼食から適度に間が開いており、絶妙な腹具合で「魚仙」に臨めそうです。

★米山1728/1346M/1733柿崎1746/くびき野5(3375M)/1831長岡
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汽車旅in信越 2013

2013-11-09 16:59:40 | 甲信越
日没まで粘って撮影終了です。九時の撮影開始から延々七時間以上、退屈する間は一瞬たりともありませんでした。改めて名撮影地と実感した次第です。駅までは二十分弱歩けば着くため、あとは時間の許す限り夕景を眺めてから下山します。
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汽車旅in信越 2013

2013-11-09 16:17:56 | 甲信越
四時を回り、目に見えて日差しが弱くなってきました。それとともに、暑からず寒からず適度だった気温も、大分肌寒くなっています。次の列車が来るのは30分後となっており、夕日はそれより先に沈むかもしれません。しかし、夕日だけでも見事な眺めには違いないため、当分ここで待機します。
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汽車旅in信越 2013

2013-11-09 14:33:07 | 甲信越
腹ごしらえを済ませたところで後半に突入します。日差しが水面に反射し、午前中とは雰囲気が大きく変わってきました。気温は暑からず寒からず風も適度で、北海道にいた頃が思い出されてきます。実に清々しい陽気です。
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汽車旅in信越 2013

2013-11-09 13:32:49 | B級グルメ
ここで満を持して、毎度おなじみチキン弁当の登場です。頃よく線路際に小公園があったため、ベンチに腰掛け潮騒を聞きつついただきます。居酒屋までの時間配分からしてもまことに理想的です。
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汽車旅in信越 2013

2013-11-09 13:25:10 | 甲信越
列車の間隔が開くため、休憩がてら駅の方まで下りてきました。これだけ景観がよいということは、駅の佇まいがよいということでもあります。駅舎自体は農協と一体化した平凡なものながら、ホームの向こうに青い海と水平線が広がり、寄せては返す波の音が聞こえてきます。加えて、砂利の積み出し施設の遺構とおぼしきホッパーが残り、そこから駅舎の方へ草むした側線が延びるなど、さりげない点景までが秀逸。日がな一日とは行かないにしても、小一時間滞在したくなるような趣をもった駅の一つです。
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汽車旅in信越 2013

2013-11-09 11:40:33 | 甲信越
ここのよいところは、撮影地として優れているだけではなく、日本海の眺望そのものが様になっていることです。左に米山の集落を、右手に日本海を、彼方に北アルプスを望むお立ち台の裏に回れば、今度は断崖の屹立する海岸線が現れ、柏崎の方面へと続いていきます。そして沖合には佐渡島の影が。三年前に佐渡から眺めた、北アルプスから飯豊山へと連なる大パノラマにはかなわないとしても、この眺めはかなりのものです。予想通り、これなら一日滞在しても飽きないでしょう。
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汽車旅in信越 2013

2013-11-09 10:23:04 | 甲信越
日本海に面した小駅、米山で列車を降りました。目当ては十数年来通い続けている高台の撮影ポイントです。ここで日がな一日カメラを構えるのが、本日昼の部の活動となります。
日がな一日撮影といえば、先月にも同じようなことがありました。そして、車により自由自在に移動できた前回に対し、今回は徒歩だけにそうもいかず、同じ場所でひたすら列車を待つだけです。しかし、眼下に広がる日本海と、米山のうらぶれた集落の取り合わせがよく、視界も広くて作画は自由自在です。青い海が広がる午前も、逆光の太陽が水面に映る午後もそれぞれによさがあり、一日滞在しても飽きないだろうという考えはかねてからありました。今回は宿願達成となります。
一時肌寒かった天候も、日が昇るにつれて暖かくなり、まさに小春日和と呼ぶにふさわしい陽気です。しかも、彼方には雪をかぶった北アルプスが連なり申し分ありません。駅前にコンビニ一つないことは承知しており、今日は駅弁と水筒を持参しました。目一杯滞在すれば七時間、浜辺で釣り糸を垂れる太公望のごとく、のんびりと列車を待つことになるでしょう。
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汽車旅in信越 2013

2013-11-09 08:41:24 | 甲信越
普通列車に乗り継ぎ信越本線を上ります。残念ながら長野地区の115系は211系に置き換えられてしまったものの、新潟の115系は健在です。もちろん老い先短い運命とはいえ、新車が投入される分だけ長野よりはましでしょう。鋳鉄制輪子の飛沫で曇った窓ガラスが、日本海の風雪に耐え抜いてきた車両ならではです。かつては当たり前だった、しかし今となっては貴重なMT54型主電動機の唸る音を聞きつつ、小一時間の移動となります。
ちなみに、列車を降りた瞬間の肌寒さが都会の比ではなく、待合室にも車内にも暖房が入っています。さすがの自分も、出発時に羽織っていた半袖シャツを長袖に着替えました。やはり南国と雪国ではわけが違います。

★長岡806/1330M/903米山
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汽車旅in信越 2013

2013-11-09 07:36:07 | 甲信越
只今浦佐に到着。湯沢の近辺では紅葉が映える快晴だったにもかかわらず、トンネルを抜けた途端周囲には一面の霧が。北海道への往路で自走したときも、ここの前後は霧の中でした。地形か何かの関係でこうなりやすいのでしょうか。
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汽車旅in信越 2013

2013-11-09 06:25:49 | 甲信越
始発の上越新幹線で旅立ちます。運用に着くのは、上越新幹線においては貴重なE2系です。今春引退した200系、悪名高きMaxことE4系、さらにはこのE2系と、ことごとく東北新幹線のお下がりなのがこの路線の位置づけを物語っています。前回の活動で乗車した日豊本線しかり、廃止が取り沙汰される「あけぼの」もしかり、お古ばかり回される路線・列車というのがあるものです。
長く大事に使うのはよいとしても、日頃からの利用客からすれば不満もあるでしょう。しかし、東北新幹線に投入されたE5系が、客席に関する限り目に見えて安普請になってしまったことを考えると、考えようによってはこれでよいのかもしれません。

★東京608/とき301(301C)/749長岡
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