日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

錦繍の飛騨を行く 2016 - やよいそば

2016-11-13 13:58:19 | B級グルメ
見事な紅葉に加えて城址の広大さもあり、紅葉狩りに延々三時間を費やしました。限られた残り時間をどう使うか思案の末、観光客の少なさそうな市街の東端を歩いてきました。列車の時間が気になり始め、昼抜きという選択も検討すべきところです。その一方で空腹感も限界に近く、夜まで飲まず食わずで通すのは厳しいものがあります。そのような状況で思い出したのが、宮川の橋のたもとにあった中華そばの店です。その「やよいそば」に飛び込みました。
去年訪ねたときの記憶から、店があるのは橋を渡った先の交差点と認識していました。しかし店はその少し手前に現れ、しかも道路の反対側でした。勘違いだったか思いながらも一旦店を通り過ぎ、記憶を頼りに交差点へ向かって歩くと、同じ暖簾を掲げたもう一軒の店が。扁額には「角店」とあり、最初に見かけた方には本店とあります。このような場合、支店の方が得てして空いているのは分かっています。迷わずこちらの暖簾をくぐるという顛末です。
市街に中華そばの店が数多ある中、この店を記憶していたのは、いかにも老舗らしい虚飾のない店構えがよかったからです。そして店内は店構えから想像した以上でした。客席はカウンター一本に相席の大きなテーブル一つだけと潔く、そのカウンターとテーブルにはいずれも立派な一枚板が奢られ、椅子も丸太で造られています。そして特筆すべきは割り箸に杉の間伐材が使われており、ほのかに木の香りが漂ってくることです。「エコ」なる大義名分の下、麺類を扱うにもかかわらず使いづらくて味気ない樹脂製の箸を出す店も多い中、割り箸一つにもこだわるところは心憎いものがあります。
主役の中華そばも秀作でした。まず驚いたのは提供時間の早さです。その秘訣であろう極細の麺は、語弊を恐れずいうならカップヌードルの麺をそのまま細くしたような形状をしており、喉越し、味わいとも申し分ありません。寸胴には真っ黒な醤油ダレがなみなみと満たされており、それを使ったスープは同じく濃い色をしていて、見るからにうまそうな厚切りのチャーシューが基本の中華そばにも三枚乗ります。これにメンマを加えて葱を散らした出で立ちは、信州で度々世話になっている「大石家」を彷彿とさせ、味わいの骨格も似通っています。あちらと同様旨味の凝縮されたチャーシューは絶品で、これなら300円増のチャーシューメンをいただいてみるのもよさそうに思われました。もちろん汁一滴残さず完食です。

やよいそば 角店
高山市七日町1-43
0577-32-2088
1100AM-1800PM(冬季 -1700PM)
火曜定休
大盛830円

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