日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

北海道花見の旅 2018 - モエレ沼公園

2018-05-03 17:50:31 | 北海道
束の間の日射しはぬか喜びに終わり、再び曇ってしまいました。とはいえ雨も降りません。札幌を出る前に一度は花見をしていきます。立ち寄るのはモエレ沼公園です。

一昨年の花見では、札幌市内の名所として円山公園、真駒内公園とここを訪ねました。このうち円山公園は北海道神宮と隣接していて、ソメイヨシノも咲いており、いかにも内地の花見を思い出させる眺めでした。よって、北海道らしいという点では真駒内公園かここということになります。
両者の違いを端的に述べるとすれば、山が迫って起伏がある真駒内に対し、比較的平坦で開けているモエレ沼ということになるでしょう。そして今回再訪したことにより、少なくとも花見をしたい向きには真駒内の方がよさそうだということに気付きました。園内に桜が散らばる真駒内に対して、モエレ沼では一番奥に位置する桜の森と名付けられた一角に桜が集中しています。しかしこれが今一つ様になりません。曇り空という事情を割り引いて考えても、眺めとしては真駒内の方が上だったような気がします。
そのように感じる理由として、エゾヤマザクラ特有の出で立ちがあります。ソメイヨシノに比べて枝振りが直線的で変化に乏しいため、それだけ林立させても絵になりにくく、むしろ背の高い木立に混じった方がそれらしく見えるのです。その点では、真駒内の眺めの方が勝るというのが結論です。目当ての桜は早々と散り始めており、ただでさえ曇った空も暗くなり、残念ながら花見としては空振りでした。

とはいえ、収穫が何一つなかったわけではありません。桜の森へ向かう途中にあった、オブジェというかモニュメントというか、ともかくその手の作品が絵になっていたのです。丸い塚の上に、直径何mあるのかと思うほどの巨大な金属管を三角錐の形に交差させたもので、夜間は照明に浮かび上がる仕掛けのようです。その作品を写してみると、肉眼では平板にも見えた曇り空に陰影が出ており、金属管の無機質な風合いと見事に調和して、なるほどこれは芸術だと納得できる眺めになっていました。曇り空さえ絵になるのは、北海道の空の広さのおかげでしょう。作者がそこまで計算していたのであれば、脱帽するしかありません。

コメント    この記事についてブログを書く
« 北海道花見の旅 2018 - デス... | トップ | 北海道花見の旅 2018 - なご... »

コメントを投稿