日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

最後のランチ - 瓢箪

2020-08-28 22:48:29 | B級グルメ
歳に応じて食が細り、その傾向は最近ますます顕著なものとなってきました。つい最近まで難なく完食していたものに息切れし、物足りなく感じたものが丁度よく感じられるという具合です。そうなるに至って重宝し始めた店の一つに「瓢箪」があります。
最寄り駅に程近い、年季の入った雑居ビルの裏口に暖簾と幟が出ています。駐車場の入口の脇にできた空間をどう活かすかと考えてこうなったのでしょう。飲食店をやるにしても、立ち食いか持ち帰りしかなかろうと思われるほどのささやかな店舗です。自身の記憶が確かなら、建築当時はタバコ屋だったような気がします。いつからそば屋に替わったかは定かでないものの、つい最近でないのは間違いありません。
長く続いてきたからにはそれ相応の理由があります。一家言を持つ立ち食いそば屋の場合、自家製の麺、揚げたての天麩羅を売り物にするところが多い中、当店はそれらで勝負を挑みません。真骨頂はカエシの効いた甘辛いつゆです。同様に甘辛く煮込まれたバラ肉との相性が特によく、カレーとの組み合わせには弘前の名店「藪きん」のカレー南蛮を彷彿させる出汁の力強さが感じられます。近隣に点在するチェーン店の上を行く、一軒営業ならではの味わいです。
食が細ったとはいえども、そば一杯ではさすがに物足りなく感じるのも事実です。とはいえ、肉そばに天ぷら、カレーそばにコロッケ、メンチのいずれかを組み合わせれば、それほど不足を感じません。足りなければいなり寿司か丼物を追加する手もあります。軽く、手早く済ませたいとき、この店の世話になる場面が次第に増えてきました。
同じビルの飲食街に系列の居酒屋がありました。それが突然閉店したのは今年のことです。斜向かいでも四十年続いてきた居酒屋が店仕舞いしました。一連の騒動の影響があったことは想像に難くありません。さらなる被害を食い止めるためにも、積極的に利用してきたいと思う一軒です。

そば処瓢箪
東京都千代田区五番町4-2
03-3239-1522
700AM-1700PM
土日祝日定休
肉そば480円
天ぷら各種70円より
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