二軒目は教祖をして高山の実家と言わしめた真打の登場です。飛騨の聖地「樽平」を訪ねます。
教祖が紹介した高山の店が四軒ある中で、最も行きたかったのは老練な店でも小洒落た店でもなく、大衆的な店の方だと昨晩申しました。しかるに老練な店を先に回したのは看板との兼ね合いによります。昨日10時前に訪ねた時点で「樽平」が早仕舞いしていたため、さらに一軒挟むと今夜もおそらく店仕舞いだろうと判断したわけです。
しかしいの一番に乗り込むこともしなかったのは、混み合う時間を避けたかったからに他なりません。たとえ開店直後に乗り込んでも、後から予約客が次々に現れてカウンターが埋まり、それに従い調理も切迫し始めて、間延びした展開に陥るという経験を何度もしています。連休の高山の有名店なら少なからずそうなりそうだという予感がありました。早くても遅くてもいけないという状況を考えると、訪ねるなら今しかないと思い立った次第です。
まず特筆すべきは店構えです。箱型の二階建は一見すると安普請ながら、庇の下に扁額を掲げた一階の玄関はただならぬ気配を感じさせます。教祖の事前情報を抜きにして、全くの独力で高山の酒場を訪ねるとしても、一軒目にはここを選んでいたでしょう。長年の煙で燻され飴色に光った店内も秀逸という他ありません。
北陸の魚介と飛騨の食材を織り交ぜ、女将の故郷である秋田の郷土料理も加えた品書きは郷土色に満ちています。袴を履かせた上品な徳利と盃の取り合わせがよく、お通しのゲソぬたなども気が利いていて、女将と若女将の二人による付かず離れずの接客も絶妙。飛騨の名店として万人に自信を持って勧められそうで、教祖が激賞するのも宜なるかなです。
ただし、以上はいずれも想定の範囲内です。事前情報が多過ぎるばかりにある程度の予測ができてしまい、それをも超える感銘は受けないというありがちな現象が、この店にも少なからず妥当しました。これは、自身の経験が蓄積されたことで、よほどのことがなければ感動しなくなっているということでもあるのでしょう。ある意味贅沢な悩みではありますが。
しかしこの手の店の場合、二度、三度と足を運ぶことで本当のよさに気付いてくるということも経験上分かっています。次に来るなら深い雪に閉ざされた冬場でしょう。その頃には観光客も多少は減り、気兼ねなく呑めるのではないかという期待もあります。そのための方策が自分の中で徐々にまとまってきました。来たる冬に再訪できるのを楽しみにしています。
★樽平
高山市総和町1-50-6
0577-32-5490
1730PM-2330PM
日曜定休
久寿玉二合
突き出し
にしんこうじ漬
牛すじ煮
教祖が紹介した高山の店が四軒ある中で、最も行きたかったのは老練な店でも小洒落た店でもなく、大衆的な店の方だと昨晩申しました。しかるに老練な店を先に回したのは看板との兼ね合いによります。昨日10時前に訪ねた時点で「樽平」が早仕舞いしていたため、さらに一軒挟むと今夜もおそらく店仕舞いだろうと判断したわけです。
しかしいの一番に乗り込むこともしなかったのは、混み合う時間を避けたかったからに他なりません。たとえ開店直後に乗り込んでも、後から予約客が次々に現れてカウンターが埋まり、それに従い調理も切迫し始めて、間延びした展開に陥るという経験を何度もしています。連休の高山の有名店なら少なからずそうなりそうだという予感がありました。早くても遅くてもいけないという状況を考えると、訪ねるなら今しかないと思い立った次第です。
まず特筆すべきは店構えです。箱型の二階建は一見すると安普請ながら、庇の下に扁額を掲げた一階の玄関はただならぬ気配を感じさせます。教祖の事前情報を抜きにして、全くの独力で高山の酒場を訪ねるとしても、一軒目にはここを選んでいたでしょう。長年の煙で燻され飴色に光った店内も秀逸という他ありません。
北陸の魚介と飛騨の食材を織り交ぜ、女将の故郷である秋田の郷土料理も加えた品書きは郷土色に満ちています。袴を履かせた上品な徳利と盃の取り合わせがよく、お通しのゲソぬたなども気が利いていて、女将と若女将の二人による付かず離れずの接客も絶妙。飛騨の名店として万人に自信を持って勧められそうで、教祖が激賞するのも宜なるかなです。
ただし、以上はいずれも想定の範囲内です。事前情報が多過ぎるばかりにある程度の予測ができてしまい、それをも超える感銘は受けないというありがちな現象が、この店にも少なからず妥当しました。これは、自身の経験が蓄積されたことで、よほどのことがなければ感動しなくなっているということでもあるのでしょう。ある意味贅沢な悩みではありますが。
しかしこの手の店の場合、二度、三度と足を運ぶことで本当のよさに気付いてくるということも経験上分かっています。次に来るなら深い雪に閉ざされた冬場でしょう。その頃には観光客も多少は減り、気兼ねなく呑めるのではないかという期待もあります。そのための方策が自分の中で徐々にまとまってきました。来たる冬に再訪できるのを楽しみにしています。
★樽平
高山市総和町1-50-6
0577-32-5490
1730PM-2330PM
日曜定休
久寿玉二合
突き出し
にしんこうじ漬
牛すじ煮
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