日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

豊穣の福井を行く - 踏切

2017-08-27 14:53:09 | 北陸
人も車も補給を済ませたところで撮影を再開します。丸岡の先の直線区間にやってきました。
最初に訪ねたのはJRの発足直後、つまり通い始めて三十年という、自身最も長く通い続けている撮影地です。長いといえば、去年訪ねた米山のお立ち台もそうですが、あちらと違って誰もが知る有名な場所というわけではありません。丸岡と芦原温泉のほぼ中間にある小さな踏切から、直線区間を加速してくる午後の上り列車を撮るというもので、有り体にいえばひねりも何もないものの、手本通りの列車写真を撮るにはお誂え向きの場所でもあります。近年東海に続いて西日本の管内でも複線の線間にロープが張られ、線路越しの撮影がきわめて難しくなる中、この区間だけは奇跡的にもロープが張られず、こうして今も撮影できるわけです。
しかし、新幹線が開業すれば、ここも短編成の普通列車が一時間に一本通るだけの、寂れたローカル線に成り下がります。そうなればこの撮影地も有名無実化するでしょう。何度も通った場所だけに、改めて撮るべきものもないのですが、それでも足を運ばずにはいられませんでした。この踏切で列車を待つ時間は、自分にとって何物にも代え難いひとときなのです。

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