日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

汽車旅in北陸 2014初冬 Returns -高砂-

2014-12-06 20:41:38 | 居酒屋
宿から近いこと、金沢の中心街にある教祖の推奨店の中で唯一未踏であること、三軒目を考えると軽くしておきたいことなどが決め手となって、二軒目は自ずと「高砂」に絞られました。
九時近くにもなれば空いてくるだろうと思って乗り込むと、カウンターは奥の方までびっしり埋まる大盛況。ただし、カウンターの手前の角にわずかな空席はあります。前回はこの空席が予約席となっていてあえなく振られたわけなのですが、今回はどうにか着席と相成りました。とはいえ三つあるテーブルは終始満席、自分の後にも電話一本入れたお客が次々と暖簾をくぐり、カウンターが一ヶ所空けばそこがすぐさま埋まるという状況で、地元での人気のほどが一目瞭然です。
それに加えて気付いたのは、老舗にしては客層が若いということです。ざっと見渡す限り、平均年齢は自分の一回り下といったところではないでしょうか。独酌がおらず、だからといって大人数のお客がいないところも特徴的です。妙齢のお姉さんが二人して、上着も脱がずにコップ酒をあおる光景は、他の街ではなかなかお目にかかれないでしょう。おでん屋で呑むという金沢の文化は、自分が知る以上に根強く浸透しているのかもしれません。

おでん屋というより大衆割烹の趣だった「大関」に対し、こちらは正統派のおでん屋と形容するのが合っています。艶やかなニス塗り一枚板のカウンターの角でおでん舟が湯気を立て、そこを持ち場にして女将と思しきおばちゃんが接客をこなし、奥にある土手焼きの台の前には飄々とした店主が立ちます。奥の厨房から時折顔を出すのは大女将でしょうか。ぼんぼりのほどよい明かりも、背面に張り出された短冊と経木の品書きも良い味を出しています。
酒は一定量まとめて湯煎した後魔法瓶で保温され、注文を受けるやいなや女将によりコップの縁ぎりぎりまで一滴もこぼすことなく注がれます。おでんは店主が皿に取り分け、味噌ダレを一塗りしてから供されました。味噌おでんの甘いタレと全く違う味わいは、門外不出の当店流。そんな職人芸を含めて楽しめるのは、さすが教祖の推奨店です。

高砂
金沢市片町1-3-29
076-231-1018
1600PM-2230PM
日曜定休

酒二杯
おでん四品

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