日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

小春日和の山陰へ - 帰着

2019-12-16 21:25:36 | 東海
足止めにより小一時間の遅れが出たとき、この遅れが広がることはあるとしても、大幅な回復はなかろうと察知しました。朝の通勤時間帯に先立って走りきるのが本来のスジです。それが一時間も遅れれば、最も混む時間にそのまま重なります。先行列車に支えてしまい、遅れがますます広がりそうなのは明らかでした。その一方で、一旦帰宅できる程度の時間だけは残るだろうとも思っていました。その見立ては的中し、77分遅れで東京駅に到着。直ちに帰宅し荷物を置いて準備を整え、すぐさま出直すという慌ただしさではありましたが、重荷を担いで職場に直行する煩わしさを思えば、一瞬とはいえ帰宅できることの効果は計り知れません。一日を乗り切り、これでようやく一息つくことができます。

一泊二日の活動を、このblogではしばしば小旅行と評していますが、今回の旅に関していえば、連休並みに盛り沢山でした。例年通りの経路をなぞった初日に対し、翌日のめくるめく展開が際立ちました。
山陰に一泊では、ただ行って帰るだけで終わりかねません。それをどうにかしようと考えて閃いたのが、さらに西へと下って行き、新山口で折り返すという奇策でした。それも、当日中に余裕で帰れるはずのところを、夜行列車で帰るという徹底ぶりです。そのおかげで、岡山では城と月が重なる劇的な眺めに遭遇し、帰りの列車でも足止めという思わぬ事態に見舞われ、それがむしろよい方向に働きました。相模湾の夜明けを車窓越しに眺めることができたからです。定刻ならまだ暗い中を走り抜け、終着駅の間際でようやく日の出を迎えるところでした。新幹線で帰るとすれば、岡山城での名場面も訪れなかったわけです。そのように考えると、「サンライズ」の寝台券を手配できたのが非常に大きかったということになります。
実は、今回に関する限り、迷うことなく「サンライズ」を選んだわけでもありません。福山と岡山でそれぞれ一杯やったとしても、最終の新幹線には間に合うからです。それだけに、当日中に帰京して休むのも悪くはなかろうと思っていました。結局元の鞘に収まったのは、「迷ったら買え」の原則に従ったからです。経験則の正しさを、改めて実証した二日間の旅でした。
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