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折々の椿語り  11月(弘法様の椿)

2016-11-29 | 日記

愛媛県西条市の西山興隆寺は有名な紅葉の名所でもある。弘法大師による扁額の勅使門をくぐると、右側に2メートル程の椿が植わっていた。細々とした枝は冬の雪に耐えられるのかしらと思われるほど華奢であった。その頃はまだ椿の会には入っていなかった。足元にころころと転がってきた一粒の種を何気なく拾って、ポケットに入れ、又何気なく植木鉢にうずめておいた。次の年の春、双葉が開いて、ああ、あの時の!と思い出して小さな鉢に植え替えて、又2年が過ぎ、5年が過ぎた頃ハッとするほど綺麗な赤い椿が咲いた。あの細々とした華奢な枝ぶりも同じであった。「ずっと忘れていたのに、特別大切に育てたわけでもないのに、こんなに綺麗に咲いてくれてありがとう!」・感謝の思いがあふれた日を、今も思い出す。以来、弘法さんの椿と呼んで育てていた。しかし、植え替えの折には直根を切ることをまだ知らなかった為に、根は鉢の中で渦を巻き、団子状になり弱り、虫もつきとうとう枯れてしまった。自分の未熟さの為に枯らしてしまった!かけがえのない椿だったのに!思い出すたびに胸が締め付けられる。でもその後の椿との深いつながりを思う時、あれは弘法様の導きであったのかも、いや、きっとそうに違いないと感じて又胸が熱くなるこの頃です。

頂華   名の由来は椿の普及に尽くされた故安達潮花氏の名にことよせた。とありました。立性で2月から4月に咲く鮮やかな臙脂色の椿。 

     ~いつもの公園で、去年の撮影~

 

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