春休みのデッサン室

春休みのだれもいないデッサン室。
ぼんやりしながら北九州のあれこれ、デッサンしてみましょう…

五嶋みどり&龍の伝説

2010年08月05日 | こころにビタミン
五嶋みどりさんと五嶋龍さんについてのお話です。
天才には伝説がつきもの、あまりにも有名なお話ですから
すでにご存知の方も少なくないと思いますが
まだご存知で無い方のためにご紹介しましょう。


●タングルウッドの奇跡

1986年五嶋みどりさんがまだ14歳の時。
タングルウッド音楽祭(アメリカ)でボストン交響楽団と共演しました。
レナード・バーンスタイン書き下ろしのバイオリン交響曲を
バーンスタイン本人による指揮で演奏されました。
バイオリンのソリストは五嶋みどりさんです。

この時五嶋みどりさんは3/4サイズの子供用のバイオリンを使用していました。
演奏中、そのバイオリンのE弦が切れました。
すぐさまコンサートマスターのバイオリン(ストバリ)を借りて
演奏を続けます。
なんとまたこのバイオリンのE弦が切れてしまいます。
五嶋みどりさんはさりげなく別の奏者のバイオリンの楽器(ガダニーニ)を借りて続け
演奏を成し遂げました。

これには天下のバーンスタインも感激しコンサートの後、彼女を強く何度も抱きしめます。
翌日のニューヨーク・タイムズの一面トップに「14歳の少女、タングルウッドをバイオリン3挺で
征服」の見出しが飾られました。
この出来事は「タングルウッドの奇跡」としてアメリカの教科書にも載りました。

五嶋みどり タングルウッドの奇跡


涼しい顔で何事もなかったように当たり前に演奏し、あご当ても演奏の合間につけていますね。

3/4サイズのバイオリンから大人用のバイオリンを弾くことは
「陸上選手が他人の違うサイズのシューズを履いて競技するほどのハンディがある」
というネット上での説明もありました。
普通なら弦が切れた時点で立ち往生し、演奏会もぶちこわしになってしまうでしょう。
まして、まだ14歳の子どもですから…いやはやたいした度胸です。

この前の冬季オリンピックでしたか、どこやらのフィギアの選手が沓のひもが切れたとやらで
競技を中断し、終わった後泣いていました。
起きたハプニングは異なりますが根性が違いますね。


●7歳の子どもがパガニーニを演奏

何週間か前ですが、テレビで五嶋龍さんの紹介がありました。
五嶋龍さんは五嶋みどりさんと17歳違いの弟です。

1995年7歳の時に初めてオーケストラと共演しました。
これはバイオリンを習っている子どもさんにオーケストラと一緒に演奏できますよ、
というような楽しい体験コンサートの様だったのではないのかな、と推測しています。

お母さんの五嶋節さんは子どもらしい、子どもの弾きこなせる楽曲ではなく
大人のバイオリニストにとっても難曲のパガニーニの「バイオリン協奏曲第1番」を弾かせます。

Ryu Goto:Paganini violin concerto


このように子どもの音、演奏力とはいえ見事に弾きこなします。
テレビでは本人の言葉で「弾くのならパガニーニであっても他の音楽であっても自分にとっては変わらない…」
というような内容でした。

ご覧になってわかるように、この演奏会の指揮者は佐渡裕さんです。
温かく、でもやや心配げに7歳の演奏を見守る大きな体の佐渡裕さんがなんとも微笑ましい。
くしくも佐渡裕さんはレナード・バーンスタインの愛弟子です。
姉弟ともにレナード・バーンスタイン~佐渡裕との縁があったのですね。


これからも目が離せない五嶋みどりさんと五嶋龍さんの姉弟です。
これこそ「頑張れ日本!」と叫びたくなってきます。


今回はクラシックネタでした。まだまだいろんなお話がいっぱいあります。
ご期待ください。
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4 コメント

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元気ですよ~! (ゆめ吉)
2010-08-06 13:46:40
春休みさん、心配して下さってありがとうございます。
元気なんですが、なんかやる気が失せちゃってね。
そんな時は休む方がいいかと思って。

昨夜この記事を読ませて頂きましたが、
感動したのにコメントを入れる気力が無くって・・・。
改めて今、感想を入れますね。

五嶋みどりさんは知っていましたが、
この様な伝説があったなんて・・・。
私だったら、オロオロしてしまうでしょうね。
14歳の少女がとる行動ではないですよね。
感心しました。
やはり大物なんですね!
紹介して下さってありがとう!
返信する
今晩は! (hobashira)
2010-08-06 18:00:56
この話、いつ何処でか分からないが、聞いたことがあります。
14歳の少女がとった咄嗟の行動、良く分からないがオーケストラでは常識?
それを充分知った上での冷静な判断、落ち着いた行動、
やっぱり、一流になる人は違いますね。
私達の日常生活においても、見習うべき処は大いにありですね。
返信する
ゆめ吉さん、お元気でよかったです (春休みのデッサン室)
2010-08-06 23:08:59
お元気でよかったです。
ブログも波を生じるようですね。

ボクも実はなんだかやる気がしぼんでいます。
ぼちぼち参りましょう。

天才はさすがに違うことがよくわかりました。
「頑張れ日本!」と書きましたが、彼らはもうグローバルな人たちですね。
返信する
hobashiraさん、天才は違いますね (春休みのデッサン室)
2010-08-06 23:14:29
こんなアクシデントの場合の対応は一応聞かされているのでしょうが
滅多なことではないと思います。

現実に事故が起きたら普通とても対応できないと思います。
やはり根性が違うっていうか、
肝が据わっています。

並の人ではありませんね。
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