Bonjour Bon Sejour フランス留学体験記

フランス語学習やフランス生活、フランス人の謎などつらつらと・・。サッカーブログではないデス・・一応。

ある日の授業

2006年01月10日 | 留学中(トュール編)

忘れないうちにトュールの学校の授業のことも書きたいと思います。トュールにある私の通っていた語学学校トューレーヌ学院はクラスは最高15名くらいですが、木曜が祝日だったりすると多くの学生が金曜も休んで週末連休にして近隣諸国や地方へ旅行に行ってしまったりして休みの谷間の金曜は出席してくる学生が極端に少なくなったりしました。さらに私のクラスは金曜が午前中しか授業がなかったから余計かもしれません。。

ある休みの谷間の金曜にクラスメイトが普段の半分の8名くらいしかいないときがありました。すると先生が「今日は討論会をやりましょう。」と言いました。討論会かぁ~・・。私はあんまり好きじゃない内容だ・・。以前ヴィシーの授業でもやったことあるのだがそのときはある一部の学生が討論しているうちに熱くなって収集つかなくなり、周りの学生はシラケきったことがある。その時のテーマは「マンションの住民の騒音について」。このテーマは先生が決めて配役も先生が決めた。

今回はまず「議題は何にする?」と学生に尋ねると誰かが「死刑の是非」と言いました。それ以外に「安楽死」という人もいた。堅い!みんな堅いテーマ選ぶねぇ・・。このクラスの学生は本当に真面目だよ。私はもうちょっと軽いテーマがいいのではと思ったんだけど。なぜなら堅い政治的なテーマになればなるほど宗教色が現れるのでけっこう方向性によってはシビアになるから。

で、結局「死刑の是非」にテーマは決まった。そして先生は「ここでは自分自身の意見を言うのではなくテレビの討論会風にやっていきましょう。まず司会進行役がいて反対派グループと賛成派グループの配役を決定してその配役として意見を出し合うのよ。いい?」と言いました。私は賛成派になりました。賛成派は3人、反対派は4人、それに司会進行役の子が一人。賛成派の私は子供を殺された母親の役。それ以外の学生も法学者や元服役囚などの役に扮して意見を述べる。でもその方が意見を言いやすい。

この自分自身の意見ではなく、役に扮してフランス語を話すというのがミソではないかと思いました。例え自分が賛成じゃなくても賛成派の役の人は賛成の意見を述べる。ここでは相手を打ち負かすことや自分自身の考えを相手にぶちまけることではなくて、フランス語を使ってあるテーマに関して討論するということですね。相手の話を聞き、それによって自分も意見を述べる。フランス人が大好きなディスカッションです。役に扮した意見だからどんなことを言っても後腐れもないしね。


 

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いかついアンちゃん

2005年12月12日 | 留学中(トュール編)
ちょっと前にフランスの暴動が日本でもニュースに取り上げられてましたが、私はフランスで、特に怖い思いをしたことはありません。もちろん、そんな怖い目に合いそうな場所に出掛けていかなかったというのもありますが。。

でもフランスの至る土地でSDF(路上生活者)の若者でミリタリーのような格好をして大型犬を連れているグループをよく見かけました。なぜみんな揃いも揃って同じような格好なのか謎ですが、ダボダボの軍服で、たいていモヒカンやスキンヘッド(女性も)、ボディピアスやタトューをしている上に、護身用なのか、威嚇用なのか、シェパードやドーベルマンのようなイカツイ犬を連れていて、見た目はとても怖い。しかし昼間、街行く人に小銭をせびる時も

「マドモワゼール、小銭クダサーイ!お願いしまーす!」

無視しても

「merci bonne journee !」

意外にいいやつら?


しかし夜にひとりで歩いているときに出会ったりするとやっぱりちょっと怖いです。以前トュールで夜ひとりで歩いていると反対車線にその団体がいて

「ヤバイ・・声を掛けられたくない・・!」(;¬д¬)

と思って競歩のごとく早歩きで歩いてたのに、まんまと「マドモワゼール!」とひとりの男の人が私に気づいて大声で叫んだ。

「まずい、気づかない振りをしよう」

とさらに早歩きで歩いたが、向こうは道路を渡ってこちらにやってきて、さらに「おーい、そこのマドモワゼルったらぁ!!」まだ夜の9時半だったのに明らかにマドモワゼルは私しかいないし、例の怖そうな犬も私の周りにウロウロしだした。

「この犬、絶対に狂犬病の注射とかしてないだろうなー・・噛まれたらおしまいだ・・」

と思い、観念して渋々立ち止まると、NTMのKool Shenのようなアンちゃんが

「小銭くれ」

「今、小銭持ってない。」とバレバレな嘘をついてみても「嘘でしょう?僕たちを助けてよ。」

 

助けて欲しいのはこっちの方だよ!!(ノ`Д´)ノ

どうせお金あげてもお酒かドラッグに使うに決まってる。


こんな時はフランス語わからない振りの術でかいくぐる!思いっきりアホ面をして

「あなたの言ってる事よくわからないんだけど・・」
(これをフランス語で言ってる時点でわかってんじゃん!ってツッコミされてもおかしくないのだが・・)

と言うと意外にも「わかんないのかぁ・・じゃあ、しょうがないな。」とあっさりあきらめてくれた。別に他のメンバー総勢で団体で私を取り囲み、恐喝するわけではない。やっぱりそんなに悪い人ではない?と思ったけど、ステイ先の人にあの人たちは何して生活してるの?と聞いたら「奴等はCanaille(チンピラ)だよ。麻薬をやって喧嘩したり殺人もするから危険だ!」と言われました。関わらないほうがいいには越したことはない。あの犬のご飯代だけでもけっこうかかりそうなのになぁ・・。


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J'attends toujours

2005年11月30日 | 留学中(トュール編)

唐突ですが、私はかなりのイラチです。
特に「待つ」という行為が異常に嫌いです。でもフランスにいると日本にいるときより遥かに待たされます。友達との待ち合わせ、レストランでの会計や注文取り、駅や郵便局での窓口での順番・・。

「ねぇねぇ、君たち5分前集合って言葉知ってる?」 
知るわけねーな。。

日本だとお客様は神様、フランスでは客と働いてる人は同等、この違いがサービスの意識の違いなんだろうけどね。フランス人の友達で日本に旅行したことある人が日本の丁寧で合理的なシステムにびっくりしたと言っていた。そらそうだろうね。。 いっつもイライラするのがレストランやカフェでの会計だったな。

「J'arrive (今行く!)っつってから何分経ってんだよぉぉ


伝票持ってくるのに待たされ、実際に会計をしてもらうまでにまた待たされ・・。頼んだものと一緒に伝票も置いていってくれるところだとそのままお金置いて店出ればいいんだけど、お釣り欲しいときや伝票くれないところだと待たされるわけです。 パリのクニャンクール付近のカフェのおばちゃんなんかそらひどかったね。「J'arrive j'arrive」言ってやってきたのは20分もたってるし、会計は間違ってるし、またその間違いを訂正するのに待たされるし、お釣でまた待たされる・・。要領が悪いって言うのかトロイっつーのか、ようはドンくさい・・。

 




あ~!イライラする!!

逆にシャキシャキ働くギャルソンのカフェもあるし、そういうところはこっちがいちいち声をかけなくてもいい頃合いでやってきてくれるもんなんです!私は初めて行ったパリでそんなカフェに偶然当たりました。フランス語をまったく話せなかった私にもギャルソンのお兄さんは優しくて、初めての一人旅でちょっと寂しかった私は何度もルーブル近くにあったそのカフェに通いました。


待たされるといえば、駅で切符一枚買うのも一苦労でございます。あたしゃトュール駅で50分も待たされたことがあるよ。まぁ、金曜の夕方に行ったのが間違いだったんだけど。トュールはTGV(フランス新幹線)も停まる大きな駅です。窓口も10個くらいあります。実際に開いてるのは2個だったけど。しかも1個は当日券のみ取り扱いのため、予約する人が長蛇の列を作っておりました。それでも翌日の朝のTGVを予約したかった私は並びましたよ。 普通日本で(この「普通日本で」感覚が通じるわけないんだけど)駅で切符買うときって

「明日の○○までの切符を○枚下さい」
「ハイ、いくらいくらです」


ぐらいなもんじゃございませんかーー!!??なのに待てども待てどもちっとも列が進まない。なんでだ?と思って切符を買ってる人の会話を聞いてみた。
あるおばちゃんは「宅の主人が○○から何時の電車でどこそこに着くから、それに合わせて○○までの切符が欲しいんだけど、おいくらかしら?あら?その時間だと××で何時間も待たないといけないのね?じゃあ、違う行き方は無いの?それはおいくら?あら、そっちだとお高いのね。じゃあ、こっちの行き方でもっと遅い便はあるかしら?あら、ダメね。それじゃ間に合わないわ。じゃあこっちの方法だと、うだうだうだうだ・・」

ハイ、次。20歳くらいのお姉ちゃん。
「週末に○○に行くんだけど、どうやったら一番安くていけるのかしら?」



「乗り継ぎ方法なんてテメーで調べろよ!
  この情報化
社会でっっ!!」

というmojaoの心の声が聞こえたのか、私より後ろに並んでいたお兄さんが 「お前いい加減にしろよ!こんなに並んでるんだから!」 って言ってくれた。サンキュ~お兄ちゃん!まったく駅の窓口は旅行代理店じゃなくてよ?まぁ、でもこんな調子で一人あたり15分はかかるのですよ。 私は切符を買うときはたいていネットや時刻表で調べてから行くので早いっす。 「je voudrais un billet pour aller à ○○(○○行きのチケット一枚下さい。」 あとは禁煙席でいいか、とか割引(若者割引など)はあるか、とか聞かれる。

フランスで長距離移動する場合12歳から25歳の方は正規の料金の半額割引が適用される割引制度があります。この割引があるかということを私は必ず聞かれる。私は25歳以上ですから関係ないんですけど、多くの日本人同様実年齢よりも若く見られるため「割引は?」と聞かれて「Non」と答えても必ず「あんたいくつ?」と聞かれる。

ちなみに私の見た目年齢(フランス版ですので!)は23歳でした。(mojao調べ)日本人が若いのかフランス人が老けてるのかはわかりませんが。 ちなみにこの若者割引が無くても週末に往復でチケット買ってさらに現地で一泊すると25%引きで切符が買えます。一泊といってもホテルを取る必要はなくてただ単に、日帰りでの往復切符でなければよいだけです。行きは金曜の夜、帰りは土曜の夜とかでOKです。

話反れましたけど、こんなにイラチの私もかなりフランスでは気長な人間になりました。少々待たされてもイライラしません。 しかし日本に帰ってきてまたイラチは復活しました。つまり日本だと待たされないシステムが当たり前だから、待たされることにイライラするんですよね。フランスみたいにはじめから待たされることがわかってれば諦めがつくってもんです。


短気は損気よ

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ホームステイその③

2005年10月08日 | 留学中(トュール編)

私がトュールでお世話になったホストファミリー宅は学校から歩いて40分(もはや徒歩圏外!)のところにある。何度か書いてるが隣にマダムの両親が住んでいて、ここにも日本人の男の人がホームステイしていた。彼も私と同じ語学学校に通ってました。もちろん歩いて40分ってけっこうな距離のため朝はバスに乗っていたが、私は帰りは歩いて通っていた。お陰でいい運動になり、痩せた。バスは一回1.1ユーロ。定期を買えば一月21ユーロくらいなので毎日行き帰り乗れば十分元を取れるが私は朝しか乗っていなかったので毎度乗車時に払ってました。ちなみに乗車時にお金を払うと運転手さんがレシートを発行してくれて、そこに乗車時間が書いてあるのだが発券されてから1時間以内ならば乗り換え自由です。これってフランス全土でそうなのかな?

10月以降のフランスはめっきり寒くなり雨も多い。私は秋と言えば爽やかな日本の秋しか知らないので、まさかこんなに寒くてシトシト雨が降っているとは想定外!だ。ちょうど日本の梅雨時みたいだ。それでも私はなぜか頑なに帰りは徒歩で帰っていた。しかし学校やその他のお店などがある中心街から離れたところに住んでいるのに、夜は20時前には終バスがなくなり日曜なんて完全休業。

「出歩けねぇ!」

ヴィシーにいた頃は毎日のように夜も週末も出歩いていたのだが、トュールに移ってからというものめっきり引き篭もりのように夜出歩かなくなった。初日に友達になったイタリア人の女の子ベアトリスに「夜映画を見に行かない?」とかお誘いを受けたりしたが、なんせ夕飯後の時間にはバスがないのでまた往復で80分も歩いて中心街まで行くのは、億劫だ。。ステイ先のムッシュは公務員でトラックの運転手だったため朝の4時くらいに仕事に行くし、マダムも朝早く仕事に行くのでわざわざ私が夜遊びするために送り向かいをしてもらうなんてことは出来ない。私は夜の暇な時間を潰すためにラジオを購入。これでNRJなどの音楽番組をひたすら部屋で聴いていた。

さて、私がトュールに着いた初日の夜ご飯がパンとチーズと芋フライだったという話は以前しましたが、その後普段の食生活はというと、朝はコーヒーとパン(これはフツー)で、夜はほとんどがレトルト。レトルトといってもトマトソースをいちから作るんじゃなくて出来合いのソースの中にソーセージや米を入れてリゾットにするみたいなレベルだけど。なので不味くはない。というか美味しい。のだが量が少ない。最初ここの家庭はみんな少食なんだと思っていた。大食いの私には腹4分目くらいにしかなっていないのに・・。しかしどうやらダイエットのためらしい。そしてあれこれ料理をしないのはマダムが料理大好き人間というわけではないのと台所を汚したくないという観念から来てると思う。いや、台所だけじゃなくて家が異常に綺麗なんですよ、ここん家は。家では靴を脱いでるし、床には塵ひとつ落ちてない。

 


ステイ先のリビング モデルルームみたいだった・・。

そしてフランス家庭のくせに夜ワインを飲まない。これはショック!!!これぞ想定外!!!トュールに来たらおいしいロワールのワインが飲めると思っていた半アル中の私はがっかりだ。。

でも毎日の食事では飲まないのだが、週末隣に住んでるマダムの両親とともに昼食を食べるのだがそのときに飲んでいる。そしてこの週末、特に日曜の昼間に大量に昼ごはんを摂取するため、この家族は日曜の夜は食事を摂らない。ヨーグルトとか食べておしまい。私は週末は学校の遠足に行ったり、友達と旅行したりと週末ほとんど家にいなかったので、みんながお昼に食べているものを残しておいてくれて夜に一人寂しく食べていた。この食生活私にはとてもびっくりして友達に言ったりしたのだが、けっこう他の家庭もそうだったみたいで「うちも日曜の夜とか食べないよ。」と言っている友達もいた。そんなもんかね?

ヴィシーの家庭に比べるとドライな扱いだと思う。自分たちの生活があってそこは独立した生活であって、私は別である。当然といえば当然だが。私はヴィシーにいたころの感覚で「なぜ留学生を受け入れてるの?」とホームステイして2日目くらいにマダムに尋ねたことがある。私は「海外の学生を受け入れるのは私たちにとっても素晴らしい体験だわ」と言った感想を期待していたわけではないが

「お金のためよ、この家のお金を払うため。」

ときっぱり言い放ったマダムにいささか圧倒された。その後はしばらく萎縮してあまり会話もせず、ただの居候状況だったこともあった。なんと言うか私はただの金づるなのか!?といったかんじで。

 


部屋の窓から撮ったトュールの夕焼け前の空

この家には15歳の女子高生がいた。名前はフローラちゃん。見た目はちょっとギャルっぽいが、中身はとってもいい子だった。明るくて陽気。食事の時にいっつもマダムに「いいから早く食べなさい!」とよく窘められたりムッシュが私に「うるさくてかなわん!」と漏らしたりしてた。見た目もお人形のように可愛くて桃のようなほっぽと長いマツゲは羨ましい限りだ・・。エステティシャンになりたいらしくその道を目指すための職業高校に通いながらパリに住んでる彼氏がいて毎晩のようにメッセンジャーをしてた。それで知ったのだがフランス人の若者はよくMSNなどのメッセンジャーをするということ。私はそれまで一度もメッセンジャーなんてしたことなかったのだが、フローラちゃんはカメラをつけて顔を見ながら遠距離恋愛中の彼氏と毎晩MSNしてパパに「いい加減にしなさいよー!」とよく怒られてた。でもよく言う事を聞く子で注意されたらサッサとやめる。お手伝いもするし、家族ともよく話しをしてた。自分が15歳くらいの時なんて家で家族と話すなんてあんまりせず友達とばかりつるんでたし、父親の言うことなんて全然聞いてなかったからちょっとびっくりしました。そしてフランス全土の学校がなぜか2週間くらい休みに入ったときに彼氏が数日泊まりにきたことがあった。日帰りならまだしも数日間彼氏が娘の家に泊まりに来るってすごくない?さすがに寝る部屋は別で彼氏は隣に住んでるおじいちゃんとおばあちゃんの家で寝てたけど・・。なんか家族に対してオープンで羨ましいなーっと思いました。

お姉ちゃんも週末には車で帰ってきて地元の友達と遊んだり家族と買い物に行ったり。スポーツ学を専攻してるらしく部屋にはバスケのトロフィーや写真がたくさん飾られてて、妹より男まさりなかんじ。もうお姉ちゃんと妹の会話になんてとてもじゃないが割り込んでいけいくらいの超マシンガントーク!それをムッシュとマダムは愛しそうに眺めてるのが印象的でした。なんというかフランスの家族の実態みたいなのを垣間見れてなかなか楽しかったなーと思う。でもトュールがフランス語標準地域にある!というのは私にとってはよくわかりませんでしたよ。所詮標準語でも早口でダミ声のムッシュのフランス語や若者言葉で早口でまくし立てるお姉ちゃんのフランス語は私にとってはかなり聞き取りずらく難しかったなぁ・・。

 


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