第1巻は読んだ記憶はあるが、いつごろ読んだのか、読んでどう思ったのか、あまり良く覚えていない。 きっとその頃は戦争や原爆に対する意識が薄かったのだろう。 全10巻を読むのは結構しんどかったが諸み進むにつれてぐんぐん引き込まれていった。 第1巻は戦争中に反戦を唱えようものなら非国民と言われて周囲からは八分にされ、官憲からは暴行を受ける陰惨な世情で重苦しく、第2巻は原爆落下直後の凄惨な生き地獄が画面の隅々まで描かれていて見るのも辛い。
東日本大震災でも多くの方が無残な亡くなり方をされたと思うが、故人の尊厳に関わることなので我々には写真はもとより絵でも伝えられないので、最も深刻に受け止めなければならないはずの災害死があまり強く感じられない。 吉村昭の「三陸大津波」では明治29年の津波の被害を描いた風俗画が紹介されており、死者の収容が生々しい絵で書かれている。 はだしのゲンを読んでいて、何かこうした工夫はないものかと思う。
第3巻以降は戦後の大混乱が続き、国からも周囲からも見捨てられた極貧の生活の中、家族や仲間を次々と失いながらも力強く1人で生きていくゲンを描いている。 登場する人たちは良い人も悪い人も皆戦争や原爆で人生を狂わされた犠牲者ばかりだ。 自然災害は人間の思慮を超える部分が多いが、戦争は人間が起こすものなので何ともやりきれない。 反戦、非国民、差別、天皇や戦争指導者の責任、国民への謝罪、ピカ、ピカドン、熱光線、ケロイド、放射能、白血病、食料難、闇市、戯れ歌、傷痍軍人、ヤクザ、匕首、ヒロポン、パンパン、アカ、… 忘れかけていた言葉や生活風俗がふんだんに出てくる。 忘れちゃイカンゾ! と言われているようだった。
東日本大震災でも多くの方が無残な亡くなり方をされたと思うが、故人の尊厳に関わることなので我々には写真はもとより絵でも伝えられないので、最も深刻に受け止めなければならないはずの災害死があまり強く感じられない。 吉村昭の「三陸大津波」では明治29年の津波の被害を描いた風俗画が紹介されており、死者の収容が生々しい絵で書かれている。 はだしのゲンを読んでいて、何かこうした工夫はないものかと思う。
第3巻以降は戦後の大混乱が続き、国からも周囲からも見捨てられた極貧の生活の中、家族や仲間を次々と失いながらも力強く1人で生きていくゲンを描いている。 登場する人たちは良い人も悪い人も皆戦争や原爆で人生を狂わされた犠牲者ばかりだ。 自然災害は人間の思慮を超える部分が多いが、戦争は人間が起こすものなので何ともやりきれない。 反戦、非国民、差別、天皇や戦争指導者の責任、国民への謝罪、ピカ、ピカドン、熱光線、ケロイド、放射能、白血病、食料難、闇市、戯れ歌、傷痍軍人、ヤクザ、匕首、ヒロポン、パンパン、アカ、… 忘れかけていた言葉や生活風俗がふんだんに出てくる。 忘れちゃイカンゾ! と言われているようだった。