キャッスルマン病とわたし。

稀少難病『特発性多中心性キャッスルマン病』になってしまったわたしの日々。
夫・Uさん&チワワに支えられて。

キャッスルマン病と言われるまでのこと。その6

2007-10-16 | キャッスルマン病と言われるまでのこと。
【 大学病院・地獄の検査入院 】



地元の病院めぐりから、市民病院、そしてたどり着いた大学病院。


さっそく4月下旬から検査入院する事になりました。

当初は膠原病じゃないかという予測の元、2週間の予定での入院でしたが

何を調べても原因がわからず、気がつくと1ヶ月が経っていました。


この間、原因がわからないので薬の処方が出来ず、

発熱・頭痛・吐き気・全身倦怠感と闘い、

自分が何の病気だかわからないと言う不安、

病名すらわからないのに定期的に会社に病状報告の電話もしなければならない、

初めての長期入院によるストレスなど、

さまざまなストレスが日に日に溜まっていく中、

1番つらかったのが「相部屋のおばちゃん」でした。


個室に入りたかったけれど、わたしはしがないサラリーマン。

そんなお金は持ち合わせていませんでした。


わたしの病院は大部屋=4人でしたが、

最初の2週間は朗らかな先輩患者さんたちに恵まれ

検査で忙しかったけれど、穏やかな入院ライフを送っていました。


わたしは「わりと協調性のある方」だと自負しておりますが、

2週間を過ぎた頃、どうしても我慢ならないおばちゃんが入ってきたのです。


そのおばちゃんは、酸素ボンベこそ必要としてはいたものの、

ま~、しゃべるしゃべる、

1日中大きな声でお向かいのベッドの患者のおばさんと

30m先まで聞こえるような大声でえんえんと話しています。

しかもその内容が、

その女性は活動家だったらしく、過去の自慢話を並べ立てるか、

あるいは夫の悪口や不満・先生や看護士の悪口・病院食への不満など、

おんなじ様な内容をえんえんと喋り続けます。


で、定期的にくる医師団の回診になると途端におとなしくなり、

急にごほごほと咳き込んで「先生、喉が痛くて苦しいのよ~。」と訴えるんです。


『シンジラレナ~イ』 バレンタイン監督に見せてあげたかった。

  「下手こいた~」 これ、ヒルマン監督の間違いです。 (訂正:2007.10.28)

  

そりゃ~あんだけ喉を酷使して喋り続けりゃ~、喉も痛くなるでしょうよ。

もちろん、その女性の声は、ガラガラです。


さらにその女性はわたしに攻撃を仕掛けてくるようになりました。


原因は、私が窓側のベッド、彼女がわたしの隣の廊下側のベッドに入室したところにあります。


わたしも最初は廊下側のベッドで、窓側のベッドを使用していた方が退院されて

スライドして窓側に移ったので、それまでは通路を通る人たちの足音や声、

隣室の部屋の人たちの生活音などを我慢し、

コンクリートの壁から冷気がベッドに伝わり冷えるのですが、それも我慢していました。

当たり前の事ですが、窓側に比べて日当たりが悪くても気にはなりませんでした。



わたしは初めての入院で緊張とストレスがひどかった為、

ベッド周りのカーテンをほぼ1日引いていたのですが、

(他の部屋の様子を見てもカーテンを引きっぱなしにしている人がほとんどです)

その女性は聞こえよがしに大きな声で、わたしのお向かいの窓側のベッドの方に

「あ~あ、そっちは明るくていいわね~。こっちは1日中暗くて地獄だよ

(お向かいの方がカーテンを引くのは就寝時だけでした)

と言ってみたり、突然カーテンの向こうからわたしに向かって

「携帯電話禁止~」と怒鳴りつけてみたり。

(わたしは携帯を使っていませんでしたが)


そのくせ、自分の娘や息子がお見舞いに来て、

病室で携帯電話の着信をとり、話しをしようが、

おもむろにバッグから携帯を取り出してかけ始めようが文句一つ言いません。


酸素ボンベを使用しているからか、お見舞い中も病室のベッドの上で、

ずっと大きな声で家族とえんえん話し続けます。



わたしは堪えられなかった。

声が聞こえないようにと、病院の売店で、100均で買えば105円で済むような

『耳栓』を700円くらいで購入しても、そのおばちゃんの声だけは筒抜けです。


それならしょうがないと、高熱・頭痛・吐き気でぼろぼろの身体を引きずるようにして

8Fから2Fのロビーまで降りて行ったり、少しでも静かな場所で身体を休めようと

ひと気のない廊下を探し歩いたりしていているうちに、

日に日にわたしは「入院うつ」のような状態になっていったのです。


いつも考えていたのは

「なんで病気を治したくて入院しているのに、わたしは具合が悪くなっていくの?」

「なんで具合が悪くてベッドでうなりもだえ苦しんでいる人がいるのに

 平気で大声出して話し続ける事ができるの?」 

「なんで病院のスタッフ達はなにも言わないの?」

    

わたしの具合が悪くなっていくのを見て、同室の方が少しおしゃべりを控えてくれた時、

この病院のスタッフの一人がこう言いました。

「どうしちゃったの~ 今日は暗いじゃな~い

      まるで学校の図書室みたいに暗いわね~

部屋の空気が固まりました。


・・・かたやわたしは原因不明の症状でもだえ苦しんでいるというのに、

この人は一体何を言っているんだ?理解できない・・・・・。


わたしは病院のスタッフの何気ない一言にとても傷つきました。



もう、限界でした。

相手はおばちゃんというより、元気いっぱいの白髪の初老の女性という方が

近いかもしれません。

そんな方に、面と向かって注意するなんてわたしには出来ない


それから数日後、わたしは主治医にお願いしました。

「先生、わたしは後、何ヶ月入院すればいいんですか?

 原因がわからないのであれば、退院させてください

 早く家に帰りたい 早く家に帰りたいです

切実なお願いでした。


後から聞くと、先生から見ても日に日に、より「病人」らしくなっていたらしいです。


そして、わたしは退院し、通院しながら検査・経過観察することになりました。







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