こんにちわ、国立市議会議員望月けんいちです。
今朝は水曜定例の国立駅前議会報告からスタート。国立市の教育費の水準などについてお話をさせていただきました。
さて、一橋大学同窓会の会報である如水会報10月号に私の記事が掲載されました。
昨年の秋、一橋大学の学生のみなさまに社会実践論という講義をさせていただきました。
その時気づいたのが、私たちが学生の頃と同じことで現役学生たちが悩んでいるということです。
私たちが学生の頃とはっきり違うのは、経済的に厳しくなっている学生が多くなっていることではないでしょうか。
社会実践論での講義で感じたことを記事としてまとめました。
この記事は、学生をサポートしてほしいということを趣旨として、一橋OB・OG向けに書かれた文章です。
しかし、一橋の学生だけではなく、すべての子どもを応援してほしいという思いでこのブログを掲載します。
子ども達の未来は、私たちの未来です。
以下、如水会報に掲載された文章になります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ペイフォワード ― 後の世代に繋いでいく
望 月 健 一 (平8経)
私はペイフォワードという言葉が好きです。誰かから受けた恩を、別の人に送る。そして、その送られた人がさらに別の人に渡す。 「恩」が次々と受け継がれていくということ。
昨年秋の如水会寄附講義の社会実践論では『地域に生きる 地域に学ぶ』 というタイトルで、この言葉を思い出しながら講義しました。
具体的には市議会議員という職責の話を交えながら、
(1)ローカルからグローバルを考える
(2)息が吸える場所を探す
(3)置かれた場所で咲きなさい
の3つについて話をしました。
講義を受講した学生から様々な感想をもらいましたが、(2)の「息が吸える場所を探す」について、一番多くの感想が寄せられました。
成績も優秀で、 自信に満ちているように見える一橋生も様々な悩みを抱えているのだと改めて気づかされ、筆を執りました。
同級生が自分より優秀で華やかに見えた経験、同窓の皆様も一度はあるのではないでしょうか。
私はそのコンプレックスで、大学に通うのがしんどくなりました。
語学だけは何とか頑張り、後は引きこもる生活が、2年生の半ばまで続きました。
外に出ると、息が苦しかった。
増田書店で息が苦しくなり気分が悪くなったことを覚えています。
周囲が華やかに見え、自分が小さく思えました。
2年の小平から、3年の国立に進級できたのが不思議なくらいです。
いまだに、語学の単位を落として進級できない悪夢を見ます。
あ、そういえば、俺、卒業できたんだよな、と朝起きて気づきます。
当時の挫折経験を講義で正直に語りました。
私の場合は、 CHERISH という今もあるダンスサークルでライフワークというべき踊りに出会い、そこでの人間関係に癒され回復できました。
当時の仲間には今でも感謝しています。
学生には、どこでもいい、緊張しない場所を見つけてほしいと伝えました。
学生からは、「息がしやすい場所が見つかっていない」 、「心に弱い部分があり、周りが輝いて見え、つらくなることがよくある」 、 「周りの優秀な人たちに圧倒され、自分自身向かうべき方向がわからなくなっている」といった感想が寄せられました。
こうした声に対して私は次のように答えました。
「息が吸いやすい場所を探す」に関しては、
・大学以外にも居場所はある。趣味、 ボランティア、さまざまな所に行く
・時間の経過で、場になじむこともある。ゆっくりと構える
・不完全な自分もOK、不完全な他人もOKぐらいで良い
「周りが輝いてみえる」に関しては、
・一橋の学生はまちがいなく優秀
・学力的な頭の良さは、社会ではひとつの能力に過ぎない
などと返答しました。
また、人生を車のレースに例えた話もしました。
「最優秀な人はスポーツカー、自分は普通車の能力しかないとする。しかし、人生という長いレース では、どういったルートを通るか、どういったメンテナンスをするか次第で、 勝つ方法はあるのではないか。あせらず、自分のポジションを形成してほしい」と。
これは、学生時代の苦しかった自分にも伝えたかったことです。
一方、子どもの貧困問題を話したところ、自分も経済的に厳しいという感想が何通もあったのは驚きでした。
最近の東大生や一橋生は「経済的に恵まれた家庭の子弟ばかり」と言われますが、決してそうした学生ばかりではないのです。
留学をしたいが、家庭環境が許さないというものもありました。
以下をリプライしました。
「あきらめないで! 利用できるものは利用すべき! 留学ならば、一橋大学海外派遣留学制度もある。如水会も支援している。能力が高い人ほど、実際に会って話を聴いてくれる人が多い。如水会のネットワークは強く、親身になってくれる先輩方はたくさんいる。勇気を出して利用できるものはしっかりと利用し、成功してほしい。そして、成功した後は、それを後の世代に繋いでほしい。多くの一橋OB・OGに会い、 どうしたら留学できるのか相談し、実行に移してほしい」と。
本稿をお読みの会員の方々にも是非お願いしたいと思います。
あなたの力を必要としている学生がいます。
会ってほしいと言われたら、会ってくださ い。
あなたが学生だった頃と同じ悩みを持つ現役学生に、アドバイスをしてください。
また、寄附など経済的な支援が可能であるならば、お願いします。
サポートを受けた一橋生が、後の世代を支援していくでしょう。
一橋の伝統を繋いでいくでしょう。
私も、先輩方に受けた恩を、少しでも後の世代に渡していきたいと思っています。 (国立市議会議員)