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小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(71)&CG合成

2008-10-19 02:01:04 | 小説・鉄槌のスナイパー(第二章)
小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(71)&CG合成

「京平さん異状無しで~す。順調ですって」。
「うん、お帰り。良かったな、ちょっと出掛けて来ていいかな。マホロバのマスターが話があるって電話があったんだ」。
「うん、じゃあお義母さんと留守番している。時間かかるの」?
「そんなに掛からないと思うけど、何かあったら電話して」。京平は美保から小銭を貰うと車で出掛けた。そして喫茶店に入ると奥のテーブルでコーヒーを飲んでいた。
マスターに紅茶を頼むと席に着いた。三河警部はニヤッと笑うと立ち上がり、京平が座るのを待って座った。
「お待たせしました。女房が妊娠して定期検診なんです。それで、今度は誰です」?京平はそっと聞いた。
「そうでしたか、それは御目出とうございます」と話し掛けると店員が紅茶を運んで来た。そして置いて戻ると口を開いた。
「実は此の十二月から本庁に栄転になりましてね。一階級昇格しまして、東京から来たんです」。
「そうですか、御目でとうございます。警視ですか」。
三河は恥ずかしそうに頭に手をやり頷いていた。
「まあその事は良いとして、私に小さい方を貸して頂けませんか」そう言う三河の目は至極真剣だった。
「事情話してくれますね。そうでないとお貸し出来ません」。
「勿論です。ここでは何ですから場所を移しませんか」。
「そうですね、では別荘へ行きましょう。あそこなら誰にも聞かれませんから」。京平は紅茶を飲み干すと支払いを済ませて喫茶店を出た。
そして携帯を持つと家に電話した。そして二台で別荘へ向かった。
そして十時過ぎには別荘に着くと冷え切った室内に身震いしながら暖房に火を点けた。二人は暖炉に手をかざして暖まるのを待った。そのあいだ口を開く事もなくじっと炎を見ていた。
「紺野さん、実は暴走族のリーダーと幹部がターゲットなんです。幾ら取締を強化して検挙しても道交法だけで免許証を取り消しになっても彼等には関係ありません。見せしめの為です」。そう熱く語る三河の目は暖炉の炎が反射していっそう鋭く輝いていた。京平は計画を聞いた。
「ええ、もうアジトは調べてあります。中には暴力団とつるんでる奴もいます。それに、ああ言う奴等は人気のない所を隠れ家にしますから、こちらに執っては好都合です。全部で二十五人」。
「25人、それを一人で始末する気ですか」?
「ええ、その為に嫌いだった射撃の訓練を進んでして来ました。駄目でしょうか、貸して頂けませんか」。
「いえ。お貸しします。ちょうど弾薬を少しここへ移した所です」京平はそう言うと地下室の鍵を開けると降りて行った。
そして間もなく弾薬の箱とブリーフケースを持って上がって来た。そして手袋をすると三河にも手袋を渡した。そして銃を取り出すと消音器を装着し、カートリッジに二十発の弾をいれると装填した。
そして窓を開けると百メートル先の切り株目掛けて発射した。
三河は双眼鏡を手に切り株を見た。
「此れは凄い、私なんかとても適わんですな」。
京平は全弾打ち終わるとカートリッジを出すと代わりのカートリッジを入れ、装填して三河に渡した。
初めて持つ大型の銃に三河は慎重に切り株を狙った。そして一発づつ全弾撃って感触を見ていた。しかし腕は悪かった。
すると京平はライフルに消音器を取り付けるとスコープを着け、弾を装填した。そして三河に渡した。
三河は安全器を解除すると切り株を狙った。そして数発撃つと安全装置を掛けて京平に渡した。
「難しいですよ私にライフルは。しかし、奥さんがこのライフルを扱うとは驚きですな。私は銃の方がいいです」。
「三河さん、こう言ってはなんですが、その腕では無理です。確実性に殺らないと。いま撃った命中率は50パーセントそこそこ。もし的を外して関係の無い人間にでも当たったら大変です。自分も此れから忙しくなりますから家は明けられません」。NO-71-69

小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(70)&CG合成

2008-10-19 01:59:09 | 小説・鉄槌のスナイパー(第二章)
小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(70)&CG合成

二人は誰なのか予約してくれた人の名簿を見ていた。
「やったわね京平さん、問い合わせだけでも十二件。三組みで十人もお正月に使ってくれるなんて嬉しいね」。
「うん、これだから営業って止められないんだよな。直ぐに結果が出るから」。
すると、美保は京平に教わった営業の仕方や、京平が取引先に意かに信用があるか自慢気に説明していた。
そんな美保の話を義父は腕を組み、母は「うん、うん、そう」と頷きながら真剣に話す美保に暖かな視線を送っていた。
京平はそんな話しに照れ笑いを浮かべ、黙って聞いていた。
こうして何事もなく平穏な日々が流れ、十一月も終わろうとしていた。
寒さも本格的になり、八方や穂高連邦の峰々には薄っすらと白い物が望む季節になった。
しかし、美保には底冷えのする京都に比べると白馬の冬は暖かくさえ感じていた。
そして十二月に入った一日、美保が身体の異変に気付き、義母良江と産婦人科を訪ねていた。美保は診察台に横になっていた。そして診察が終わった。
母義は嫁の妊娠に気付いていた。しかし確実に分かるまではと黙っていた。
そして母良江も呼ばれ、診察室に入った。すると美保は嬉しそうに顔を上げた。
「お義母さん、三ケ月ですって」。
「そう、お目出とう。良かったわね、先生、宜しくお願いします」。
医師は笑顔で頷いていた。そして注意事項を聞き、受付で母子手帳を貰うと佐久間婦人科を出た。そして帰りは義母の運転で五分ほどの道程を帰った。
そして夫の待つ部屋に行った。「京平さん、赤ちゃん、三ケ月ですって」。
京平は驚いた。パソコンの手を止めて立ち上がった。
「そうかっ!やったな美保。やったやった」。
「うん。予定日は来年の六月二十三日だって」
京平は屈むと美保の両足と背中に手を廻すと、そっと抱き上げた。美保は真っ赤になって首につかまった。
「お目出とう美保、元気な子供を生んでくれよな」。
「うん、頑張って元気いっぱいの赤ちゃん生むから」。
そこへ父良平が母親から聞いて階段を駆け上がって来た。そして空いていた部屋へ入って来た。
「美保さん母さんから聞いたよ、御目出とう。京平、美保さん良かったな」。
「はい。お義父さん有り難うございます」。
「京平、落としたらどうする。早く美保さんを降ろしなさい」。
京平は抱き上げた美保をそっと降ろした。
「京平、階段に手刷りと滑り止めを直ぐに着けるように手配しなさい。そうか、孫が出来たか。良かった良かった。此れからは無理はしないようにな美保さん。京平分かったな」。
「ああ、分かった」。
「お義父さん、でも先生がある程度動いた方が良いって言っていましたから。疲れた時は言いますから仕事はさせて下さい」。
「うん、分かったよ」と目を細め、満面な笑みを浮かべながら出て行った。
そして階段を降りる義父の足音もトントントンと軽やかだった。
美保は電話を持つと京平を見ながら京都の母の元へ電話した。
「あっ、お母さん。美保、お母さん赤ちゃん出来たよ」。
「そう~良かったわね、御目出とう美保。京平さんや御両親には話したの」?
「うん、お義母さんに着いて行って貰ったの。京平さんに代わるね」京平は嬉しそうに受話器を取ると改めて報告した。
美保は受話器に耳を近付けて母の話しを一緒に聞いていた。
そして京平は京都の義母に遊びに来る事を約束させて受話器を置いた。こうして紺野家は美保の身体を第一に、美保中心に流れ始めていた。
そして、正月の予約も一杯になり、気を抜ける時期に入っていた。
そんな十二月の半ば、父良平は寄り合いで出掛け、母良江は病院に連れ添って美保の定期検診に出掛けていた。京平は一人で事務所にいると、突然連絡も無く静岡から三河警部が一人で訪ねて来た。
「紺野さん、少し時間を頂けませんか」?
「ええ、いま僕一人なんです。時期に母も美保も帰って来ますから、この先のマホロバって言う喫茶店で待っていてくれませんか」。
「分かりました。では後程」。そう言うと三河は出て行った。京平はどんな用件で三河が来たのか分かっていた。
そして妊娠している美保にはもう手伝わせたくないと心に決めていた。そして十五分もすると母と美保が帰って来た。
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小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(69)&CG合成

2008-10-19 01:57:11 | 小説・鉄槌のスナイパー(第二章)
小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(69)&CG合成

「美保、ああ言う店員がいると遠回りしても来たくなるな」
「うん、心から有り難うって言ってくれているもの。あの店長さんなら店員さんにもそう言う教育しているんだろうね」。
「そうだろうね、しかし美保の腕はたいしたもんだ。負けたよ」。
「いや~もう、今日はたまたまついていただけよ。でも楽しかった」。
すると、映画が終わったのか、続々と人が出て来た。そんな中を二人は縫うようにホテルに帰った。すると、ロビーには三河警部が待っていた。
「どうも、パチンコ儲かりましたか」?
「ええ妻がね。どうしたんです、こんな遅くまで、まだ仕事ですか」。
「ええ、堂元が恐喝するネタを流していた人間がこのホテルに泊まってる事が分かりまして。それで、共犯の容疑で逮捕したばかりです」。
「京平さん、私アイスクリーム預けて来る」。美保はそう言うとフロントへ預けに行った。京平と三河警部は椅子に座ると事件の話を始めた。
「あの堂元と言う男は我々が調べた以上の事をしていましたよ。ガサ入れして分かったんですが、押し入れからビデオテープや写真が出て来る出て来る、段ボール箱で三十箱も出てきました。みんな全裸の女性と性行為をしている現場写真や隠し撮りしたDVDしてね。それをネタに威していたんですな。
大学教授や医師、会社の役員。あれでは被害届けは出せませんな。中には女子高生との性行為のビデオや写真もありましてね。警察としては厳重注意と言う事で不問にするつもりです」。
「そうですか、それで司法解剖の検案は」。
「ええ、遺体の弾痕から侵入角度を計算して堂元の家の裏にあるビルの建設現場から発射されたものではないかと言っていました。まあ、あの距離ですから誰も信じませんでしたがね」。
すると美保はニコッと笑って警部を見た。
「そうよね、普通のライフルじゃ無理よね」そっと言うのだった
警部は眉を細め、二度三度と頷くと笑っていた。
「それで白馬にはいつ戻られるんです」?
「ええ、営業は今日一日で終わらせてしまいましたから。明日ゆっくり戻ろうと思っています」。
「そうですか、気を付けて帰って下さい。そうだ、大事な事を聞くのを忘れていました。誰かに遭わなかったでしょうか」。
「それが、あのビルに入って五階の部屋に入ると、中学生ぐらいのアベックが裸で抱き合っていましてね。叱って返しました。顔は懐中電灯の逆光で見られていません。服も現場の人間に見せ掛けて作業服の上下とヘルメットに安全靴で行きました」。
「そうですか、奥さんもその恰好で」?
「はい、私だってあの恰好なら男に見えるでしょう。背だって165あるもの。京平さんは大きいから小さく見えますけど」。
「ええ、奥さん女性にしては大きいですから。そうですか、中学生のアベックですか。でも届けて来ないでしょう。どうしてそんな所にいたのか聞かれますからね。
まさかエッチしていたなんて言えないでしょう。それは問題にしなくても良いですな。では私は此れで、遅くに済みません」。三河警部はフロントに行くと何か話していた。そして二人に頭を下げると帰って行った。
二人はフロントに行くと明日チェックアウトする事を告げ、預けたアイスクリームと買い物袋を受け取ると部屋に戻った。
二人はシャワーを浴びると美保は湯上がりにアイスを食べていた。そして京平の口へ運んでは口移しに貰い、ジャレ合っていた。
翌日、朝食を済ませ二人は荷物をまとめてフロントに降りた。
支払いを済まようとすると、既に支払いは済んでると言うのだった。二人は誰が宿泊料を払ったのか聞く事もなく、三河警部の気持ちに甘えた。
そして、フロントに預けたブリーフケースを受け取るとホテルを後にした。二人は駅に向かうと駐車場に預けた車に荷物を移し、京平はレンタカーを返しに行った。
そして車を返し、表に出ると美保のBMWが待っていた。京平は運転を代わると白馬に向かった。
そして静岡を出て五時間、天気の崩れもなく、二人は午後一時過ぎには実家に戻った。すると、車を見た父親が飛び出して来た。
その顔は満面な笑みだった。そして母親も。
「お帰りなさい美保さん、京平。もう問い合わせの電話が十何件かあってね。三組で十人の予約を頂いたわよ。御苦労様」。母良江は美保の肩を抱く様に中に入った。父良平は嬉しそうに頷くと荷物を持ってラウンジへ運んだ。
そして話しもそこそこに部屋に行くとシャワーを浴び、事務所に顔を出した。
すると、母が予約の入った名簿を美保に渡した。
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