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小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(66)&CG合成

2008-10-08 04:41:35 | 小説・鉄槌のスナイパー(第二章)
小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(66)&CG合成

部屋の前に来ると京平はポケットに手を入れて二つ折にした札を出して渡して礼を言うと部屋の前で荷物を受け取った。
ベッドの隣にバックを置いて部屋の時計を見ると七時を回っていた。
美保は風呂場に行くとバスタブに湯を入れていた。
京平はそんな美保を見て心に感じていた。結婚して四ケ月、仕事でもプライベートでも嫌な顔を一つ見せた事がない。自分にも両親にも未だ見せた事がない。何を聞いても素直に答えてくれる。そして何事に関しても気が利く優しい女性だ。京平は風呂場から出てくる美保を見て改めて惚れ直していた。
「うん?・・どうしたの、そんなに見て?・・・」。
京平は両手を広げた。すると小走りに来ると胸に抱き着いた。
「お風呂入ろう、もう入れるよ」。と美保は京平の唇を見ると目を綴じてキスした。そして抱き合い愛し合い、お互いの身体を流し合い、風呂から出ると着替えて食事に出掛けた。
美保は寿司が食べたいと言い、京平は両替町にある寿司屋に連れて行った。
街には茶髪でマイクロミニの女の子がたむろし、路上に座ってお喋りに明け暮れていた。耳には携帯電話を充て、訳の分からない言葉で話していた。
そして目のやり場に困るほど股を広げ、下着が見えているのも気にせず話に没頭していた。
そして顔は真っ黒で目と唇が異様に白く化け物の様だった。そして聞こえて来る言葉は、もとかれ、まじきれ、ちょう・・・
「やあねあんな娘は、同じ女だけど神経が分からないわ」。美保は目を背けるように京平の手を引いて反対側の道に亙った。
そんな女の子が至る所にいた。そして七間町から両替町商店街に入り、ビルの一階に店舗を持つ寿司屋に入った。
景気の良い勇ましい接客に美保は目を丸くしていた。そしてカウンターに腰を降ろし、美保は好きなアナゴや赤身を注文しては堪能していた。
そして中トロにイクラと思い思いの握りを頼んでいた。そんな美保の口が止まった。「京平さん見ないでね。一番隅にいる男、堂元じゃない?・・・」。と京平に寄り添うように小声で言うのだった。
京平はお手洗いに立つとそっと顔を伺った。ズバリ堂元勝雄だった。そしてお手洗いに入って戻ると美保の目を見て頷いた。
堂元の隣に座っている女性はホステスのようだったが迷惑そうな顔をしていた。
そして寿司を堪能し、勘定をしていると人相の悪い男が二人入って来た。
そして堂元の所に行くと耳打ちしていた。
二人は店を出た。「嫌なものを見た感じだ。あの二人が堂元の用心棒だな。あれじゃ堂元同様で睨まれたらビビルよな」。
「うん、でもさ、何でああ言う顔になるんだろうね。ヤクザとか暴力団の人って同じ目をして顔も似てくるんだ。やだやだ。ねえ京平さん、ああ言う人達ってみんな落ちこぼれなの」?
「どうかな、たまに大卒のインテリヤクザなんて言葉を聞くけど、若い時にいい事してなかった人達だろうな」。
そんな話をしながら裏通りに入った。十時過ぎと言う中途半端な間もあって人通りもまばらで数人の酔っ払いがたどたどしい足取りで歩いているだけだった。
そして青葉公園通りに出てテレビ局の通りに出た。
そして向かいにあるサークルKに寄ってドリンクと軽いスナック菓子を買ってホテルに戻った。
部屋に戻った二人はジャージに着替え、テレビを見ながら時間を待った。そして十一時になると美保は携帯で自分の泊まっているホテルに電話し、紺野京平を呼び出した。すると間もなく電話が鳴った。
京平は受話器を取ると美保の顔を見ながら笑うと適当に話して受話器を置いた。
「OK、さあ出掛ける口実が出来たから出掛けようか」。
「うん」。美保はウエストポーチを着け、京平はスポーツバックを持って部屋を出た。そしてフロントに行くと電話があって出掛けると告げた。
「スポーツジムですか」。とニコッと笑って頭を下げた。
そしてホテルを出ると駐車場から車を出して中村町に向かった。
美保は走る車の中でジャージを脱いで作業服に着替えた。そして安全靴を履て靴紐を結んでいた。
そして車を止めて運転を代わると走り出した。今度は京平が作業服に着替えた。そして安全靴を履くと車を止めた。
そして京平に代わると堂元勝雄の家に向かった。すると、堂本の家は門灯だけで家の中は真っ暗で帰っていなかった。
京平はそのまま家の前を通ると後方にあるビルの建設現場に向かった。そこは六階建てのオフィースビルだった。都合良く警備員もなく、少し離れた空き地に車を止めると二人は黒い二本線の入ったヘルメットを被り、顎紐を着けるとブリーフケースを下げてビルに入って行った。
二人は中に入ると暫く止まっていた。
暗いビルの内部に目を慣らせていたのだ。そして階段を五階まで上がるとほぼ完成している部屋のドアを開けて入った。
すると人の気配がして懐中電灯を点けると、床にベニヤ板を敷いてアベックが全裸で抱き合っていた。驚いたのかポカ~ンと見ていた。
「コラッ、こんな所で何をしている。立ち入り禁止だ、出ていけ」。
「す、済みません。出ていきますから勘弁して下さい」。
アベックは下着も着けずに服を抱えると一目散に出て行った。
そして窓から下を見ていると、アベックはビルから出ると振り向きもせず走って暗闇に姿を消した。
「参るよな、でも少し可哀相だったかな」。
「あの子達まだ中学生くらいよ、女の子なんかまだ生え揃ってなかったもの。これに凝りて暫はしないわよね。それより顔は?・・・」。
「いいや、逆光になって相手からは顔は見えないさ」。
京平はブリーフケースをベニヤの上に置くと鍵を開けた、そしてライフルを組み立てて消音器を装着した。そしてスコープを取り付けると印のあるカートリッジを入れて美保に渡した。そしてもう一丁のライフルを組み立てた。そして二人して堂元の家の窓に照準を合わせた。
そして時計を見ると十二時を少し回っていた。そして窓を締め、ドアを閉め、堂元の帰りを待った。京平はライフルを立て掛けると美保の身体を後ろから抱き締めた。
「どう、少しは暖かいか」。
「うん、あったかい、京平さん有り難う。これが長野じゃなくて良かったね。長野じゃ凍えちゃうもん」。
「うん、本当だ」。そして三十分、一時間。午前一時を過ぎた。
京平は今夜は駄目か、半分諦め始めていた。寿司屋で堂元といた女と何処かにしけ込んで帰って来ないのかと思い始めていた。
NO-66-58

小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(65)&CG合成

2008-10-08 04:39:10 | 小説・鉄槌のスナイパー(第二章)
小説・鉄槌のスナイパー・二章・NOー(65)&CG合成

その晩、食事を済ませた二人は部屋に閉じこもった。そして三河警部から渡された写真を前に堂元の日課を読んでいた。
「堂元の住まいは中村町か、一匹狼といいながら用心棒を二人雇っている。前川大輔三十才と大谷衛三十才か、二人は通いで堂本は一人住まい。
六時起床で安倍川の土手を毎日二十分のジョギングを欠かさず走っている。ここは無理だな、隠れる所がない。
六時四十分には家に戻って、通いの家政婦が七時に来て食事を作って、夕方四時には帰るのか」。
「京平さん。毎週火、木、土と十三時には必ず出掛けているわね。後は月、水、金と十五時に出掛けている。何しに行っているのかな」
「いや、それは書いてない」。
すると、美保は別の書類を広げた。それは堂元の自宅から二百メートル周辺の地図だった。美保はじっと見ていた。
「京平さん、この地図って正確だよね」。
「たぶん正確だと思うけど、何か良い場所あったのか」。
京平は地図を覗き込んだ。すると美保は或一点を指さした。
「堂元の家を正面に東と西に工事中のマンションがあるわよ。この地図からだと百五十メートルはないと思う」。
「よし、西のビルにしよう。寝室は二階だ、一度や二度は窓際に立つだろ、そこを狙う。鉄鋼弾と炸裂弾を同時に発射する。鉄鋼弾は頭、炸裂弾は胸部。確実に仕留めるにそれしかないな」。
「うん」。すると
「コンコン、入っても良いかしら。美保さんお茶」ドアを開けると母良江トレーを持って立っていた。
「二人して何を相談しているのかしら」。母良江は中には入らず二人の顔を見ていた。
「母さんちょうど良かった。二人で静岡へ行って来てもいいかな」。
「ええ、それは良いけど。警察に呼ばれているの」。
「うん、一度現場に来て話をしてくれないかって言うからね、ついでに営業もしてこようと思ってさ」。
「いいわよ、京平たちの都合の良い時に行ってらっしゃい。パンフレットはどれくらい用意したらいいのかしら」。
「うん、三百部もあれば良いかな。三河さんが部下や関係者を紹介してくれるって言うからさ、ついでに前の会社の取引間系の会社を廻って来るよ。それから美保が勤める事になっていたスーパーもね」。
「そう、分かった。それでいつ行くの」。
「早い方がいいから月曜日に出て二~三日行って来るよ」。
母良江は頷くと戻って行った。
そして二日、十月十九日月曜日。朝から小雨交じりの寒い朝だった。京平と美保の二人は午前中は仕事をし、昼食を済ませると支度を始めた。
京平は作業服の上下と安全靴、そして白いヘルメット二人分をスポーツバックに入れていた。用意が出来ると車に積んで戻ると着替え、事務所に降りた。
「支度出来たのか」。父良平はニコッと笑うとパンフレットが入った袋を渡した。「うん、じゃあ行ってくる」。
「美保さんこれは経費、持って行きなさい」。
「父さんいいよ、給料二人分貰っているんだから。なあ美保」。
「うん、お義父さん本当に大丈夫ですから。それより松達の事お願いします」。
「分かった。大事な狸さんは任せなさい。気を付けてな」。
二人は両親の見送りで美保のBMWに乗り込むと出発した。
両親は二人の車が見えなくなるまで見ていた。
「なんかお義父さん達に後ろめたいね」。美保は後ろを見て、見えない義父母を見るようにボソッと言った。そして京平の横顔を見詰めていた。
「仕方ないさ、でも営業する事は確かだから気にするな」。
「うん。ねえこの車で堂元の家を下見するの?・・・」。
「いいや、静岡に着いたら駅の駐車場に入れてライトバンを借りる。ライトバンなら目立たないし、夜の建設中のマンションの前に止めても疑われないだろ、作業服にメットに安全靴なら尚更だ」。
「アッハハハハ・・・本当ね。でも此れって凶悪犯罪なんだよね」。
こうして豊科に出ると中央自動車道に乗った。そして山梨へ入り、韮崎インターで降りた。そして国道52号線に入ると走りなれた国道を静岡へと向かった。
そして夕方、西陽を浴びながら清水区へと入った。
そして東名高速に乗って二十分。静岡インターを降りる頃には真っ暗になっていた。インターを出ると右折して堂元の家のある中村町に向かった。
そして、SBS通りのT字路を真っすぐに南幹線を「そこ右折よ、二つ目の交差点をまた右折」と美保は三河警部から渡された地図広げナビしていた。
そしてカーナビを見ながら照らし合わせ「そこよ、その正面の家がそう」。
目的地に車を止めた。そして堂元勝雄の自宅を確認するとその場を離れた。
そして堂元の家の裏の後方にあるビルの建設現場を下見して駅に向かった。
「美保はどっちが良いと思う」?
「私は裏のビルからの方が狙い易いと思う。それに、マンションの通りより人通りが少ないもん」。
「僕もそう思う。今から車を駅の駐車場に入れてレンタカーを借りる、ホテルにチェックインして食事して、着替えたら見に行こう。それでいいかな」?
「うん、でも京平さんは疲れてないの?・・・」。
「疲れてないよ」。
そう言うと手を延ばして美保の左手を握った。そして車を預け、荷物を持つとタクシーに乗り込んだ。そして千円を渡すと頼んだ。
「運転手さん近くて悪いけど此れでその先のレンタカー会社までお願いします。荷物が多いもんだから」。
「はい、こちらそこ目と鼻の先で千円も有り難うございます」。若い運転手は嫌な顔一つ見せないで車を出した。
そしてレンタカー会社の前に着くと、すかさず降りると後ろに廻り、美保の荷物を持って運んでくれたのだった。
「有り難う運転手さん、近くて済みませんでした」。
「いいえ、困っている時はお互い様ですから。失礼します」。
運転手は帽子を取って頭を下げUターンすると駅に向かった。
そして白のライトバンを借り、静岡駅の表に廻ると県庁に向かった。中央署と県庁の交差点を左折、静岡伊勢丹、直ぐ先にある北ワシントンホテルに向かった。そして車はホテルではなく、別の駐車場に入れてホテルに入った。
京平はフロントで名前を告げた。
「いらっしゃいませ。紺野様、奥様お待ちしておりました。お部屋は4012号室スイートでございます。ごゆっくりお過ごし下さいませ」。
するとベルボーイが横に来て、ペコッと頭を下げ、美保から荷物を受け取ると、部屋に案内してくれた。NO-65