美月葉月

言の葉 ゆらり

魔法

2015-01-17 10:00:59 | 美月葉月

 

恋する気持ちは
ねぇ

何ものかに
ふりかけられた

魔法ね

乙女の頃から
いい歳した 分別ついたであろう
つい先頃までも

いつ魔法が消えるの
と、願った頃も

いつ魔法が消えてしまうの
と、怖れた頃も

それは
私のものであっても
私のものではない

 

恋する気持ちは
ねぇ

魔法に操られた
自由の利かない

私 だったの

 

 


虫眼鏡

2015-01-12 16:39:24 | 美月葉月

 

虫眼鏡で見る きみは

私の知っているきみと
寸分たがわず

きちんと歳を重ねては
いるけれど。

右の口角をちょっとあげて
笑う顔なんぞ

そのままで

その笑顔が
キムタクそっくりと

その昔
友に言ってみたら
全否定されちゃったけど。

虫眼鏡で見る
きみの隣のその人よ

ねぇ
この笑顔はやっぱり
キムタクそっくりよね

ほら
今度は賛同の声が

聞こえるわ。

 

***

 

九州のおれんじ鉄道の
“おれんじ食堂”
という観光列車に乗ってきました

東シナ海を見るのは 初めて

すてきな体験をしてきました

 


手に。

2015-01-09 14:21:12 | 美月葉月

 

そのとき

願って 托して そして
信じて

きみの しあわせを

わたしではない
別の誰かの

手に。

 

*

 

年賀状を 交換するたびに
おのおのの それぞれの だけど べつべつの

しあわせを 確認しあう

それは しあわせと 言う言葉に
置き換えられるのでしょう

ね。

 

 


みちのひとつ

2014-06-06 20:52:02 | 美月葉月

 

迷うことなど
なかったのに、ね。

前置きしてみる

それほどのことでも
なかったのに、ね。

いいわけしてみる

でも
それは たぶん 確かに

歩まなけれなならない
道のひとつで

知らずにはいられない
未知のひとつで

 


本文

2014-06-02 23:41:11 | 美月葉月

 

きみには 見えている

泣き言なんで
言わなくても

涙声なんて
出さなくても

きみには 見えている

たとえ
それが

季節の挨拶の
ひとつだって

たった
一行だって

何の変哲もない
唐突な便りの

ほんとうに書きたい
その 本文を

 

 


何度か。

2014-05-25 13:29:35 | 美月葉月

 

急な

嵐に 震えたり
思わぬ

出来事に 戸惑ったり
そんな

私では なかった はずだと

言い聞かせて
何度か

何度も

 

 


泥沼

2014-03-29 13:42:48 | 美月葉月

 

足を 踏み入れないのは
汚れたくない

から
ではなく

首まで 浸かり
恍惚

して
しまいそうだから。

 


薄きにゆき

2014-02-07 13:59:29 | 美月葉月

 

またひとつ

失せてゆくもの
色づいてゆくもの

そして

軽やかになるもの
薄れてゆくもの

 


この幾年

2013-12-23 11:02:23 | 美月葉月

 

月日を無駄には
使っていなかったと

この幾年を振り返れば
そう思うだろう

後退ではなく
停滞でもなく

でも

前進かと問われれば
素直に肯定は
できなくとも

大きな石と
小さな石とが

小さな音

静かに動き出すような
そんな

手応えの
幾年を

 

 


色 づいて

2013-12-01 22:26:40 | 美月葉月

 

他の人には
わからぬように

でも

きみにだけ
気づけるように

そんなくらいに

づいて