85度C

私が杭州を離れていた半年の間にも、
杭州は進化（？）を続けていたらしい。

日本人のお友達の紹介で、市の中心にオープンした「85度C」というベーカリーへ行ってみた。

だいたい中国では美味しいパンやケーキを見つけるのが至難の技、というか、
90年代には「そもそも、そんなものは存在しない」という前提だった。

2002年に来た当初、杭州では街中に「浮力森林」（Free Mori)という台湾系のベーカリーが一軒オープンしたばかりで、
美味しいパンやケーキを求めて、当時留学していた大学からバスで片道一時間近くかけて、わざわざその店まで行ったものである。
そういえばその当時は、スターバックスも杭州で一軒しかなく、しかしスタバのケーキでも貴重な存在だった。

「浮力森林」はその後店舗をどんどん増やし、今では留学していた大学の前にも、今住んでいる家の近くにも支店ができた。
上海でよく見かける「可頌房」(クロワッサン）も杭州に進出し、市内に数店舗、支店もできた。
中国人の若者の間で人気の「面包新語」（Bread Talk)は大きなスーパーやデパートに入っていて、味はまあまあ。
あとは、台湾系の「元祖」や「克緑絲丁（クリスティン）面包」なども進出しているが、
私の感想は「お菓子はともかく、パンは今イチ」なのである…。

しかも、上海と違って、杭州の「進化」は
「二歩進んで一歩下がる」ことも多い。
以前西湖天地に日系のベーカリーがオープンしたのだが、今は閉店してしまったし、
ベーカリーではないが、日系の焼きたてシュークリームのお店も、一度進出して、閉店してしまった。

私がここ数年「浮力森林」と並んで（？）頼りにしてきたベーカリーは、「春天瑞朶」(Ritto)。
値段も「浮力森林」より安いし、美味しいので贔屓にしていたのだが、これも家の近くにあった支店がどういう理由か閉店してしまい、買うことができなくなった。
（この「春天瑞朶」のパンは、今は「喜仕多」という台湾系コンビニに少量だが置いてある）
…というのが、私の知る限りのここ数年の杭州のベーカリー事情なのだが。

その杭州に、今上海で大人気（らしい）の台湾系ベーカリー、「85度C」が進出してきたのである！
平日昼間に行ったのに、店内はすごい人で混雑していた。
入ってすぐのケーキのショーウインドウには色とりどりのケーキが所狭しと並んでいて、一瞬目がくらむが、
ユキを預けて出てきているので、時間がない！

人をかき分けて、パンコーナーへ直行する。
今回は初めてなので、まずは基本の食パン（10元）。
惣菜パンもいっぱい並んでいるのだが、まずはアンパン（3.6元）、ソーセージパン（4.8元）、クロワッサン（5元？）を購入。
急いで帰宅して、早速食べてみたのだが。

美味い！
日本のベーカリーの味と、遜色ない！！

帰宅した相方にも食べさせてみたところ、
「なんでもっといっぱい買ってきてくれなかったの～～！！」
と怒られてしまった。

食パンは一枚だけ食べて、残りは冷凍して小出しにして食べているのだが、
フワフワで、これもすごく美味しい！

思うに、他のベーカリーは工場で焼いたものを店に出しているのだが、
85度Cは店内で焼いているので、味が本格的なのだ。
ベーカリーなのに、24時間営業、というのもスゴイ。
お店も清潔でおしゃれだし、店員の制服もカワイイ。
（今デジカメが使えなくて、写真が載せられないのが残念。）
嗚呼、こんなパンをこの杭州で食べられる日が来ようとは…

うちからは遠いので、次回行ったときは食パンをいっぱい買ってきて、冷凍しよう！と決意。

すでに市内に４支店、オープンしているそうなのだが、
私の住んでいるエリアにも早く進出してきてくれることを祈りつつ…。

●85度Ｃ
http://www.85cafe.asia/