2019年4月14日、ジーン・ウルフが亡くなった。
享年87歳、長く心臓を患っていたという。
噂に上がっていた『書架の探偵』の続編はとうとう上梓されなかったが、
自らの分身である流行作家を図書館に住まわせ探偵役を務めさせる物語が
遺作となったのは、著者にとって幸せな事だったと思う。
なお『書架の探偵』の主人公E.A.スミスは「Smithの後にeがつく」と名乗るが
姓の最後にeがつく点はあのフィリップ・マーロウと同じ。
そして著者自身の姓も「Wolfの後にeがつく」ことを考えあわせると、この名が
ウルフ自身を指し示す署名であることに疑いはない。
さて私自身はというと、ウルフの死をことさらに嘆くつもりはない。
私たちの書架には、既にウルフの複生体である数々の著作があるからだ。
『書架の探偵』はそれを密かに伝える、著者最後のあいさつだったのかもしれない。
その作品を愛して繰り返し読み続ける限り、ジーン・ウルフはいつも我々と共にある。
そしてウルフの作品について語るとき、我々もまたひとりのウルフとなるのだ。
享年87歳、長く心臓を患っていたという。
噂に上がっていた『書架の探偵』の続編はとうとう上梓されなかったが、
自らの分身である流行作家を図書館に住まわせ探偵役を務めさせる物語が
遺作となったのは、著者にとって幸せな事だったと思う。
なお『書架の探偵』の主人公E.A.スミスは「Smithの後にeがつく」と名乗るが
姓の最後にeがつく点はあのフィリップ・マーロウと同じ。
そして著者自身の姓も「Wolfの後にeがつく」ことを考えあわせると、この名が
ウルフ自身を指し示す署名であることに疑いはない。
さて私自身はというと、ウルフの死をことさらに嘆くつもりはない。
私たちの書架には、既にウルフの複生体である数々の著作があるからだ。
『書架の探偵』はそれを密かに伝える、著者最後のあいさつだったのかもしれない。
その作品を愛して繰り返し読み続ける限り、ジーン・ウルフはいつも我々と共にある。
そしてウルフの作品について語るとき、我々もまたひとりのウルフとなるのだ。
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