【永田満徳(みつのり)】 日本俳句協会副会長 俳人協会幹事 俳人協会熊本県支部長 「文学の森」ZOOM俳句教室講師

火神主宰 俳句大学学長 Haïku Column代表 「秋麗」同人 未来図賞/文學の森大賞/中村青史賞

Facebook「華文俳句社」 〜【俳句界】2023.11月号〜

2023年11月01日 21時13分36秒 | 「俳句界」華文俳句
俳句大学国際俳句学部!
 
Facebook「華文俳句社」
〜【俳句界】2023.11月号〜
 
◆2023年『俳句界』11月号が発行されました。
◆「俳句四季」11月号(2023年)に於いて、菫振華氏はいみじくも「漢俳」について「日本の俳句とは別物だ」と述べています。
「漢俳」とは五·七·五の形と漢字で綴られた三行詩。
     趙朴
緑蔭今雨来     緑陰に今雨来たり
山花枝接海花開   山花、枝接ぎて海花が開く
和風起漢俳     和風 漢俳を起こさん
◆そこで、「華文俳句」では華文圏に俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱しています。
◆2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載しています。
◆どうぞご理解とご支援をお願いします。
 
俳句大學國際俳句學部的通知!
~Facebook 「華文俳句社」Kabun Haiku 2023・11〜
◆2023年『俳句界』11月號已出版。
◆於華文圏提倡包含俳句的基礎「一個切」和「兩項對照組合」的二行俳句。
◆請各位多多支持指教。
 
華文俳句【俳句界】2023,11月号
永田満徳選評・洪郁芬選訳
 
鑄鐵壺熬酸柑茶
秋涼
鄭如絜
〔永田満徳評論〕
台灣的「鐵壺」是台灣茶文化不可或缺的茶具之一。鑄鐵製的壺有助於提升茶的風味,而「柑橘茶」富含維生素C,能夠增強茶的香氣和味道。在寫食物的俳句時,強調美味是很重要的。在秋天終於變得涼爽的季節裡,將最適合的飲品搭配在一起,生動地描繪了「秋涼」的季節感。
 
秋涼し急須で淹れる柑橘茶
鄭如絜
〔永田満徳評〕
台湾の「急須」は台湾の茶文化に欠かせない茶器の一つ。鋳鉄製の「急須」はお茶の風味を引き出す効果があり、「柑橘茶」はビタミンCが豊富で、お茶の香りや味を引き立てる。食べ物の俳句はおいしそうに詠むことが大切。秋もようやく涼しくなった時節に打ってつけの飲み物を取り合わせることによって、「秋涼し」の季節感をよく描いている。
 
 
店門口打盹的老狗
秋分
玉香
〔永田満徳評論〕
「秋分」是晝夜長度相等的一天,標誌著進入冬季,夜晚逐漸變長超過白天的時刻。這是深秋來臨,冬季逼近的象徵性季語。秋的長夜也從這一天開始。在「店門口」看到一隻老犬安然入眠的情景,感受到殘暑漸漸減退,氣溫變得宜人,仿佛與「秋分」的季語氛圍產生了共鳴。
 
秋分や老犬眠る店の前
玉香
〔永田満徳評〕
「秋分」は昼と夜の長さが同じになる日で、冬に向けて、昼よりも夜が長くなっていく境目の日のこと。秋が深まり、冬へと近づいていくことを示す季語。「秋の夜長」はここからはじまる。「店の前(入口)」でぐっすりと眠っている「老犬」の様子に、残暑も和らぎ、過ごしやすくなった「秋分」の季語の雰囲気を感じているところに共感できる。
 
 
肩掛毛巾笑談古事祖輩
樟公廟
帥麗
〔永田満徳評論〕
「樟公廟」是台灣的秋季語,指的是祭拜樟木的廟。樟木的老樹被視為地區的靈性守護者,能夠抵擋風和沙塵,驅趕小偷,被崇拜為神聖的象徵。在樟公廟附近的樹蔭下,成為了一個休憩的場所,人們肩上掛著毛巾,一邊擦拭著,一邊歡快地交談著祖先的古老故事。這幅畫面描繪出了過去地區居民之間的互相依賴關係,生動地展現了當地文化。
 
肩掛を拭ひ談笑樟公廟
帥麗
〔永田満徳評〕
「樟公廟」は台湾の秋の季語で、樟木の廟のこと。樟木の老木は地域の霊的な守護者と見なされ、風や砂塵を抑え、泥棒を撃退する存在と考えられ、神聖な象徴として崇拝されていた。樟公廟のそばの木陰で、祖先の古い話を肩掛けのタオルで拭いながら「談笑」する人々の憩いの場を描いて、地域の人々の共存関係をうまく表現している。
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〜 季語で一句 (48)〜『くまがわ春秋』2023年11月号(第92号)

2023年11月01日 20時42分37秒 | 月刊誌「くまがわ春秋」
俳句大学投句欄よりお知らせ!
 
〜 季語で一句 (48)〜
 
◆『くまがわ春秋』2023年11月号(第92号)が発行されました。
◆Facebook「俳句大学投句欄」で、毎週の週末に募集しているページからの転載です。
◆お求めは下記までご連絡下さい。
・info@hitoyoshi.co.jp 
 ☎ 0966-23-3759
 
永田満徳:選評・野島正則:季語説明
季語で一句(R4.11月号)
 

鵙(もず)            「秋-動物」

 

牧内登志雄

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真言の山渡りゆく鵙の声

【永田満徳評】

「鵙の声」は鵙が木のてっぺんなどで鋭く鳴く声。「真言の山」とは真言宗の高野山金剛峯寺のような山であろう。「鵙の声」が山の中を「真言」の読経のように鳴き渡る宗教の山の雰囲気がよく描かれている。

【季語の説明】

「鵙」は農耕地や林緑、川畔林などに生息。小さな体でありながらも肉食性で、鷹のように鋭い鉤状の嘴を持つ。生け垣などのとがった小枝や、有刺鉄線のトゲなどに、バッタやカエルなどの獲物を串ざしにする変わった習性があり、「鵙の贄」と呼ぶ。江戸時代は凶鳥で、鵙が鳴く夜は死人が出ると信じられていた。

 

甘藷(さつまいも)        「秋―植物」

 

外波山チハル

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甘諸食ふ口角あげてはひふへほ 

【永田満徳評】

「甘諸」は栽培しやすく、高い栄養で健康食材。秋も深まり、寒い季節になると食べたくなるものはふかしたての甘諸である。「はひふへほ」にはいかにも美味しそうに食べている様子がうまく描かれている。

【季語の説明】

「甘藷」は漢名で、薩摩芋のこと。唐芋・琉球薯などとも呼ばれる。17世紀に琉球から薩摩へ伝わり、薩摩地方でよく栽培されて、生産量は鹿児島県が全国1位で特産品である。青木昆陽は栽培を関東に普及させ、大飢饉で多くの人々の命を救った。日本では数十種類が栽培され、新しい品種も次々誕生している。

 

菊(きく)           「秋―植物」

 

茂木寿夫

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残照や菊置かれある事故現場 

【永田満徳評】 

「菊」は「霊薬」であるといわれ、延寿の効があると信じられていた。何らかの「事故」で亡くなった「現場」に「菊」が手向けられている情景だろう。秋の「残照」が慰霊するかのように照り渡っている。

【季語の説明】

「菊」はキク科の多年草。日本の秋を代表する菊。皇室の紋にも使用されている。菊には延命長寿の滋液があるとされて、平安時代に宮廷で菊酒を賜る行事が行われた。原産は中国で、不老不死の薬草、縁起の良い植物として扱われている。菊は竹、梅、蘭と並んで、四君子と呼ばれ、美しく尊い花となっている。

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