みらいやの小説創作・新人賞挑戦日記

講談社児童文学新人賞にて最終選考まで行った「みらいや」の新人賞挑戦日記。「駆け出し作家の執筆日記」に変わる日は近いのか?

講談社児童文学新人賞、最終候補に残る・その1

2006-08-27 | 新人賞
 自作『霧の街のシャナン』が最終候補作として残っていた、第47回講談社児童文学新人賞の最終選考会が終了した。その結果も含めて、今回の経緯を順を追って何回かに分けて語っていきたい。

 7月25日、ちょうど昼ご飯を食べ終えた、日本時間にして午後2時半ごろ、携帯が鳴った。画面表示は「Withhold」。相手の番号が表示されないのはここでは国際電話ということになる。期待していた賞の通知時期なら「もしかして」とも思うが、いまは特に思い当たらない。
 電話に出てみると、日本語で、しかも知らない女の人の声がする。電波状態があまりよくなかったが、何回かきき返したりして、それが講談社児童文学新人賞の最終候補に残った連絡だということがわかった。本当に意外な連絡で、呆気に取られてしまう。二重応募をしていないことの確認と、パソコンデータの送付依頼、あと誓約書を送ってくれとのことだった。最終選考日が、8月24日だとかで、その日の午後7時ぐらいに連絡が取れるかをきかれた。あとは普段の連絡可能時間。明け方から午前中いっぱいは肉体労働の仕事がある(携帯の電波すら届かない場所で)ので、日本時間の2時すぎならつながると答える。電話ではきき取りにくいので、詳しいことはメールで送ってもらうことにする。募集要項には載っていなかったが、応募原稿にこちらのメールアドレスも書いておいた。
 待ちに待った最終候補だというのに、電話を終えてもやはり実感はわかない。それほど自信のあるものではなかったからかもしれない。自分で自分の作品が見れていないということをあらためて悟る。自信作が一次も掠らず、あまり自信のないものが最終に残る。しかも、ひとにいわれて応募した「児童文学」というジャンル。自分の作品のジャンルすらわかっていなかったことになる。何か、すごく遠回りしてしまったような気がする。適性がわかっていれば、最初から児童文学一本で勝負していたものを……。
 それに、最終に残ったからといってそうそうよろこんでもいられない。電話の編集者さんは「おめでとうございます」といっていたが、最後の作家先生たちの選考で落とされれば、いまと何も変わらない。賞金も、デビューもない。これがライトノベルなら、多くのレーベルで「最終残=デビュー当確」なので、もっとよろこびもするが、この賞はここまで残ってもデビューできない確率のほうが高い。よろこぶによろこべないし、かといって最終まで来て期待する気持ちを消し去ることもできない。もやもやした気分のまま1か月をすごさなければならないようだ。どうせなら一発で決めてもらいたいものだが、そう都合よく事は運ばないだろう。
(つづく)