P の本棚

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あしからず。。。(__)

コールドゲーム 萩原浩

2006年02月24日 | 荻原浩
「ぼくの大切なものをうばった君へ 君のたいせつなものをうばいに行くよ」という言葉に、少し怖さを覚えながらも、手に取った。

重松作品にも頻繁に出てくる「いじめ」。子供は無邪気で、残酷だ。そして、子供のままでしかいられなくなった大人。それが最も残忍なのかもしれない。この「コールドゲーム」に出てくる子供と大人に、たいした違いなどない…。
読み進んでいくにつれて、どんどんと事件が現実のものとして、自分のそばに近付いてきているような感覚におちいる。迫ってくる不安感、恐怖。そして、深刻さを増す事件を、二人の少年の男同士の友情が乗り越えていく。
きっと、大切なものをうばわれた子供は、自分自身の中にある何かを奪われたのだ。そして、大人になった君の「たいせつなもの」は、自分の周りにいる人だったりするんじゃないかな。
大人になるということは、「大切なもの」が自分の愛すべき人たちに変わっていくことなのかもしれない。子供だから分かることもあれば、大人になって分かることもある。
だから人生はコールドゲームじゃいけないんだよね。


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