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P の本棚

自分が読んだ本や見た映画の記録として。
ストーリーの紹介や感想ではありません。
あしからず。。。(__)

リセット 北村薫

2005年08月17日 | 北村薫
時の3部作、リセット。
この「リセット」という言葉は、あまり良い印象がもたれていない。最近の青少年犯罪の増加などの背景として、ゲーム世代の子供たちが「我慢することを知らない」要因として「リセットボタン」が挙げられているからだ。
一方で、北村さんはこのリセットという言葉を、ハムレットの中の台詞から「世界の間接が外れてしまった」の「骨接ぎ」という意味合いとして捉えている。いわゆる「人生の骨接ぎ物語」なのである。
「スキップ」「ターン」の2作品とは、若干感じ方の違う作品だった。時間と人のかかわり方が違うのだ。どちらかというと、「リセット」で起こっていることは、いわゆる「輪廻」である。死んでしまっても、何度も引き寄せられる2人。
しかし、主人公の「私」は、今回の人生でやっと「なあちゃん」と一緒になれたから、もうリセットはしないんだろうか…。

スキップ 北村薫

2005年08月06日 | 北村薫
スキップ。
最初読み始めた時は、このまま二人の女子高生の青春ドラマで終わるのかと思わせるほど、何事もない平穏な日々が続く。高校2年の文化祭の終焉のとき、突然「スキップ」は訪れる。
目の前に現れた現実。「失われた自分の存在」と、「自分ではない自分の存在」。しかし、新しい自分を生きはじめた自分には、それを助けてくれる家族がいた…。

北村薫さんという作家はとてもやわらかく、そしてわかりやすい言葉で、登場人物の心の有り様を綴っていく。女子高生二人の会話などを見ていても、これを中年の男性が描いたとは、思えないほど生き生きしたものだ。
前回に読んだ「ターン」同様、前を向いて生きることにまっすぐな、主人公には共感のみならず、まるでそれを見守る家族のような愛情すら感じてしまう。
悲惨な出来事であるはずなのに、読んでいて苦しい気分にならないのは、主人公の生き方が前向きのものだからだろう。
「スキップ」というと、子供の頃飛び跳ねながら歩いたあのスキップが連想されて、なにか楽しそうなイメージがする。一方で、この物語の「スキップ」はいわゆる人生の早送りによって、時の狭間をスキップしてしまうといういみなのだが、北村さんはこの早送りのスキップも、本人の心の持ち様で、楽しいスキップに変えていけるものなのだ、と訴えている。
「前を向いて、スキップするように楽しく人生を生きようよ」というメッセ―ジなのだ。

ターン 北村薫

2005年07月30日 | 北村薫
私たちの生活だって、実はターンと変わらない…。
毎日の生活は、いつの間にか私たちの人生を「くるりん」の連続に変えてしまう。
でも、変えてしまうのは、私たち自身の心の中にある一種のあきらめの心。
最後、彼女が「ただいま」を言えるようになったのは、自分の人生の一瞬の価値を知ったから…。今あることの価値。それが、ターンから抜け出せるキーワードなんだ。