Metallica「Screaming Suicide」

「Metallica」が春に発売予定の新作から、
「Screaming Suicide」のMVを公開したのですが、
曲自体は初期の感じや「Annihilator」辺りを髣髴とさせるような感じもある、
ストレートでハードでノリの良いオーソドックスなメタルソングで、
ノリノリのギターリフなんか素直にカッコイイし、
良い意味でキャッチーで分かり易い曲で中々に良いんですが、
曲のタイトルが「Screaming Suicide」なように歌詞が深いんだよねー！

作詞したJames Hetfieldによると、
「タブー視されているSuicide(自殺)について書きたかったんだ。
この曲の意図はみんなが心の中に持っている暗い感情についてコミュニケーションを取ることだ。
そういう気持ちを持っているという事自体を否定しなければいけないという考えはおかしいと思うんだ。
そういう暗い感情は誰もが何回かは直面することだ。
それに向き合って対峙するという事は、その事について会話をするということだ。
多くの人間が経験する事ならば、みんなで話し合ったほうがいい。君は独りではない。」
との事で、
みんなが「自殺」という社会問題に触れたがらない事を疑問視して問題提起してるんだよね～

臭い物に蓋をしても根本的な解決にはならない訳ですので、
こういう風に大物アーティストが問題提起してくれるのは凄く良い事かと。


ちなみに、
音楽自体もヘヴィな「Metallica」ですが歌詞もヘヴィなものが多く、
自殺願望を歌っているような「Fade to black」なんていう曲もありますし、
（実際は高級な音楽機材を盗まれて絶望した時の気持ちを歌ってるという説もあります…）
鬱映画の傑作として誉れ高い「ジョニーは戦場に行った」をベースにした「One」という曲もあるように、
以前から「Metallica」は「死」に付いて歌ったダークで重い歌詞の曲ありますし、
内省的で哲学的な歌詞の曲も多いように、
「Metallica」は歌詞が深い曲やメッセージ性が強い曲も多いんですよ。

元々「James Hetfield」は子供の頃に親が離婚しており、
その時の事について「俺は見捨てられたんだって思った」と述べてますし、
父親が居ない事に対して子供の頃に孤独を感じたようで、
幼少期にいろんなトラウマを抱えたのは有名ですし、
通称「ブラックアルバム」が売れに売れて大人気になってからも、
トラウマは消える事なく残り続け、
後にアルコール依存症で更生施設に入ったりしてますからね…
そのアルコール依存症の更生施設の経験がベースになっている
「Frantic」も実にリアルで深い歌詞＆曲で、
不安や苛立ちを募らせつつも何とか抜け出そうともがく様な曲で
「Frantic」という「半狂乱」を意味する言葉と
時計が進む音である「チクタク音」を上手く合わせて、
気が狂いそうになる感じを表現してるパートなんか実に印象的ですし、
「My lifestyle determines my death style」(自分の生き方が自分の死に方を決める）という歌詞は、
凄く哲学的で好きなんだよねー！

この曲に続く曲でありアルバムタイトルでもある
「St. Anger」なんて曲は歌詞は勿論の事タイトルから最高ですし、
一般的に「Metallica」＝「ヘヴィメタル」なのもあり、
暴力的で怖いイメージあるかもですが、
歌詞がシリアスで深いもの多いですし、
音楽面は勿論ですが歌詞ももっと注目されていいと思う。





PS
自分が知らないだけなのかもしれませんが、
2022年で社会的で深い歌詞で話題になったのって
STU48の「花は誰のもの」や、
22/7の「曇り空の向こうは晴れている」など、
秋元康さん関係だけな気がする…
フォーク全盛の頃は多くあったらしいのにどうしてこうなった…