昨日、私が落語でまったりと笑っている間、
亀田興毅選手がフアン・ランダエタに疑惑の判定で勝利して、
大問題になっていたらしい。
まあ、お金がたくさん動く興行にはありがちなことが
事前に行なわれたんだろーなあと思う。
っつーかさ。
もうここまできたらいっそのこと、
「リングにかけろ」(車田正美)実写版にしちゃえばいいじゃん。
亀田がギャラクティカ・マグナムを編み出すとか。
1週間かけて後楽園で死闘を繰り広げ、
フラフラになりながら教会へ行き、
花嫁の膝で息絶えたらそのとき亀田は神になるね。
っつーか、私は亀田親子は下品で嫌いだが、
(どっかがこういうキャラで、っていうシナリオを書いていると思うが)
これに本気で憤ってTBSに電話しちゃう5万5000人もどーかと思う。
この5万5000人の中で、WBC世界バンタム級タイトルマッチで
長谷川穂積がチャンピオン防衛した今年の3月の試合をテレビで見た人……
いや、彼の名前を知っている人は何人いるのだろう?
みんながガチンコのボクシングを見ないから
ボクシングの試合中継は視聴率がまったく取れないし、
多くのジムは赤字だし、 いい選手だって育たない。
多くの日本人チャンピオンは、バイトで生計を立てているのが実情なのだ。
だから、ボクシングを活性化するために
虚偽のヒーローを祭り上げるという手法はものすごく理解できる。
っつか、私がプロモーターだったら絶対やる。
週刊少年ジャンプが不人気連載のテコ入れに、
武道トーナメントをやるようなものだ。
んで勝手にメディアに踊らされておきながら
試合結果に納得いかないからと怒ってTBSに電話するのもどーなのかなあと。
視聴率は稼げるわ、反響はあるわでTBSは大喜びだろうな。
「編集王」(土田世紀)で明治一郎が担当した
「ぬかずヌルハチ」っていうエロ漫画に
「連載をやめろ!」
っていう多数の苦情があったエピソードを思い出す。
宮史郎太に
「(苦情があったからといって)この漫画が
当たらないと決まったわけじゃないんだから」
と慰められた明治は
「(この漫画は)当たるに決まってるじゃないですか」
ってほくそ笑むのだ。
要は、苦情込みの人気ってことだ。
週刊誌だって、
「好きな連載ナンバーワン」
と
「嫌いな連載ナンバーワン」
は絶対切らない。
切られるのは、どちらの投票でも真ん中よりやや下にあるという、
誰からもどうでもいいと思われている連載なのだ。
中村うさぎ先生が週刊文春に「ショッピングの女王」を連載し始めた当初、
編集部には
「なんでこんなバカ女の連載を文春に載せるのか」
という投書が殺到した。
担当は
「この連載は絶対当たる」
と確信したそうな。
その読み通り、うさぎ先生は大成功した。
そして、反響があれば、対策を立てるのがメディア。
恐らく、亀田がチャンピオンベルトを返上し、
大晦日に因縁の再試合というところまで
シナリオが決まっているのではないのか?
タイトル返上すれば、防衛戦やらなくて済むしね。
メディアにとって辛いのは、「無視される」ということだ。
だから、亀田選手の試合にムカつく人は見なければいいし、
TBSのことも放っておけばいいのに、と思う。
なんつーか今回の騒動は、安藤美姫バッシングに似たものを感じて
いまひとつ合点がいかない。
もともと才能はあってもまだ伸びるかわからないスポーツ選手を
アイドルに祭り上げ、スポイルして才能を潰し、
最後に国民総出でバッシングする構図がまったく同じだ。
ワールドカップだってそうだ。
ジーコ監督のサッカーは戦略的に甘いことは
以前から指摘されていたわけで、あの結果は順当といえば順当。
大げさな評価を与えて国民に必要以上の期待を持たせ、
選手を踊らせたメディアの責任は重い。
自らの肉体と精神を極限まで鍛え抜き、
時折わたしたちに奇跡を見せてくれるスポーツ選手に対して、
メディアはスポイルもバッシングもせず、ただ敬意を持って接すればいいだけだ。
なのに、今のメディアはスポーツ選手に焼けた鉄の靴を履かせて踊らせる。
期待はずれの舞だったり、
踊りをやめたりすればバッシングする。
今のスポーツ選手は、哀れだとしか言いようがない。
それにしても……。
韓流といい、亀田選手といい、なんでみんなメディアや広告代理店の策略にのっちゃうんだろう。
これって、およそメジャーなモノからは背を向けて
ニッチを爆走するがゆえに儲からない私のひがみなのかしら。
それにしても、この国歌は斬新だったわあ。
http://www.youtube.com/watch?v=odlsbUQoQSM
ここで張って比べるのもかわいそうすぎるけど、
ホイットニー・ヒューストンが斉唱するUSA国歌。
http://www.youtube.com/watch?v=ldXjOAMBjV0