都庁に電話をしたら、東京都は防災計画で
ペットの保護を定めていることがわかりました。
では、実際に、犬やペットを連れて避難所に入れることはできるのでしょうか?
渋谷区役所に電話をかけて聞いてみました。
mikipoo(以下M):
犬を2頭飼っているのですが、地震などの災害時に
犬を連れて避難所に入ることはできるんでしょうか?
渋谷区役所(以下区):
結論としては、もちろんできます。
ここは時系列に沿って考えてみましょう。
まず、地震が発生します。ゆれは1~2分でおさまります。
このとき火災などが発生したら、みなさんには近くの校庭などに避難していただきます。
そこが危なくなってきたら、広域避難地帯に避難していただきます。
明治神宮とかですね。
その後、様子を見て、事態がいったん落ち着いたら、
みなさんには一度帰宅していただきます。
ここで家屋が倒壊していた場合、初めて避難所に入っていただくことになるんです。
M:え!地震が起きたら、すぐに避難所に
入るというわけではないんですか?
区:はい。みなさん誤解されているようですが、
避難所は広域避難場所に避難してようすを見た後、
帰宅をしたときに、自宅が住めない状態まで倒壊していた場合に
入る場所なんです。最終手段なんですね。
ですから、まず皆様には、
倒壊しない家づくりと火事を出さない工夫
をお願いしたいですね。
M:なるほど。家屋の耐震鑑定をしておくといいということですね。
避難場所や広域避難場所、避難所にはペットを連れていってもいいんですか?
区:はい。もちろんつれてきていただいてかまいません。
ですが、区民の方々の中には、動物が苦手という方もいらっしゃいます。
そういった方々に迷惑にならないように、我々も工夫しますが、
飼い主の皆様にも工夫をしていただきたいと考えています。
M:具体的にはどのようなことでしょう?
区:まず、我々がする工夫ですが、避難場所、広域避難場所、避難所では、
ペットを連れている人といない人で
場所を分けます。
例えば、ペットを連れている人は校庭の左側、
連れていない人は右側といったかんじですね。
避難所でも、ペットを飼っている人は5階、
飼っていない人は4階というように、
階や建物をわけることを考えています。
M:なるほど、スペースを分けると。
区:はい。避難所での生活は共同生活ですから、
避難所に入った方々でルールを決めていくことになると思います。
例えば、起床時間ですとか、ゴミのルール、
喫煙場所、ペットを飼っている人が寝起きする場所などですね。
M:近所の人とは仲良くしとけってことですね。
区:まあそういうことになりますね。
区内には32箇所の避難所が定められていますが、
これを同時期にすべて使うという事態は想定しずらいです。
そのうちの、5箇所くらいを使うことになると思うんです。
そういったときに、例えばどの避難所には獣医師がいて、
どこには医者がいて……というように、避難所の機能を
わけていきたいとは考えています。
M:なるほど。飼い主がしておくべき工夫にはどんなことがありますか?
区:そうですね。
ほかの方に迷惑をかけないように
お願いしたいということですね。
例えば、よくしつけられているわんちゃんでも
非常時ですから、気が高ぶってしまうことも考えられます。
気が高ぶっている犬を動物を苦手とする人が見れば、
やはり怖いと感じてしまうでしょう。
M:そうですよねえ。犬も動揺しますもんね。
区:はい。いつもは言うことを聞くおりこうなわんちゃんでも、
非常時ですから、そうはいかないかもしれません。
飼い主の言うことをよく聞くようにしておいていただきたいのはもちろんですが、
例えば大型犬の場合は口輪を用意しておいていただくとか、
ほかの方に恐怖感を与えない工夫をしていただければと思います。
避難所では基本的に、クレートなどに入れていただくことになると思うので、
そういったこともできるようにしていただきたいです。
犬のほえ声などは、避難所では特にトラブルの元になると想定されますので、
飼い主さんがほえやませられるようにしていただければとも思います。
M:結構、大変ですね^^;
ほかに、飼い主がしておくべきことはありますか?
区:ペットフードと、ペット用の水の備蓄です。
人間用の食料の備蓄はありますが、ペットまでは手が回っていないのが現状です。
ペット用のフードについては、飼い主さんが用意していただけると大変助かります。
M:ほかには?
区:うーん、そうですね。
ご近所で、ペットを飼っている方たち同士で、
日ごろから災害について話し合っておいていただければと思います。
災害時は国も、都も、区も精一杯のことをしますが、
結局はご近所の助け合いも必要になってきますからね。
M:本当にそのとおりですよね。
例えば、ペットを連れた避難訓練などを区が行なう予定はありますか?
区:あ、それはしたほうがもちろんいいと思います。
ちょっと今メモしますね。検討させていただきます。
M:どうもありがとうございました。
都庁職員さんも、渋谷区役所職員さんも、とても誠実に答えてくださいました。
いやー、こんなにちゃんと仕事をする方たちになら、
都民税も区民税もよろこんで払っちゃいますよ。
倍払いたいくらい。
特に、渋谷区役所の人はすごく犬に詳しいんでびっくりしました。
犬飼ってるんですか?って聞いたら、飼ってないそうです。
獣医師会などと災害対策については話し合ったり、
レポートなどを書くときに勉強したりしたんだそうです。
いや、犬飼ってない人の口から「クレート」っていう単語を聞くとはね。
ちょっと感動してしまいました。
みなさんも、ぜひ、お住まいの区に問い合わせをしてみてください。
うちの区は渋谷区とちょっと違ったとか、
コメントでご報告いただけるととてもありがたいです。
ペットの命を守れるのは飼い主だけ。
日ごろから、災害対策はきっちりしておきたいものです。
さてさて、シリーズ「ペットの災害対策」。
明日は、飼い主がしておくべき対策や、
用意しておくべき荷物などについてまとめたいと思います。
こんなことも調べてほしい!ってことがあったら、
コメント欄に書いてくださいね♪
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