酔いどれコンサル 中小企業診断士・中原央のブログ

舌癌と心筋梗塞を経験した日本酒大好きな経営コンサルタント 横浜の中小企業診断士 中原央が徒然につづります。

舌癌の治療4・抗がん剤、放射線治療の開始

2008-04-24 06:41:26 | 舌がん治療
横浜の中小企業診断士 中原央です。


昨日は客先への移動途中、汗をかくぐらいあったかでした。
今日の横浜は1日、雨の予報ですが、この時間、まだ雨は落ちてきていません。


今回は先週に引き続き、治療の概要についてお伝えします。

放射線の照射は、がんを中心に頚部の粘膜にピンポイントで照射する(リニアック)というものです。そのため直径5センチほどのシリンダーをくわえ、口を開いた状態で顔面を動かないようにするネットで型を取ります。

暖めるとやわらかくなる素材で、放射線技士が暖かいネットをウニューっと顔に押し付けて型を取ってくれます。

照射するときは放射線の台に横になり、このネットをかぶせてから留め金で顔を固定。機械が自動的に動いて放射線を照射します。

放射線は1日に2グレイ。右側から1分、左側から1分。もっと短いかもしれません。短時間で済みます。

ですが皆さん。健康診断などで胸部レントゲンを取った経験がおありかと思いますが、あの場合は「ピッ」といって、ほぼ一瞬で終わりますよね。この放射線照射は、しばらくの間「ピーっ」と音が鳴り続けます。


横浜市大放射線科のリニアック・私は別のタイプで治療を受けた



このリニアックによる放射線の照射ですが、胸部レントゲンと比べるととんでもない長い時間、放射線を照射することになります。しかもそれも2回。ダメージが出るわけです。

2週目の後半でかなりへこたれて、イヤになりました。それと抗がん剤の副作用も出てきますので、病棟から出るのが億劫になります。

放射線は受けたくないという思いもあり、なおさら足が重くなる、そんな気持ちも湧いてきていました。

週に1回の放射線科での問診時にも、愚痴を言ったこともありました。

放射線科の説明では、照射を受けられる限界は70グレイ。それを超えると細胞の破壊が始まるとのことでした。

人間の体は放射線の照射を受けると記憶していて、今回の治療が終わったとしても、次に治療を受けるときには必ず、この治療を受けた経験があることを話すようにといわれました。

奥歯の詰め物もアマルガムなどの金属は乱反射を起こすということで、セラミックのタイプに変えてくれました。


次に抗がん剤です。抗がん剤、特にタキソテールは腎臓代謝の薬で、患部への注入後はやはり薬ですから、全身に回っていきます。最終的に腎臓から排出されるわけですが、それを促進するために、朝6時過ぎにたたき起こされて、生食の点滴が始まります。

点滴というと1滴ずつゆっくりたれて、なんてイメージでしょうが、そんな甘いものではありません。ポンプで強制的に流し込んでいきます。その量は1時間に300ml。それだけかって?

とんでもない。これを毎日10時間、つまり3リットルも流し込みます。そして最後にマンニットールという利尿剤、300ミリリットルの点滴。これで1日分となります。結局最短でも11時間以上の点滴を流し込むというわけです。


点滴ポンプ・抗がん剤のときはもうひとつ別なタイプがつけられる


朝6時過ぎの点滴開始から通常で12時間、途中で栄養剤や抗生剤など、ほかの薬を複数投与することもあり、そのときには生食をストップすることも。そうすると点滴の終了が23時過ぎなんてことも、何回もありました。

そのため外来で診察を受けに行くのも放射線へ行くのにも、どこへ行くのにも、何をするのにも点滴がついて回ります。これを「ポチ」と呼んでいました。

よく見る点滴棒は金属製であるため、全体が銀色というのが主流ですが、ここの病棟にはカラフルなのもありました。私は赤系統の色が好きなので、ピンクを貸してもらっていました。

日中でもおしっこの回数が増えますが、最後の利尿剤でじゃんじゃんおしっこ出るようになります。

なので点滴の終了、即睡眠というわけにはいかないのです。体と気分が落ち着かないと寝付くことは出来ません。

抗がん剤の投与は1時間に50ml、これもポンプを使って、時間を計りながら入れていきます。初日はタキソテールとプラトシンを、2日目から5日目まではタキソテールだけの投薬となります。

これを1週間ワンセットとして5~6回の投与を繰り返します。

初日、抗がん剤のはじめての投与のときはなんともなかったのですが、2日目に1時間50mlでは痛くてたまらず、半分の量にしてもらいました。つまり50mlを2時間かけて投与するということにしてもらいました。

また、一番最後の利尿剤も、1時間300mlでは腕が痛くてたまらず100mlに減らし、3時間かけての投与となり、結局1日の点滴時間は15時間を越えてしまいました。
最長で、25時、26時ごろまでかかったこともありました。

点滴は爆発することもあります。正確には点滴液が血管内に流れていかず、刺入した周囲に液漏れを起こすことを差しています。

こうなると痛くてたまりません。針を抜いてもらい、落ち着いたところでルートを取り直します。左で爆発すると右腕にルートを取る、何回もありました。

食事が取れずにやせて、腕が細くなると爆発しやすくなるようです。

「点滴だけなんだから、楽なもんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、いうなれば「毒」を体の中に入れていくわけです。その影響たるやものすごいです。点滴を入れること自体「静的」な治療行為かもしれませんが、かなり負荷は大きいと思ってください。

次回は副作用について触れたいと思います。

横浜市立大学放射線科
http://www-user.yokohama-cu.ac.jp/~radiolog/
http://www-user.yokohama-cu.ac.jp/~radiolog/ikyoku_outline.html#tiryou


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